各種報道が、1/15になされたように、技術会議の検討内容の一部、「土壌汚染処理費用が、586億円」ということのみが、一人歩きしています。
東京都知事の定例記者会見のインタビューで、都知事自ら、公言しています。
2009/1/16 | [ 録画映像 ] |
MSNニュースが、インタビューでの知事の発言を、掲載していましたので、転載します。
****インタビュー、MSN転載*****
赤字や下線は、小坂が重要と考えた部分。
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090117/lcl0901171358000-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090117/lcl0901171358000-n3.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090117/lcl0901171358000-n4.htm
--築地市場の移転問題について。汚染処理費の試算額(586億円)と、開場の遅れに(平成25年3月から26年12月にずれ込み)ついてどう思うか。
都知事「開場が遅れたのは仕方ないですね。精密に調査したらですね、ああいう膨大な量の汚染があることわかったわけですから、これは誰だって猪突(ちょとつ)猛進するわけにはいかんでしょう。これを除去してですね、新しい市場を作るということで、実は今まで日本になかった、新しい合議方式を取りましてね。専門家と、それを検討するさらに技術の専門家と、それをさらに検討する多角的な専門家のですね、会議を2つにわけて持ちましてね。結果、実はひそかに私は予測していたことですが、みなさんが侃々諤々(かんかんがくがく)やっていただくのは結構だが、あるゼネコン、複数の、あちこちの幹部からですね、『東京の市場をめぐっての是々非々を論じている議論はいささか滑稽ですな』と(言われた)」
都知事「(なぜなら)『現代の技術を知らない人たちがやってるんでね、私たちから考えると、もっと迅速にできますよ』ということで。その内訳については、うっかり話をすると企業秘密にもなるかもしらんし。同時に『どこの技術者も同じことを考えてないんでしょうかね』という、そういう議論も聞きました。それで、2つの会議を設けて、(有害物質の)ベンゼンならベンゼンの除去のために、バイオの要するに、細菌を使った方法など格段に進んでいますから。そういうものを束ねて、重層的に複合的に事を進めていけば、予想しているよりも短期間に、はるかに安い価格でできるというめどがつきましてね。昨日、最終報告ではありませんけど、最終報告に近い中間の報告を先生方から聞きました。人間は非常に保守的でね、旧弊な発想体系しかもってないから。本当の専門家に委嘱してやればですね、こういう結果(586億円)が出たんでね。これは今までなかったですね、公共事業に関するチェックの新しいシステムができたと思うんでね。東京だけでなしに、これを範としてね、地方の自治体がこういう問題に遭遇したときに、やっぱりこういう形の合議機関をつくってね、二重三重にチェックすれば、もっともっと合理的な結論が出ると確信いたしました」
都知事「噂が噂を呼んでね。あれだけのオーソリティー(権威)が、二重三重にチェックして結論を出したことは、私は日本の技術を信じていますから、報告の通りですね、短期間にはるかに安いコストで新しい市場が出来上がると思います。都民の方にぜひ安心していただきたい」
--586億円は、高濃度の汚染物質がみつかった以前の670億円という対策費よりも安い。以前の見積もりが甘かったということか。金額は安いほうがいいが、本当にこれで安心が保てるのかという声も出ると思うが
都知事「2番目の問題については、私も素人ですから。確かな疑義があるから、それは座長代行に詳しく聞きました。それからそれぞれの分野についても専門家に聞きました。それでバイオの専門家はですね、まだ方法は他にある、と。もっと安くなると思うけども、それが非常に効果的であるという検証を得るためには、もう少し時間がいる。しかし、それをやっているとおそらく時間がこのプロジェクトの展開に間に合わないでしょうから、今ある限りの技術の適用を考えたので、ということを言っておられた」
都知事「大事なことはね、過去の積算が甘かったとか甘くなかったとか、そういうことじゃなくてね、やっぱり技術というものに対する期待とか信頼とか、知的な意味で欠けていたんだね。だから古い発想で古い技術使って、そういうものでしか積算されなかったから、悪い数字が出てきたんですよ。これはやっぱりね、どういうのかな、担当の者たちの要するに教養の責任だと思います。発想の責任だと思いますね」
*****転載終わり*****
みなさん、都知事の回答をいかに受け止められますか?
都知事が、586億円の技術を公言されました。586億円の根拠も述べることなしに、586億円のみを述べるというのは、無責任ではないでしょうか。移転推進に有利な情報のみ公開するのでしょうか。
ここまで公開した以上、すみやかに今までなされた技術会議の審議内容(議事録)をすべて公開すべきです。
非公開で進めるというのであれば、それこそが、期待や信頼のできない技術を今回の土壌汚染処理技術に採用していることの裏返しではないでしょうか。
ベンゼン処理にバイオを使うことが述べられています。
都知事自身もみとめられているように、「非常に効果的であるという検証を得るためには、もう少し時間がいる」技術なわけであります。
食の安全・安心を守らねばならない、リスクがゼロでなけらばならない市場になるはずの土地で、バイオがベンゼン処理に有効であるかどうかの実験をすることを知事は、お認めになられるのでしょうか?
実験は、試験管の中だけでお願いしたいと思います。
なお、写真にもありますように、早速1月16日に、私は、東京都に、技術会議の録音テープの開示請求を行いました。
食の安全・安心を守れる技術提案が果たしてなされたかどうか、技術会議の内容を十分検討・検証させていただきます。
東京都及び原島文雄先生をはじめ技術会議のメンバーの皆様へ。
科学技術の検討は、万人監視の公開の場ですべきです。どうか、これ以上、非公開で進めることをやめてください。