東京都との協議に備え、第6回の質疑を見直します。
専門家の方々のお考えも見えてきます。
赤文字は、重要と思われる部分。⇒は、小坂の考え。
質疑応答(要旨)
(質問者A)前回の専門家会議で、例えば処理基準や地下水の10倍基準を超えた場合は、高濃度地点のみ地下を1メートルおきに調査することになっていたと思うが、今回の結果にはきちんと実行されていない。行なっているとすれば、その結果はいつ出るのですか。
(平田座長)この前、お約束をしたのは、土壌と地下水を調べますということ。それはスクリーニングなのですね。その後、絞込調査に入っていくということで、専門家会議そのものは今回の詳細調査の中身で判定をさせていただくということです。
(質問者A)後で調査結果は出るのですか。
(平田座長)この会議で若干触れる場面があるかもしれませんけれども、提言書等については今回までの調査で書かせていただくということになると思います。
⇒スクリーニング調査だけで、提言を出して本当にいいの???
(質問者A)その結果を見ないと、やはり対案は出てこないと思います。第2段階は対策のための調査ではないのですか。
(平田座長)それは、また次の段階という話です。
(質問者A)5月31日の会議で対策を検討するまでに、下部の土壌の結果が出るのですか。
(平田座長)対策の検討会といいますのは、技術でということではなくて、この方向でどうでしょうかという話になると思います。
(質問A)調査を行なわないで、対策案が出てくるのですか。
(平田座長)基本的な方針として土壌に関しては、自然由来のものがありますが、環境基準は目指します。
(質問者A)タール状のものがほかにもある可能性がありますが。
(平田座長)表層土壌は全部行ないます。
(質問者A)地下も行なってください。
(平田座長)地下は地下水を見ているわけです。
(質問者A)基準を超えたところでも今回は地下をやっていませんが。
(平田座長)今言っているのは、スクリーニングの段階で終わらそうということです。
(質問者A)今後、追加調査計画が出るわけですか。
(平田座長)東京都のほうで絞込調査を行うということになると思います。
(質問者A)東京都に伺います。調査は行いますか。
(望月副参事)詳細調査の結果を受けまして、土壌については、処理基準を超えた場合には深度方向に1mずつボーリング調査を行なっていきます。それとあわせまして、地下水で10倍以上超えたところにつきましても、深度方向にボーリング調査を行なっていきます。それについては、現在実施をしておりまして、分析も今進めている状況です。今の予定でいきますと、6月末には分析結果が出るというふうに考えております。
(質問者A)試掘箇所は、表層土壌で超えていない。しかし、地下に塊があった場合はどうするのですか。
(平田座長)それにつきましては、土壌である限りは、私は必ずすべて見つかるというわけではないと思うのです。それは地下水で見ていきましょうというお話を以前から申し上げているのです。
⇒廃タールの地下での見逃しが起こる可能性があるのではないでしょうか?
(質問者B)3月に調査を見学したが、調査の中身に納得のいかないところがある。例えば、午前中ボーリングの井戸を掘って、水を入れてその中の洗浄を行うわけです。先生方がお入りになったときには、ちょうど洗浄をやっているという説明がありました。それから約1時間たって現場へ行ったときには、水をくんで採水をやっているわけです。水の試料は採っていると言っても、それは洗浄水が混ざっている水である可能性が非常に高い。そういうところの準備がさっぱりなされていない。
有楽町層の頭でもって止めるという指示を専門家会議でなさって、現場ではそのとおり行なっているという話だったのですが、資料を見ますと、有楽町層とその上の人為的な盛土の境というのは非常に見分けにくいということが書いてあるわけです。
全体として今までの既存のデータで有楽町層の等高線図は出しているから、そこまでいったら止めるのだということだったのですが、10mメッシュで現実に有楽町層の上面判定をやっていることにならないのです。
そもそも有楽町層の中へ放り込まないというのは、汚染を拡大しないという意味でそこで止めたということをおっしゃっていますが、汚染の拡大がどの程度までいっているかということをきちんと見ないという点では、非常に不備の多い調査だと言わざるを得ない。やはりそこまできちんとやらないと評価はできないと思います。
しかし、会議では、それではそのようなところにどういう対策をしたらという方向の議論がもう始まってしまっているようですが。
(平田座長)洗浄水が混ざっているのではないかというのですが、水を入れているわけでは私はないと思うのですね。洗浄という言葉が非常に誤解を招くのですが、下からくみ上げているだけで、上から清浄な水を入れた調査はやっていないと私は思うのです。
(望月副参事)洗浄ということではなくて、今、平田座長がおっしゃったような形で私どもは実施しております。
(平田座長)そういう意味で井戸の中の水を入れ替えるということですね。ですから、中の水をくみ上げて3回ぐらい最低はやるということで、その周辺にある地下水をより正確に測ろうというのがその意味でございます。だから、洗浄といいましても、何か水道水を入れて洗っているというイメージではありませんので、それは誤解のないようにしていただきたいと思ってございます。
(質問者B)水位と導伝率の評価は、洗浄する前と後にまたチェックをなさるのが筋であるが、行っていないという話でした。
(望月副参事)地下水の調査に当たりましては、地下水を3回ほどくみ上げしまして、それで1日置いて、水がたまってきた状態で上がってきた水位を測って、それで地下水を採水して、結果として調査をしているということでございます。
(平田座長)有楽町層につきましては、改めてボーリングをして確認したのですね。本日の資料の2-2ページのところに調査地点の位置図がございます。そこで先行ボーリングを行いまして有楽町層を確認して、実際のボーリングに入っていったということでございます。全部サンプリング地点を落として分析をしていたというわけではございません。
(質問者B)有楽町層の上限の判定は、何を基準になさっていますか。
(平田座長)基本的には、これまであった有楽町層の分布図と、それから実際に行ったボーリングの試料から判定をしたと私は伺ってございます。
(駒井委員)ご指摘のように判定は非常に難しいです。ですから、そこは既存の試料とボーリングコアの分析でやったということだと思います。
ご指摘のもう1つの点で、深さ方向にきちんとやるべきだと、私もそのとおりだと思います。詳細調査は我々の担当の範囲ですが、その後の絞込調査で深さ方向も当然やるべきですね。ただし、これは3回目に申し上げましたように、やはり地層破壊は絶対避けたいです。ですから、やはり不透水層、難透水層以下のところの調査は極めて慎重に決めるべきであると、そこは認識をいただきたいと思います。ですから、有楽町層のデータも今日お出ししたデータということでご理解いただければと思います。
⇒駒井委員は、有楽町層を“難透水層”として誤解されています。水を通しやすいというのが、一般的な見解です。地質学者の見解をもって、難透水だということを証明いただきたい。
(字数の関係で、続きは、下のブログ)