都議会で都知事や比留間市場長は、何度も「汚染は限定的」と述べていました。まったくの“嘘”です。
根拠は、直近の国会での、豊洲は日本最大級の土壌汚染であることについての議論です。
は、重要。赤文字は、最重要発言。
169回国会 環境委員会 平成20年6月10日
○小島委員長 次に、川内博史君。
○川内委員 民主党の川内でございます。
きょうは、再び委員長、理事の先生方にお許しをいただきまして、発言の機会をいただきました。心から感謝を申し上げたいと思います。
本委員会の質疑終了後、土壌汚染対策法の一部を改正する法律案を私ども提案させていただいております、参議院を通過いたしまして、本委員会付託になり、趣旨説明をさせていただけるということでございますので、きょうはその趣旨説明に先立ちまして、築地の中央卸売市場の豊洲東京ガス工場跡地移転問題について、環境省と、また大臣とやりとりをさせていただきたいというふうに思います。
まず、内閣提出の土壌汚染対策法が施行された平成十五年二月十五日から平成二十年二月十四日までの五年間で、土壌汚染状況調査が行われた件数、さらにはその土壌汚染状況調査に基づいて土壌汚染指定区域に指定された件数はそれぞれ何件であったか、教えていただきたいと思います。
○白石政府参考人 二つの数字についてお尋ねがありました。
五年間になりますが、その間に法に基づく土壌汚染状況調査が行われた件数は八百九十八件、その中で法に基づく指定区域に指定された箇所数は二百五十九カ所でございます。
○川内委員 その八百九十八件の土壌汚染状況調査と二百五十九件の土壌汚染指定区域の中で、ベンゼンの汚染濃度が最高濃度であったものは基準値の何倍の濃度であったのか、土壌及び地下水についてそれぞれ教えていただきたいと思います。
○白石政府参考人 ベンゼンについてのお尋ねでございますので、溶出量でお答えいたしますと、基準値は〇・〇一ミリグラム・パー・リットルでございますが、このベンゼンの溶出量基準に対しまして、今までのケースの中で一番濃い濃度があったものは一・三ミリグラム・パー・リットル、百三十倍でございます。
○川内委員 同じく、土壌汚染対策法上の土壌汚染状況調査並びに指定区域に指定されたものの中で、シアン化合物について汚染濃度が最大であったものは基準値の何倍の濃度であったのか、土壌及び地下水についてそれぞれ教えていただきたいと思います。
○白石政府参考人 シアンは溶出量の基準と含有量の基準でお答えをいたします。
シアンの溶出量基準は、検出されないこと、というのは検出限界でございまして〇・一ミリグラム・パー・リットル、これに対しまして今までのケースの中で最も濃度の濃かったケースは二百三十ミリグラム・パー・リットルでございます。
また、同じシアンの含有量の方の基準でございますけれども、これは一キログラム当たり五十ミリグラムが基準でございますので、これに対しまして最高の濃度であったところは二千四百七十ミリグラム・パー・キログラムでございました。
○川内委員 済みません、何ミリグラムとか言われてもちょっとわからないので、基準値、検出限界の何倍であったという御答弁をいただければと思います。
○白石政府参考人 シアンの方の溶出量基準で、二百三十ミリグラム・パー・リットル、二千三百倍でございます。
含有量の方は二千四百七十、基準が五十でございますので五十倍でございます。
○川内委員 今、土壌汚染対策法施行後、環境省がこの土壌汚染対策法で把握をしていらっしゃる土壌汚染状況調査についての数字をそれぞれ御答弁いただいたわけでございますが、それでは、せんだって東京都が独自に行っていらっしゃる豊洲東京ガス工場跡地における調査で、東京都の専門家会議に報告をされたベンゼンとシアン化合物の汚染濃度の最大値はそれぞれ基準値の何倍であったのかということについて教えていただきたいと思います。
○白石政府参考人 ただいま申し上げましたベンゼンの溶出量、シアン化合物の溶出量、それからシアン化合物の含有量の三つの数字で申し上げます。
ベンゼンの溶出量は四百三十ミリグラム・パー・リットルでございましたので、四万三千倍。それからシアンの溶出量の方は八十六ミリグラム・パー・リットルでございましたので、検出限界の八百六十倍。それから含有量の方は七十ミリグラム・パー・キログラムでございましたので、一・四倍。
以上でございます。
○川内委員 八百九十八件の調査件数の中で、シアン化合物が二千三百倍という数字をお答えいただいているのがあるんですけれども、それは特殊な例じゃないかなと思うんですが、どういう事例だったのか、ちょっと教えてください。
○白石政府参考人 事例の内容まで今手元にございませんけれども、新潟県の燕市で指定区域にされた地域でこのようなケースがあったと承知しております。
○川内委員 それでは、八百九十八件の調査件数の中で、面積が最大であったものはどのくらいの広さの土壌汚染を調査されたのかということについて教えていただきたいと思います。また豊洲と比較をしていただきたいと思います。
○白石政府参考人 ちょっと時点がずれている可能性はありますが、おおむね法施行後五年の間で私どもが承知している中で、最も指定区域の面積が広かったものは岩手県の宮古市のケースで、四・五ヘクタールというふうに承知しております。大体の大きさでございます。(川内委員「豊洲は何ヘクタールでしたか」と呼ぶ)
豊洲は、市場にするという計画の区域が約四十ヘクタールというふうに承知しておりますが、その中で、まだ調査が終わっておりませんので、どれぐらい指定区域になるかということは今の段階ではわかりません。仮に指定区域となるとしてもという面積の意味でございます。
○川内委員 豊洲が四十ヘクタール、他方で土壌汚染対策法の適用対象になったものの中で最大の面積は四・五ヘクタール。さらには、汚染物質でいえば、ベンゼンは、今までの最高濃度が百三十倍、豊洲は四万三千倍、シアンが今までの法律上の最高濃度が二千三百倍、豊洲は八百六十倍というような形で、見比べることが果たして適当かどうかは議論のあるところだと思いますが、いずれにせよ、築地の移転予定地である江東区豊洲の東京ガス工場跡地は、環境省が把握をしている限りでは最高レベルの土壌汚染地域であるという認識でよろしいかということを教えていただきたいと思います。
○白石政府参考人 汚染状況の数字でいえば、ベンゼンについては高い数字であるということはそのとおりでございますが、面積等々につきましては、ちょっと先ほど申し上げましたように、仮に指定区域になったらばというふうな議論の前提となる、東京都が処理をするべきだというふうに認識する面積がまだわからない段階なので、広さについては何とも申し上げられないなと思います。
○川内委員 いや、私が聞いているのは、環境省が今まで土壌汚染対策法上で把握をしている土壌汚染状況調査は八百九十八件である、それに加えて、東京都の豊洲東京ガス工場跡地の調査を合計すると八百九十九件を、環境省はほかにももしかしたら把握をしていらっしゃるかもしれませんが、私が知る限りでは、八百九十八件プラス東京ガス工場跡地の八百九十九件を把握していらっしゃるということは確実なわけですが、その八百九十九件の中で、東京ガス工場跡地は環境省が知り得る限りで最も高濃度にあるいは広範囲にわたって土壌が汚染をされている地域であるという認識でよろしいかということをお尋ねしております。
○白石政府参考人 若干繰り返しになりますが、ベンゼンの濃度に関しては御指摘のとおりだというふうに思っておりますが、面積についてはちょっとまだ何ともわかりません。
○川内委員 豊洲の四十ヘクタールのうち、大臣、いいですか、シアン化合物は、全部で四千二百カ所のボーリング地点のうち二三%の地点で汚染が発見されております、二三%。四十ヘクタールの二三%、大体四分の一。ということは、十ヘクタールで汚染が発見をされているというふうに想定をしていいわけで、そうなると、岩手の宮古四・五ヘクタールを超えて、広さにおいても土壌汚染は最大級の広さで汚染をされていると私は言っていいんだというふうに思いますが、もう一度環境省から御答弁をいただきたいというふうに思います。
○白石政府参考人 今手元に全部の東京都の調査の地図がないので何とも言えないのですけれども、相当の面積であることは確かなんでしょうけれども、四十ヘクタールの中でどれぐらいかということについては、まだ調査が終わっていないので、にわかに即断する段階ではないというふうに思います。
○川内委員 いや、白石さん、広がる可能性はあっても、四千カ所のボーリング地点のうち二三%の地点、約千カ所でシアンの汚染が発見をされているわけですから。それは十メーターメッシュで全部とっているわけで、そうなると、十ヘクタールぐらいの面積においては汚染があるということは言っていいわけですから、面積のことはわからないとおっしゃられるのは私は違うんじゃないかなと思うんですが、委員長、どう思いますか。
○白石政府参考人 お尋ねがシアンでございましたので、私どもの今手元にあるシアンの検体数で申し上げますと、四千百二十二の検体のうちで基準を超過している件数が、シアンに関しては九十カ所でございますので……(川内委員「それは土壌でしょう」と呼ぶ)はい、土壌の溶出量でございます。
もう一つの含有量の方は、処理基準を超過している検体が四千百二十二のうち一でございますね。(川内委員「いや、それはちょっと違うと思いますよ」と呼ぶ)処理基準以下で定量限界値より大きいものが、足して百二十三でございます。
その場所がダブった場所なのかどうかということが、ちょっと手元にないものですから、仮に百二十三プラス一に九十を足した数が全部ばらばらの場所だとしてどうかというふうなことでございますので、恐らく今先生御指摘の何割というものはほかの砒素とかベンゼンとかいろいろなものが出たところの箇所数なのかなと。ちょっと手元に数字がないものですから、あれですけれども。
○川内委員 私も、今確認をしていただきたいんですけれども、委員長、これはとても大事なことなんですよ。
私、東京都の専門家会議に出ておりましたからね、傍聴で。別に私が議論に参加したわけじゃなくて、傍聴で一生懸命聞いておりましたけれども。シアン化合物については二三%の地点から汚染が、環境基準を超える、検出限界を超えるものが発見をされているということがきちっと報告されておりましたので、それを私は根拠にして申し上げているわけですが、それは違うと言うのであれば、専門家会議の資料をしっかり提示していただいた上で、川内さん、あなたの認識はちょっと誤解がありますよということをおっしゃっていただかないといけないと思うんです。
○白石政府参考人 今私の手元にありますのが、五月十九日付の専門家会議第六回の資料の中の個票でございますので、その中に出ているシアン化合物の土壌溶出量と土壌含有量の数字は今申し上げたとおりなんですが、果たしてこれがすべてかということは、私も自信がございませんので、そこはよく調査した上でまた御回答したいと思います。
○川内委員 きょうは、私は、豊洲の東京ガス工場跡地は環境省が今まで把握している中で最高濃度に汚染されている土壌汚染地域であるということを政府としてしっかり認識していますかということを確認したいわけですね。それはシアンであろうがベンゼンであろうが、土壌汚染対策法上、二十五の土壌汚染物質の中の一つとして定められている物質であって、それが何であろうが、今までのどんな物質よりも濃度が高い、それがたくさんの地点で発見されているということは、最大級の土壌汚染地域であるということを、環境省として、そうだね、そういう地域だねということを、まず事実をしっかり認識した上で、その対策をどうとるかということを考えるのが行政のお役目であろうというふうに考えるので、どう考えていらっしゃいますかということを再三にわたってお尋ねしているわけでございます。
細かい数字がないということでございますけれども、とにかく濃度については、ベンゼンについては最高濃度が検出をされている。あとはどのくらい汚染が広がっているかということが問題になるわけでございますが、広がりについてはちょっと今わからないということなんですが、私がしゃべっている間にいろいろ打ち合わせをしていただいていますが、わかりましたですか。
○白石政府参考人 今私が御説明した数字は、先生のお尋ねの、仮にここが土壌汚染対策法の指定基準が適用されるならばということでございますので、それは、その基準たる溶出量と含有量の基準を超えた箇所でございます。
これ以外に、地下水の基準がございまして、それを超えた箇所、それはちょっと手元に今ないのですけれども、恐らく先生の御指摘のような数字だろうと思います。
ただ、あくまでも仮に指定をするならばという場所は今申し上げた箇所ということになります。
○川内委員 今環境省の白石さんから御答弁いただいたわけですが、大臣、豊洲は非常に特殊で、特殊でというか、ある専門家に言わせれば、地下水を通じて相当な汚染が広がっていると。したがって、シアンは、土壌という意味においては先ほど白石さんが御答弁になられた箇所数かもしれませんが、地下水の汚染を調べると私が申し上げた箇所数になる。約千カ所でシアンが、青酸カリの原因物質ですけれども、発見をされるというような状況ですね。
そういう豊洲の東京ガス工場跡地は、東京都も今現在さらに詳細な調査をしていただいているようでございますけれども、現段階において、政府としてあるいは環境大臣として、豊洲東京ガス工場跡地は環境省が今まで把握している中でも最高位にランクされる土壌汚染地域だねという……(発言する者あり)だから今言葉をちょっと弱くしたじゃないですか、最高位にランクされると。ランクされる土壌汚染地域だねというぐらいは認識として持っているよ、川内さん、そんなに心配しなくていいよ、あるいは都民の皆さんにちゃんと環境省としても認識しているよというぐらいはおっしゃっていただかないといけないというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○鴨下国務大臣 今それぞれ事務方から御説明をいたしましたけれども、少なくとも、サンプリングの一部にベンゼンで最高濃度は基準の四万三千倍であった、これはこの法律に基づく指定区域と比較して非常に高いという認識は、そのとおりでございます。
ただ、先ほどからお話がありましたが、四十ヘクタールにどの程度及んでいるのかということについては、我々は否定はいたしませんけれども、先生の御意見を肯定するだけの十分な資料が今の段階でございませんので、今ここで、そうですねということは申し上げられないという趣旨でございます。(発言する者あり)
○川内委員 いや、よくわからないんですけれども。
大臣、専門家会議に出ると、非常におもしろいことをさまざまに教えていただけるんです。例えば、私は日本で史上最大の土壌汚染地域だというふうに位置づけておりますけれども、築地の卸売市場をこの東京ガス工場跡地に移転しようとしている。東京都の専門家会議では、シアン化合物で確かに汚染されている、この汚染された地下水が上昇して、揮発をして、市場内にシアンが浮遊してマグロなどに付着するかもしれないと。付着するかもしれないとちゃんと言っているんですよ。ところが、微量だから大丈夫だと言うんですね、微量だから大丈夫だと。だけれども、シアン化合物がマグロに付着して、青酸カリですよ、微量だから食っても平気だというその感覚。私は、専門家というか学者というのはおもしろいことを言うものだなと聞いていて思うんですね。
我々一般人の感覚とすれば、それは幾ら安全だ安全だと言われても、お客さん、このマグロは青酸カリがついてまっせ、でも、微量だから大丈夫です、食べてみますかと言われても、そんなもの絶対食べませんよ。(発言する者あり)西野さんは食べると今ぼそっとつぶやいたけれども、絶対食べないと思うよ、本当に出されれば。僕なんかは、ひもじかったら、もしかしたら食べるかもしれないけれども。
こういうおかしな議論を、無理やり化学という言葉で封じ込めちゃいかぬと思うんですね。化学は化学として、それはあるのは私も認めますよ、ちゃんと認めます。しかし、他方で、シアン化合物がマグロに付着して、それを食っても安全だから大丈夫なんですとかいうようなことが堂々とまかり通るような議論というのは、私は、日本のおかしな風潮をある意味象徴しているんじゃないかな、おかしなことだなというふうに思っておりまして、環境大臣は東京都選出でいらっしゃるので、ぜひ石原東京都知事に、おかしな議論が行われていると国会で指摘をされているんだがということで一度御相談をいただいた方がいいかなというふうに思います。
時間もないですから、最後に、環境大臣には、私どもは、だからこそ法律の改正案を提案して、しっかり土壌汚染対策をとりましょうね、日本がCO2対策についてはイニシアチブをとるのだと力んでいる状況なわけですから、水と空気と土という意味において土もしっかりしましょうね、来臨時国会にぜひ我が改正案に御賛成をいただいて成立をさせていただきたいということをお願い申し上げておきたいというふうに思いますし、環境省の中でも見直しの議論が進んでいるということでございますので、大臣に、環境省として土壌汚染対策法の見直し、改正へ向けて、中央環境審議会の作業が進んでいる、その見直しの方向性、審議会の審議状況、あるいは取りまとめの時期、さらには、来年の通常国会には改正案が出るのか出ないのかということまで含めて、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○鴨下国務大臣 もう既に先生はすべて御存じだろうと思いますが、五月の二日付で今後の土壌汚染対策のあり方について中環審に諮問したところでございます。加えまして、今後、審議結果を踏まえて、法律の改正を見据えて取り組んでいきたいというふうに考えております。
ただ、今後のスケジュールについては、審議会で今御審議いただいているところでございますので、我々が予断を持っていつというようなことを今の段階では申し上げられませんけれども、先生おっしゃるように、土壌汚染は我々の生活の中で極めて重要な項目でございますので、しっかりと取り組んでまいるということでございます。
○川内委員 最後に、対象範囲は見直すということでよろしいんでしょうか。見直す方向で議論していただいているという認識でよろしいでしょうか。
○鴨下国務大臣 そういうことを含めてあらゆる方向から安心な土壌であるべきということについて総合的に審議をしていただいている、こういうようなことでございます。
○川内委員 終わります。ありがとうございました。