「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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第6回専門家会議 質疑1

2008-06-26 23:00:03 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

東京都との協議に備え、第6回の質疑を見直します。
専門家の方々のお考えも見えてきます。
赤文字は、重要と思われる部分。⇒は、小坂の考え。

質疑応答(要旨)
(質問者A)前回の専門家会議で、例えば処理基準や地下水の10倍基準を超えた場合は、高濃度地点のみ地下を1メートルおきに調査することになっていたと思うが、今回の結果にはきちんと実行されていない。行なっているとすれば、その結果はいつ出るのですか。
(平田座長)この前、お約束をしたのは、土壌と地下水を調べますということ。それはスクリーニングなのですね。その後、絞込調査に入っていくということで、専門家会議そのものは今回の詳細調査の中身で判定をさせていただくということです。
(質問者A)後で調査結果は出るのですか。
(平田座長)この会議で若干触れる場面があるかもしれませんけれども、提言書等については今回までの調査で書かせていただくということになると思います
⇒スクリーニング調査だけで、提言を出して本当にいいの???


(質問者A)その結果を見ないと、やはり対案は出てこないと思います。第2段階は対策のための調査ではないのですか。
(平田座長)それは、また次の段階という話です。
(質問者A)5月31日の会議で対策を検討するまでに、下部の土壌の結果が出るのですか。
(平田座長)対策の検討会といいますのは、技術でということではなくて、この方向でどうでしょうかという話になると思います。
(質問A)調査を行なわないで、対策案が出てくるのですか。
(平田座長)基本的な方針として土壌に関しては、自然由来のものがありますが、環境基準は目指します。
(質問者A)タール状のものがほかにもある可能性がありますが。
(平田座長)表層土壌は全部行ないます。
(質問者A)地下も行なってください。
(平田座長)地下は地下水を見ているわけです。
(質問者A)基準を超えたところでも今回は地下をやっていませんが。
(平田座長)今言っているのは、スクリーニングの段階で終わらそうということです。
(質問者A)今後、追加調査計画が出るわけですか。
(平田座長)東京都のほうで絞込調査を行うということになると思います
(質問者A)東京都に伺います。調査は行いますか。
(望月副参事)詳細調査の結果を受けまして、土壌については、処理基準を超えた場合には深度方向に1mずつボーリング調査を行なっていきます。それとあわせまして、地下水で10倍以上超えたところにつきましても、深度方向にボーリング調査を行なっていきます。それについては、現在実施をしておりまして、分析も今進めている状況です。今の予定でいきますと、6月末には分析結果が出るというふうに考えております。
(質問者A)試掘箇所は、表層土壌で超えていない。しかし、地下に塊があった場合はどうするのですか。
(平田座長)それにつきましては、土壌である限りは、私は必ずすべて見つかるというわけではないと思うのです。それは地下水で見ていきましょうというお話を以前から申し上げているのです。
⇒廃タールの地下での見逃しが起こる可能性があるのではないでしょうか?


(質問者B)3月に調査を見学したが、調査の中身に納得のいかないところがある。例えば、午前中ボーリングの井戸を掘って、水を入れてその中の洗浄を行うわけです。先生方がお入りになったときには、ちょうど洗浄をやっているという説明がありました。それから約1時間たって現場へ行ったときには、水をくんで採水をやっているわけです。水の試料は採っていると言っても、それは洗浄水が混ざっている水である可能性が非常に高い。そういうところの準備がさっぱりなされていない。
 有楽町層の頭でもって止めるという指示を専門家会議でなさって、現場ではそのとおり行なっているという話だったのですが、資料を見ますと、有楽町層とその上の人為的な盛土の境というのは非常に見分けにくいということが書いてあるわけです。
 全体として今までの既存のデータで有楽町層の等高線図は出しているから、そこまでいったら止めるのだということだったのですが、10mメッシュで現実に有楽町層の上面判定をやっていることにならないのです。
 そもそも有楽町層の中へ放り込まないというのは、汚染を拡大しないという意味でそこで止めたということをおっしゃっていますが、汚染の拡大がどの程度までいっているかということをきちんと見ないという点では、非常に不備の多い調査だと言わざるを得ない。やはりそこまできちんとやらないと評価はできないと思います
 しかし、会議では、それではそのようなところにどういう対策をしたらという方向の議論がもう始まってしまっているようですが。
(平田座長)洗浄水が混ざっているのではないかというのですが、水を入れているわけでは私はないと思うのですね。洗浄という言葉が非常に誤解を招くのですが、下からくみ上げているだけで、上から清浄な水を入れた調査はやっていないと私は思うのです。
(望月副参事)洗浄ということではなくて、今、平田座長がおっしゃったような形で私どもは実施しております。
(平田座長)そういう意味で井戸の中の水を入れ替えるということですね。ですから、中の水をくみ上げて3回ぐらい最低はやるということで、その周辺にある地下水をより正確に測ろうというのがその意味でございます。だから、洗浄といいましても、何か水道水を入れて洗っているというイメージではありませんので、それは誤解のないようにしていただきたいと思ってございます。
(質問者B)水位と導伝率の評価は、洗浄する前と後にまたチェックをなさるのが筋であるが、行っていないという話でした。
(望月副参事)地下水の調査に当たりましては、地下水を3回ほどくみ上げしまして、それで1日置いて、水がたまってきた状態で上がってきた水位を測って、それで地下水を採水して、結果として調査をしているということでございます。
(平田座長)有楽町層につきましては、改めてボーリングをして確認したのですね。本日の資料の2-2ページのところに調査地点の位置図がございます。そこで先行ボーリングを行いまして有楽町層を確認して、実際のボーリングに入っていったということでございます。全部サンプリング地点を落として分析をしていたというわけではございません。
(質問者B)有楽町層の上限の判定は、何を基準になさっていますか。
(平田座長)基本的には、これまであった有楽町層の分布図と、それから実際に行ったボーリングの試料から判定をしたと私は伺ってございます。
(駒井委員)ご指摘のように判定は非常に難しいです。ですから、そこは既存の試料とボーリングコアの分析でやったということだと思います。
 ご指摘のもう1つの点で、深さ方向にきちんとやるべきだと、私もそのとおりだと思います。詳細調査は我々の担当の範囲ですが、その後の絞込調査で深さ方向も当然やるべきですね。ただし、これは3回目に申し上げましたように、やはり地層破壊は絶対避けたいです。ですから、やはり不透水層、難透水層以下のところの調査は極めて慎重に決めるべきであると、そこは認識をいただきたいと思います。ですから、有楽町層のデータも今日お出ししたデータということでご理解いただければと思います。
⇒駒井委員は、有楽町層を“難透水層”として誤解されています。水を通しやすいというのが、一般的な見解です。地質学者の見解をもって、難透水だということを証明いただきたい。

(字数の関係で、続きは、下のブログ)

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第6回専門家会議 質疑2

2008-06-26 23:00:02 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

(上のブログから続き)


(質問者C)今回、対策案が出てきていますけれども、このほかの代替の対策案というのは検討の結果が見られないのですよね。この1つの案しか今まで結局出てきていない。今回、いわゆる10-5までリスクを落とすという目標を立てられていますけれども、リスクゼロではないわけなのです。本来だったらリスクの10-6まで目指さなければいけない。可能かどうかは置いておきまして、ゼロリスクを目指す場合、例えば10-6まで目指す場合にはどんな処理手法があって、その際どのぐらいお金がかかるのか。そして、今回やっている処理手法だとリスクはどのぐらいまで減って、幾らぐらいかかるのか。
 そして、こうした1つだけの処理手法を提示するということは非常に危険だと思うのです。ある特定のリスクは市場関係者の、さらには市場全体ではなく市場の汚染が激しいところにリスクは集中するわけなのです。そういったところの人たちに対して、こうした1つだけの処理手法を提示しているということは、こういうリスクを受容してくれと言っているようなものだと思うのです。
 したがって、そういったやり方が本当によいのかということも含めまして、複数の処理手法というのはやはり考えられるわけであり、比較した上での結果、何故この処理手法が出てきたのかということをきちんと見える形で次回までにできれば資料の中に提示していただきたいと思います。
⇒この方は、リスクコミュニケーションの本来あるべき姿を言っていると思います。


(平田座長)リスクを平均値で議論しているのではないか、決してそうではないのです。100mg/ℓという最大濃度でやっているということになります。個々の値を入れて計算しますと、0.4mg/ℓぐらいでリスクは10-5になるということを説明申し上げたのです。平均値にすれば1.1になるという議論であって、必ずしも平均値ですべて行っているわけではありません。一番危険な濃度で一番低いところの値を使っているということで、最大危険な最も安全側の計算をしているということなのです。環境基準というのはまさに1.1といいますか、0.3のさらに30分の1ぐらいですので、非常に安全側のことを行っているということになると思います。
 代替案があってもいいだろうというのは、まさにそうだとは思いますけれども、例えばゼロリスクを目指すということになれば、全部ここを取ってしまいましょうという話になりますよね。
 ただ、専門家会議で合意した内容といいますのは、極力お金の話はしたくない。要はリスクというのは経費そのものだと思うのです。経費をかければかけるほどリスクは下がっていく。通常、我が国では10-5という値を使って、水道水なり、大気の濃度なりが決められている。ですから、それをベースにして管理を考えていくというのが一番の基本だとは思うのです。では、全部取ったら幾らになりますかなどというようなことを言っても、すごいお金になる。できればここはお金の話はあまり議論をしたくないということです。
(質問者C)お金の話をしないのであれば、まさにゼロリスクまで目指したときの処理手法ということをやるべきなのではないでしょうか。
⇒専門家会議では、質問者の言うように、お金の話し抜きで、様々な案を出して検討すべきだと私も思います。専門家会議は、対策を安く上げることに少々固執している感をうけます。

(平田座長)でも、ゼロリスクを目指すのであれば、すべてきれいにしてしまうという話ですよね。やはり管理をしてリスクが10-5以下になるのであれば、それでもいいのではないかというのがここの意見だと思うのです。
 ただ、こういう議論をやっていきますと、皆様方は移転ありきの話かというような話になってしまいますので、そこはできるだけしたくない。
 ですから、私が最初に申し上げたように、幾らかかるなんていうような議論をされますと、まさにこの会議そのものの存在を否定することになりますよね。まず移転ありきだという話になりますので、そういう意味では、10-5を最終のターゲットに置いて、順次どういうふうな対策をしていけばいいかということを今考えているのですね。
⇒移転ありきではないという姿勢。

(内山委員)先ほどおっしゃった10-5は環境基準ですよね。先ほど私が言いました10-6というのは、言ってみれば世界的にネグリジブルリスク、いわゆる無視し得るリスク以下だったらよいだろうということで、先ほどの試算結果は0.45から3.1ですか、あそこで10-5になるのですね。最初から観念的に環境基準の10倍程度、あるいは排水基準を満たすと0.01ですから、0.1になります。そうすると大体10-6になっています。
 ですから、計算してみれば、今、我々が考えていたものは恐らく10-6ぐらいのレベルになっていると思うのです。それが10-5でいいとなれば、もう少し緩いところまで下げればいいということになれば、お金は確かにかからなくていいかもしれないのですが、それは考えずに、少なくとも地下水管理をするからには、そのまま排水しても大丈夫な程度の10倍程度以下にまず全部取ってしまいましょう。それぐらい残ったものを何とか管理していきましょうといったらば、その予測計算をしてみると大体10-5から10-6ぐらいの間にあるということで、逆に、今つくっている土壌汚染の地下水基準ですとか土壌基準が、そういうふうには考えていないのですけれども、割と合って
いるのではないかなと、私は、そういう予測計算をしてみたら、逆に非常にそこら辺にうまく当たっているかなという気がするのです。
 逆に言うと、土壌溶出量、含有量も直接摂取で土から大体10%とるなど、水道水なり飲料水は大体全体の10%程度に割り振って大まかにやっている値なのです。日本ではまだ認められていない方法ですけれども、欧米でやられているリスク計算で行なってみると、割と今の基準は大体10-5から10-6ぐらいのところにむしろ基準をつくっていて、うまく当たっているなという感じなのですね。
 ですから、10-5から10-6にさらに落とそうと思えばものすごい莫大な金がかかって、リスクはそれほど変わらないというところに今来ていると思うので、それを環境基準ぐらいでいいのだということになれば、確かにそれは大分お金がかかるのは、計算してみれば多分相当少なくて済むのだろうと思うのです。けれども、ここに何をつくるかによってまた違ってくると思いますので、そこは触れないで、都の基準を少なくとも満たすようなところに対策を持っていこうということでやっていますと、リスク計算をしてみたら大体10-5から10-6におさまっているという結果だったと捉えていただければと思います。
⇒環境基準の10倍以上で地下水の部分は、詳細な調査を行う点で、都の基準を逸脱しています。(地下水で検出されてはならないシアンの箇所を詳細に調査を行わない点で)

(質問者D)人体への影響はあまりないと伺っておりますが、前回の再調査のときには、ベンゼンが地下水から1,000倍という高濃度のものが出て、先生方はびっくりしたのではなかったのですか。
 それを受けて詳細調査ということに移行したわけですが、これはあくまでも10mメッシュという範囲の中で、ただし深さは地表から50㎝。しかし、実際には2mまではあの改良をしているのですよね。そういう中で調査結果が出て、ベンゼンが43,000倍、あるいは地下水からベンゼンが10,000倍という数字を記録したということだろうと思うのです。その割には皆さん、先生をはじめ驚きませんね。
 環境基準というものは、70年というスパンの中で、10万人の人たちの中の1人がガンなり何なりの病気にかかると認識しております。しかし、今回の43,000倍ということは、10万人について43,000人が発病する危険性があるのですか。
(平田座長)土壌を入れ替えているから濃度が低いという話については、土壌を入れ替えた面積というのは、8haぐらいなのです。今回は表面が終わっていますので、そういう意味で地下水で見たほうがはるかによいということで、濃度は全部地下水については把握されているということだと思います。
 東京ガスの資料を見ますと、土地の改良を3mまで行なったということを言っておりますので、3mまで対策を行ってきたということなのですね。D12で10mg/ℓ、1,000倍のものが出たというのは、3mよりも深いところで出ておりますので、深いところの汚染については地下水で見ていきましょうということだと思います。43,000倍が出たというところにつきましては、これは道路の部分に相当する、若干ひっかかっているところなのですね。以前に調査の対象になっていなかったというところは事実でございます。
 確かにご心配なことはそのとおりだろうとは思うのですが、そのためにどのような対策をすればよいのかということを今考えているわけです。ここは土壌を直接摂取することはない、手について食べるというようなことはない、地下水は飲まないということで、一番影響がありますのは、以前から指摘をされていましたように、地下から上がってくるガスの濃度が高いのではないかということが心配されているということでした。
 ですから、430倍の濃度が出たときに、まず大気を測っていただきました。その濃度だからといってよいというわけではないのですが、一般的に東京で我々が呼吸をしているベンゼンの濃度とあまり変わりがない。むしろ海ですので若干希釈されていることがあるかもしれませんけれども、通常私たちが生活している場の濃度とあまり変わらなかったという結果が出てございます。
 いわゆるベンゼンといいましても、タールのような、油の中に閉じ込められているということで、なかなか出てこないのだろうと思うのです。そういう意味で、大気には今は出ていないので、実際に人が入るわけではございませんので、それは大丈夫である、将来、どこまで濃度を下げるのだといった話のときに、先ほどのリスクの話が出てくるのです。
 こういうリスクのモデルで計算をいたしますと、結構低目の値になることが多いのです。そういう意味で、今回も100mg/ℓという今までの最高濃度で全面に汚れているということで計算をしますと、確かに10-3で、1,000人に1人ぐらいとなります。今は出ていないのですけれども、出れば1,000人に1人ぐらい発ガンしてくる可能性があるということでございます。
 では、そのモデルから逆に逆算いたしまして、幾つぐらいであれば10-5ぐらいになるのかなと計算いたしますと、1.1mg/ℓぐらいになっているということです。環境基準が0.01ですので、これの100倍になっているのです。内山先生がおっしゃいましたのは、排水基準というのはさらにその10倍で0.1になっている、0.1のところはそのぐらいの値になっているということで、10-6から10-7ぐらいに落ちているのかもしれませんけれども、日本の場合はあくまでも環境基準でいってしまって、生涯曝露というのはなかなか現実の値に対しては説明できていないのです。
 そのときにある値で測った値で環境基準の43,000倍ということになるのですが、ではそれを一生涯とり続けるのかということになりますと、今は地面の中にあって、とり続けるわけではない。
 将来はそこは処理をする。地下水は100にしたところで、10-3になるのだけれども、それを1.1までに落とせば10-5になりますと。でも、実際我々は、地下水も環境基準の0.01までに行なったらどうだというのが提案なのです。それは10-6から10-7ぐらいに相当しているというところでございます。
 我々が考えていますのは、今の豊洲の土壌の汚染の結果を把握し評価をして、ではどうすればリスクを下げることができるのかというところまでで止めたい。その後、事業者が皆様方と実際にリスクコミュニケーションを行う。ここで決まるわけではないのです。
⇒最初は調査対象から外されていた道路部分に、汚染の最高濃度がみつかりました。
 同様に、有楽町層にも、汚染が潜んでいるかもしれません。調査対象からはずさないでいただきたい。

(質問者D)先生方は恐らく豊洲地区は汚染されている区域だと、そういう認識でしょうか。だとすれば、どうして指定区域にしないのですか。
(平田座長)東京都の環境サイドにある話なのですけれども、ここにつきましては、今現在の土壌汚染対策法にはかからないということに分類されていると思うのです。将来はわかりません
(質問者D)それは附則3条があるからですか
(平田座長)これは土壌汚染対策法ができる平成15年より以前です。
そういう意味で、ここは土壌汚染対策法の指定区域についての議論は今はできないのです。土壌汚染対策法のできる以前にここは開発が始まった。おっしゃるとおり、土壌汚染対策法の対象外になっているからです。
(質問者A)それは見直しのほうですか。
(平田座長)見直しがあればわかりません。見直しの話が、今国会で進んでおりますので、またその辺が足りなければ、その調査を行なえばよいということは第1回会議で申し上げました。
(内山委員)驚かなかったということに非常に私は心外で、今回の43,000倍に対して、前回の1,000倍のときは非常にびっくりされたのに今回は驚かなかったというのは心外ですので、申し上げておきますが、前回のときには予想外、いわゆるある程度以前に行なわれていたものに対して、こちらが不足だと思って調査したところに対して1,000倍が出てきたのです。
 今回は10mメッシュで調査していますので、それで43,000倍が出たというときには、その土壌に非常に油臭があるとかタール状のものが出てきたということで、それであればこの数値は納得できるのです。
 ですから、予想外のところと、何かわからないところと、それから、汚染の原因がある程度わかって、それならばこの数値が出ても当然である。ですから、その大きさについて決して軽視したわけではなくて、先ほどの対策のところというか、基本方針で私も発言しましたように、こういう状況であるならば、すべて基準以下になるように対策をしたほうがよいのではないかというのは、こういうところがまだ残っているかもしれないということを非常に重要視したことで、決して今さらのように驚かなかったということではございません。それを重要視していることは申し上げておきたいと思います。
 ただし、今回は、なぜそういう値が出てきたかということは、サンプル土壌を見
させていただくと納得できるというところで、これはなぜだというような驚きではなかったのです
ね。
 ただし、その重要性に関しては委員の皆さんも十分認識していると思います。

(続きは下に)

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専門家会議 質疑3

2008-06-26 23:00:01 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

(上のブログから続き)

(質問者E)
 RBCAの手法でこの式が成り立つためには、A.P.+2で地下水がそのままとどまるということが一番大事だと思うのですけれども、本当にA.P.+2で地下水の高さはとどまるのでしょうか。
 4,200カ所を調べて今回の分析が出ました。対策をとられるわけなのですけれども、対策をとられた後にもう一度この4,200カ所を調べていただいて、それでベンゼンとシアンがないというのを証明していただけるのでしょうか。
(平田座長)A.P.2mで地下水を管理するというのは、多分これはA.P.2mで工事を始めますので、将来もこれで管理していくという目標値ですよね。これで管理しないといけないということになると思います。必ずこの付近で管理をしてください。そうしないと前提が全部崩れてしまうということになりますね。
(質問者A)それが技術的にできるのかはまた別の問題でしょう。
(平田座長)技術的にできるかどうかといいますのは、例えば建物の部分がある。それ以外の外のところもほとんど被覆されてしまうのです。ですから、地下水の管理といいますのは、要は雨が1,700㎜降って全部たまっているという状況になるわけではないのです。工事のときに下げますので、それをずっと維持していくということだと思いますので、何もない野原でA.P.2mにするという技術ではないと思うのです。それは管理目標として達成していただく必要があると思います。これがないと、もちろん数値計算をまた変えればよく、A.P.2mをA.P.3mに変えて計算すればよいということになるのですけれども、それではなかなか納得していただけないだろうということだと思います。2mというのは今の前提条件です。リスクに関しては、計算上は3mにすれば3mの答えは出てくると思います。
 将来こうなっているのだということをすべての地点で再度チェックをするということは、極めて困難だと思います。そういう意味で管理する区域はきちんと決めてモニタリングをしていくということではないのでしょうか。もう一度改めてボーリングをしてすべてということではない。
 土壌についてはわかるのですね。土壌を全部取っていってしまう、あるいは現場で分解をしていきますので、必ず土壌は断面を出して、その断面で浄化されているかどうかをチェックしているのですね。
 下もチェックをするということになりますので、土壌は大丈夫だということになります。地下水は全面で改めてボーリングをするのかといいますと、これは多分極めて困難だと思います。
 重要な場所にモニタリングの井戸を決めて管理していくという手法になるのではないでしょうか。
(山形課長)工事をやる際には、地下水をまず下げることから始めます。地下水を下げませんと、なかなか土砂が掘削できないという現象になりますので、そのままA.P.2mで地下水を管理する手法というのは技術的に可能です。将来的にもそういったところの工事中の井戸を残すことによって、A.P.2mで地下水を管理する。その水をモニタリングするということが技術的に可能だと考えております。
(質問者E)RBCAの今回の計算でも、これはベンゼンでリスクを上回っているわけで、ベンゼンを甘く見てはいけないと思っております。
 シアンに関しましては、環境基準は検出されないこととなっているのに、検出80倍となっています。80倍、倍と言えないですよね。検出したらいけないものであるわけで、それなのに地下水において今検出されているわけです。リスク評価は、ベンゼンだけは計算をRBCAの方式を使って危険ですという結果になっていますけれども、シアンは本当に大丈夫かどうかは全然計算されていないわけですよね。検出したら危ないわけです。
 このあたりのリスクに対して全然対応されていなくて、もし対策をとったのであれば、その後、地下水をもう一回4,200カ所調べて、シアンはどうなったかというのをきちんと提示していただきたいと思います。

(内山委員)シアンに関しては、今おっしゃったのは、飲用水として自ら飲んだ可能性としての基準ですので、ここでは土壌及び地下水は直接摂取しないということで、まず前提はそれがあります。
 先ほど私が申し上げたのは、シアンは確かにガス状に一部なって出ていく可能性もあるので、先ほどのベンゼンのリスクをお示しいただいたときに、そのほかの物質でもできる可能性のあるものはもう少しやってご報告いただきたいと言ったのは、そのシアンが1つ入っておりますので、それは次回ぐらいまでにまた一つ、リスク評価ができるものであれば行なっていただきたいと思います。
(平田座長)シアン化水素が、酸化状態になって気化して、上がってきてという話は、次回までには計算をさせていただきたいと思っています。ただし、地下水の濃度がシアンはとんでもなく高いというわけではございませんので、それは計算をさせていただくということです。
 検出されてはいけないのに、なぜ倍率が出るのだという話ですが、検出されてはいけないという検出限界を決めているのです。0.1mg/ℓ以下を検出限界以下だということになっているのです。普通我々一般には、1ℓ当たり0.1mgを環境基準とほぼ同等な扱いとして考えるのです。ですから、0.1mg/ℓで86mg/ℓのシアンが出てくれば、0.1で割るから860倍という値になるのです。
 ですから、決して検出されてはいけないからゼロだと言っているわけではなくて、検出限界というのは0.1mg/ℓに置くと、法律ではそうなってございます。

(質問者G)液状化対策として地盤改良工事を行うということですが、工事をするとなると、今まで行っていた土盛りなどをしてふさいでいたものが出てくる可能性があるのではないかという心配があるのですけれども、そちらのほうは液状化が起きても大丈夫だと判断をしていらっしゃるのか。
(平田座長)液状化が起こって大丈夫なのかというのは、1つは、今行っていますのは液状化が起こらないような対策をしましょうということが1つだと思うのです。2mから上を取り払ってしまってというか、置き換えて、工事のあるときには2mよりも下の工事をやるということになると思うのです。
(質問者G)もう地割れが幾つか出ているのです。そういったところなので必ず液状化が起きるのではないかと不安を持っているので、それは大丈夫なのかという部分をお聞きしているわけです。
(平田座長)今、これまでの調査を行った結果であれば、液状化は起こるのですね。起こらない部分もあるというような計算結果はあるみたいですけれども、部分的であって、豊洲の地域については埋立地であり、地盤が軟らかいから液状化は起こる可能性があるということです。だから対策をしましょうということで、その対策にはいろんな方法があるのですが、それはもう少し議論をしなければいけないのですが、その対策をするときに地下水も下げる。あるいは、多分砂杭のようなものを打ち込んでいくということにはなるのだとは思うのですけれども、そういったときに分解剤も同時に使って地下水の濃度を下げていくよう努めるということだと思うのです。だから、今のままで起こらないのかといいますと、起こるということ。計算結果もそうなっている。それを防ぐための工事は将来行うということだと思います。
(質問者G)液状化対策は土盛りをしているときは大丈夫であっても、液状化が起きたりすると閉じ込めたものが出てくるのではないか。そこら辺の心配はあるのですけれども、それは大丈夫ですか。
(平田座長)必ず液状化は全く起こらないという保証は、私はないと思います。それは出てくる可能性があるということです。ですから、できるだけ地下水の基準に合うようにまできれいにしていきましょうというのが今日の対策の目標になっていると思うのです。
 それと、一生涯、70年、あるいは75年その空気を吸い続ける。ここは空気だと思うのですが、そういったときのリスクはどうなるのでしょうかということを考えているのです。例えば地震というのはある瞬間の話ですので、その瞬時値に対してどうかということになれば、これはまた別の管理が必要になる。実際にとんでもない地震が起こってすごいことになっているときに、豊洲だけではなく、首都圏全体の問題だと思うのですよね。
 今ここで議論をするのは、やはり生涯曝露といった問題で、液状化のことを取り扱っているのは、液状化の対策を行うときに、それを活用して浄化していきましょうという意味で液状化を見ているのですね。液状化につきましては全く土木工事そのものですので、そういう話だと思うのです。
 我々は、せっかく地下でやるのだから、そういうものを使って浄化といいますか、濃度を下げていくことはできないのかということを考えているのです。そこのところで液状化は絶対起こらないのかと言われますと、その保証はないと私は思います。でも、そういったところのリスクというのはある瞬間的なリスクになるものですから、生涯曝露と瞬間的なリスクとを同じようなテーブルで議論するのは少し難しいのかなと思っております。
(質問者H)シアンの0.1mgというのは検出限界値ということで、860倍という場合の基準値に0.1mgというのを使うのはわかるのですけれども、今後の処理基準としてやはり検出されないことを目標に処理をするべきなのでは思うのです。したがって、特に地下水において、検出されないことを目標に処理するというのは一体どうやって行うのか。そんなことは可能なのだろうか。液状化についてですけれども、一番心配しているのは、東京湾北部地震、直下型の地震が起きたときに液状化現象が起こって、地下から有毒な有害物質が噴出してくるということになれば、それが周り一帯を汚染して、その汚染の除去の措置をとるために数カ月間市場が使用不能になり、震災
後の食料供給という危機管理政策上全く大きなリスクを抱えることになるが、こういうことは全く考えないのか。
 前回、液状化の調査は、別途必要であるとおっしゃったわけですが、そのお考えに今も変わりはないか質問いたします。
(平田座長)液状化に対する調査は必要なのかということは、もう既に行っているのですね。
 0.1mg/ℓ以下にするシアンの技術はあるのかといいますと、これはあると思います。可能なのですが、リスクと経費との関係が出てくるということだと思います。シアンというのは、昔から微生物分解がされるということはよく知られていたのですね。今現在は酸素などの状態の中での微生物分解というのは可能になってございますので、それはできる。できないかできるかと言われますと、できるというふうにお答えはできると思います。現実に現場で使っているという技術はございます。
 最高濃度でいきますと、10mg/ℓを超えるシアンも、これは全シアンも分解しているという実績はございます。あるかないかといえば、あると思います。だからといって、では0.1を目指すのかというところになりますと、時間との関係が出てくるということですね。だから、森澤先生がおっしゃったのは、将来にそれを目指そうと。目指すのだけれども、すぐにはいかない問題もあるというのが、駒井先生のご意見だったと思っております。
(宮良部長)液状化の検討のためには、どのような土がどの深さにあって、どのぐらい力学的に強さを持っているかということを把握する必要があります。それで、市場としましては、18年度にその調査をしています。それを前提にどんな地震に対応ができるか、これは全国的に基準がありますので、そういった計算をしていろいろな候補を検討しています。
(質問者H)建物のことですか。
(宮良部長)建物ではなくて、建物以外のところの地盤の話です。
具体的に言いますと、横揺れができまして、土が横揺れの強さに耐えられるかどうかというチェックをします。やはり必要があるので、砂杭みたいなものを強制的に打ち込んで前の地盤を締め固めるなど、いろいろ工法を考えています
(質問者H)それは地下何mまで調べるのですか。
(宮良部長)5、6、7街区ありますけれども、不透水層がいろいろな状況になっています。それを打ち抜かないように、工法もそれを前提に考えています。

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