「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

学習会『皆で学ぼう障害者自立支援法』に参加して

2008-02-10 04:00:55 | 医療
2/9に銀座中学校心障学級父母の会主催の
学習会『皆で学ぼう障害者自立支援法』が、
西水元福祉館 施設長 中俣 至氏講師の下
開催され、参加してきた。

感じたこと・学んだことを書きたい。

①自立支援法では、障がい者の経済的貢献を強調?

②地方格差が生じ、国の責任逃れ?
 国は小さな政府を目指し、市町村を中心に、年齢・障害種別・疾病を越えた一元的な体制整備を求めている。
 国の責任は、回避するような状況。

③障がい者家族、福祉サービス提供者への負担増
 福祉サービスに係る応益的な負担の導入で障がい者家族に負担増が生じてきている。
 福祉サービスをひかえる状況で、今度は福祉サービス提供者へのしわ寄せが生じてきている。

④福祉サービス提供者への負担増から、労働環境の悪化(非常勤化)と人材不足
福祉サービス提供者へのしわ寄せが行き、運営費減少から、
流動的な人員配置体制を引かざるを得ず、
非常勤化してきている。
それにともない、人材確保も難しい状況が生じてきている。

⑤障害程度区分の判定法の妥当性(知的障がいの場合特に)
 介護保険要介護認定79項目を基本に27項目(合計106項目)の障害特性を勘案し、障害程度区分がなされている。身体障がい判定に重きがあり、知的障がいの判定の妥当性が言われている。

⑥迷走する障害者自立支援法
H18年4月から障害者自立支援法施行時より
1)障害者自立支援法の抜本的見直しを求める各団体の集会・運動が活発化し、
2)都道府県・区市町村独自の軽減措置・補助策がなされてきた。

H19年4月 国の特別対策(H20年度までの措置)
利用負担の軽減化・事業者への激変緩和措置の拡充をとっている。

H21年4月報酬改定があり、どれだけ充実できるかが課題。


⑦介護保険の「普遍化」の名のもとに。
 「普遍化」という美しい言葉の響きと共に、介護保険の中に、障がい者サービスも、統合されてしまおうとしている。
 巨大な高齢者福祉サービスの中にいっしょに取り込まれた場合、きめこまかな視点を常に、障がい者サービスに向けていくことが、大切になってくる。

⑧真の自立とは、なにか?そこで目指す社会は。
 互いに支え(依存し)合い、互いに尊重し「主体的に生きること(自立)」できる社会を目指すべき。

⑨障害とは、なにか?
 社会生活上の困難さは、障害を個人にきするのではなく、社会に障害があるという考え方。
 北欧を視察した中俣氏によると「特別なグループとして障害者が存在するのではない。普通の生活を営む上で障害をもたらしているのは社会の責任。すべての人が不自由なく共に暮らせる社会作り、共生社会を実現する」必要がある。


⑩私たちにできることは、
 以前、ブログ(2008-02-02 09:20:06)でも書かせていただきましたが、中央区では、自立支援協議会が開催されています。今後、5つの専門部会(障がい児サービス部会、障がい者サービス部会、居住環境整備部会、地域移行部会、就労支援部会)を立ち上げ、障がい者サービスの個々の施策の検討を行っていく予定です。専門部会の構成は、6名中4名が公募で募集されます。積極的にご参加頂き、施策の充実を考えて行っていただければと思っています。現場の声を反映させる絶好の機会と思います。
 区報3/15号に募集のお知らせが載ります。
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