森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「海に眠るダイヤモンド」、良かったですよね~!!!

2024-12-25 14:27:58 | テレビ・ラジオ

(実は見終わったすぐ後の23日の夜中に書き始めたのに、もろもろなことで挫折して途中で放置状態になり、またも遅れてしまいました。それでもちょっとでも自分ワールドに何かしらの記憶を残しておきたいようなドラマでしたね。)

※           ※

「光る君へ」のない日曜日、ロスの寂しさに負けずに済んだのは「海に眠るダイヤモンド」の最終回2時間スペシャルがあると分かっていたからでした。

―なぜ鉄平は、朝子を置いてリナと島を出て行ってしまったのか。

その後鉄平はどこに行ってしまったのか。―

 

そしてその2時間は、本当に涙を友にして見続けた時間になってしまいました。

 

このドラマの初回、鉄平が端島に戻ってくるシーンを見ていて、なぜか私は「タイタニック」を思い出してしまいました。

その事を伝える前に、姉の方から同じことを言われたのです。

頬を紅潮させながら、希望に満ち満ちて走っていく鉄平の姿と、今では端島が軍艦島と呼ばれている廃墟であることが、あの時希望に燃えて走りながら船に乗り込むジャックと、今では海の底深くに藻屑となって眠るタイタニックと重なったのでしょうか。

だけどどうもその秘密は、音楽にもあったらしいのですよね。

それと現在のヒロインが昔語りをするという方式にも、タイタニックの方式が採用されているのだとか。

だけどそんな説明などを受けなくても、見ていて連想をした方は、たくさんいたのだと思います。

現に進平兄ちゃん役の斎藤工さんは、シナリオを読んで、これは野木亜紀子版のタイタニックだと言ったそうですね。

 

そして最終回にも、そのタイタニックを連想させるシーンがありました。

あの幻のプロポーズシーンです。

あのシーンで涙を我慢なんてできましたか?

 

あのシーン、鉄平が持っているように見えたのは花だけ。だけど最終回後に映されたれにはこれには

ちゃんと、鉄平は花をあのギアマンの花瓶に入れて、朝子にプロポーズしていたのですよね。

あの花瓶、本当にキラキラしていて美しかったですね。

朝子に、本当に見せたかったです。

 

あの日、鉄平は朝子にとってはダイヤモンドに匹敵するギヤマンの花瓶を持って、彼女にプロポーズをしようと思っていた、人生最高の日だったと思います。

そして朝子にとっても、ああ、とうとうこの日が来たのねと予感がした、やはり人生最高の日。

それなのに、たった一日が二人のその後の人生を分かつてしまったのでした。

夜が明けるまで外で待っていた朝子。

途中で朝子に声を掛けに行きたかったけれど、それが出来ないほど緊迫し追い詰められていた鉄平。

何度も朝子に待っていてという手紙を書いては破り捨てていた鉄平。

 

確かに初回の時に、子供を抱いて海に逃れるリナが映し出され、決して平穏ではいかないぞとは覚悟していました。だけど概ねは端島の歴史と幼馴染4人と進平兄ちゃんとリナの青春物語で、お話自体もキラキラしていたと思います。

それが最終回の2時間で、こんな過酷なお話になるなんて。

鉄平が可哀そうすぎます。こんな人生は高倉健さんの世界だよって思ってしまいました。

 

朝子は子供の時に鉄平から貰った花瓶を捨てて、気持ちを切り替えて新しい人生を歩んでいきました。結婚をして二人の子供を産んで、そして会社も作りました。

鉄平は追われることがなくなった後、端島の見えるところに居を構え、そしてそこに二人で植えようと誓ったコスモスをたくさん植えていました。

そのシーンも泣けました。

きっと寂しかったと思います。

だけど彼も、端島が世界遺産になって立ち入れなくなる前に、あの花瓶をきっと自分たちが住んだであろう家族用の部屋に置いてくることで気持ちを切り替えたのだと思います。ずっと朝子の事は想っていたけれど、それでも地域の子供たちの話を聞き、居場所を作り、そして自分が亡くなった後は、家をフリーペースになるように寄贈したのです。それをただ孤独なだけではなくて、親友の賢将が寄り添い続けてくれたのですよね。

彼は素晴らしい人でした。きっと素晴らしい人生を送ったのに違いありません。ただ朝子との人生は「共に」ではなくなってしまっただけ。

だけど心の中では、いつも共に居たのですよね。

 

書いておくべきことはたくさんあるかもしれません。サワダがリナと進兄の子供の誠だったとか、玲央は本当は鉄平には似てなくて、たぶん血縁のものではないとか・・・・。

最終回にワン記事なので書ききれるものではありません。

でもその一つ一つにちゃんと意味があって、胸に迫ってくるものがありました。

 

私ちょっと思いました。

きっと鉄平は、遠くでずっと朝子の事を見守り、その幸せを祈っていたでしょう。もし朝子の会社が株式ならば、そっと会社の株を買っていたのではないのかと。

玲央は鉄平には似てなかったのに、最初に朝子と出会った時、朝子にはそう見えた。

そして声を掛けたくなったのだといいました。元気か、大丈夫かと。まるで鉄平がやっていた外勤の仕事のように。

そして私はまたもちょっとだけ思ってしまったのです。

それって「葬送のフリーレン」のフェンメルみたいじゃない?

って。

朝子は崖っぷちに立っているような、玲央に声を掛けたくなったのです。鉄平ならそうするなって思えたからじゃないでしょうか。

 

素敵なお話でしたね。

 

廃墟の島、軍艦島。前からちょっと憧れていました。条件付きですが、廃墟好きなのです。崩れ行くかつて繫栄していた街。なんかワクワクするような感覚がそこにはありました。でも行くにはちょっと遠く憧れどまり・・・・

だけどこの先、この軍艦島に訪れる機会があったならば、私は「端島」と呼び、目を閉じて過ぎ去った人々の生きたざわめきに耳を澄ます事でしょう。

 

King Gnu - ねっこ

 

 

 

 

 


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