「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

いつも「卵」のそばに

2010-12-15 10:22:07 | マニフェスト2011参考資料
 前のブログで掲載すると書きました平成21年3月の予算特別委員会の一部です。
 昨年度の予算のための審議内容であり、問題が古くなっている点は、ご注意ください。ただ、問題の本質は、今も変わっていません。


***平成21年3月予算審議引用***
○小坂委員
 友愛中央の態度表明を述べます。

 平成21年、日本は派遣村から始まりました。急激な経済の悪化の状況下、雇用の調整弁として位置づけられた派遣社員が解雇され、職を失うと同時に住居も失い、路頭に迷いました。雇用を守ることを訴えたNPOが彼らの年越しのための住居を日比谷公園内に確保し、その惨状を国に訴えたことにより、国や都を動かし、区を動かし、ここ中央区も受け入れ先を準備し、NPOとの協働による早急なる対応を成し遂げました。その御努力に感謝申し上げる次第です。

 今や、金融不安、経済成長の失速、貿易停滞、失業増をはらんだ経済危機は、世界共通の問題となっています。

 一方、大きな歴史の流れの中では、世界は今、近代に入って3度目のパラダイム転換期を迎えていると言われています。15世紀に、まずキリスト教文化圏の思考体系や技術力、政治経済の理念などが西洋の台頭という形で広がり、18世紀後半から加速的に世界を席巻していきます。その流れの中で、産業革命を達成した大英帝国が覇権を握ったのが第1のシフトです。

 19世紀末には、旧宗主国である英国から米国が覇権を譲り受け、特にソ連崩壊以降は唯一の超大国、ローマ帝国以来の最強国家として君臨しました。これが第2のシフトです。

 そして、現在進行している第3のシフトが、米国による一極支配体制の終えんです。米国の凋落ではなく、その他すべての国の台頭により、世界はこの第3のシフトに入りました。ポストアメリカの時代が始まったのだと言います。

 実際に、この第3のシフトにおいて、時代の寵児としてバラク・オバマ氏が黒人初の大統領につき、ブッシュ前大統領の単独行動主義の路線から多国間主義へと路線を切りかえてきています。第3のシフトという歴史的な世界の大きな流れの中で、また経済危機の中で、日本や日本の中心、心臓部に位置する中央区の役割は大きいと言えます。

 このたびの中央区の一般会計予算678億3,038万4千円は、昨年度比64億634万4千円、10.4%増であり、区債発行することもなく、総合経済対策124億8,500万円を計上し、直面する最大の課題の一つ、経済危機に果敢に取り組むとともに、温暖化防止対策や子育て支援、高齢者施策の充実、学校の改修、認証保育園誘致、認定こども園や産科医院を開設し、着実に区民福祉の向上を目指している点を高く評価します。

 また、新たな取り組みとしてのワーク・ライフ・バランス施策の導入が功を奏し、PTAや地域貢献活動に参加したり、子育て環境が充実されることを期待します。こちらも新たな取り組みである中央区マンションの適切な管理の推進に関する条例の制定により、新しく中央区の住民になられた方々が地域づくりの一員として、地元町会・自治会を初め、地域に早く打ち解けることができる環境整備がなされることを切に願います。

 昨今、行政課題も複雑さを増してきております。複雑な行政課題では、その分析に当たって、行政側が専門家による会議体を設置して検討をし、政策立案することが多くなってまいりました。歌舞伎座の建てかえ問題を検討する歌舞伎座再生検討委員会や、豊洲の土壌汚染対策を検討する専門家会議や技術会議などが好例です。

 理事者の皆様に期待するところとして、そのような検討会議体の公開はもちろん、その報告をきちんと区民に説明する場を速やかに設けていただきたいと考えます。また、議会としては、報告をうのみにするのではなく、その報告書を十分に吟味した上で、政策決定の材料としたいと考えています。

 今回の予算特別委員会で、開かれた区政のあり方について、特にシステムがつくられるプロセスの大切さ、システム決定に至るプロセスもまた公開されることの大切さを指摘してまいりました。

 その理由を述べます。

 議会も行政も、条例、法律や制度、すなわちシステムをつくっています。システムと区民の関係は、当然、システムはそれを利用する区民の福祉向上に寄与するために存在すべきであります。ただ、残念ながら、システムが区民福祉の向上とは逆に、区民を縛り、区民がシステムに仕える主従逆の現象が今の区政の中に散見されています。もし、正しいプロセスを経てつくられたシステムであれば、主従逆には決してならないはずとの思いで、プロセスの大切さを指摘してまいった次第です。

 先日、小説家、村上春樹氏は、エルサレムの非常に栄誉ある文学賞を受賞されました。多くの皆様の記憶に新しいところであると思います。そこでなされたすばらしい内容のスピーチは、地元イスラエルを初め、世界中のメディアが取り上げました。

 村上氏は、システムとそれに縛られる弱い存在の人間の関係を、高く固い「壁」と、それにぶつかると割れてしまう「卵」と述べました。

 彼は、多くの反対を押し切って、自分の目で確かめるために現地エルサレムに出向きました。それは、今起こっているガザ地区での戦闘において、爆撃機であり、戦車であり、ロケット砲であり、白リン弾という高く固い「壁」に壊され、燃やされ、撃たれる「卵」のような弱い非武装市民が存在することを、小説家として、暗喩を用い、述べることが目的でした。そして、彼は、どんなに「壁」が正しく、どんなに「卵」が間違っていようとも、自分は「卵」のそばに居続けるという小説家としての姿勢を明らかにしたのでした。

 今、日本には、幸運にして、戦争という「壁」に、ぶつけられ壊されていく「卵」のような存在の市民はいません。けれども、村上氏のその「卵」の比喩は、中央区民並びに中央区にも当てはまると考えます。

 村上氏は、スピーチの中でこう述べています。

 僕たち一人一人が、多かれ少なかれ「卵」なのです。僕たちは、唯一かけがえのない魂を内包した壊れやすい殻に包まれた「卵」なのです。これは、僕にとっての真実であり、皆さんにとっての真実でもあります。そして僕たちはそれぞれ多少の違いはあっても、高くて固い「壁」に直面しています。その「壁」の名は、そう、「システム」です。システムは僕たちの守りを固めるためのものですが、しかし時折自己増殖して、冷酷に、効果的に、システマティックな方法で僕たちに殺し合いをさせるようしむけます。

 システムが私たちを殺し合いにしむけるということは、今の日本では大げさであるとしても、中央区を見渡せば、システムという高くて固い壁に直面し、苦悩する多くの区民がおられるのではないでしょうか。

 防災性の向上という名のもとに超高層建築物が立案され、十分な説明を受けることなく計画は進行、日照を奪われることや、風害や工事の騒音に苦しめられることに不安を抱く周辺の住民がいらっしゃいます。

 地上げに遭い、バブルの崩壊後には虫食い状態となった土地の再開発において、区道廃止と超高層建築物が立案され、計画は進行、困難な状況を乗り切った一番の当事者であり、彼等の一人一人の権利をこそ大切にすべきであるのに、十分な計画の説明を受けることもなく、計画に取り残された戸建ての住民がいらっしゃいます。

 歩行者交通量を緩和するということの解決を目的に計画されておきながら、その目的達成の効果の証明もないまま、橋梁の架橋が立案され、計画は進行、十分な計画の説明を受けることもなく、日々の静かなたたずまいやプライバシーを侵害されかねない住民がいらっしゃいます。

 環状2号線は、地下で行うはずの都市計画決定から地上化に計画が変更され、大気汚染や騒音により周辺住民の生活は犠牲になろうとしています。同様に、首都高速晴海線は、その必要性の説明もないまま、豊洲から、次は晴海へと延長する計画が進行中であり、大気汚染、騒音、交通環境の悪化が周辺住民に押しつけられようとしています。

 そして、今や、オリンピックが東京開催で決定された場合、立候補ファイルでは、晴海の運動場の場所にオリンピックメーンスタジアム、豊海小学校の運動場に道路の絵が描かれており、区民の生活を犠牲にした計画が遂行される可能性が危惧されてなりません。

 障害のある方々の施策の関連で申し述べれば、ソフト面も含め、学校のバリアフリー化が進んでいれば、復籍制度を利用して地元の小・中学校にも通うことができる特別支援学校在籍の障害のある児童がいらっしゃいます。

 コミュニティバスが就労支援施設の前にとまるのであれば、自分の能力を社会に生かし、自己実現をすることができる障害のある方がいらっしゃいます。

 成年後見制度の認知度が高まっていれば、親亡き後のことを不安に思いながら過ごさずに済む障害のある子を持つ親御さんがいらっしゃいます。

 まだまだ、挙げればきりがありませんが、システムという高くて固い「壁」に直面し、苦悩する区民の例を述べさせていただきました。そして、中央区自体も、システムという高くて固い「壁」に直面をしている「卵」なのかもしれません。

 日本国憲法の保障する地方自治の大原則である団体自治の原則を破り、地元自治体の意向を一切無視し、築地ブランドや築地の食の文化、食の安全・安心、市場内外で商売を営む方々の生活を犠牲にして、東京都は築地市場廃止、豊洲の土壌汚染地での新市場開設を強行しようとしています。

 議会と区政は、常にシステムという壁と直面する人間の側にこそ寄り添い、希望を見出したいものです。

 村上氏は、次のようにスピーチを締めくくっています。

 僕はきょう、皆さんにお伝えしたかったことはただ一つです。僕たちはだれもが人間であり、国籍や人種や宗教を超えていく個人であり、システムと呼ばれる固い「壁」に直面する「卵」だということです。どう見たって僕たちに勝ち目はなさそうです。「壁」は余りにも高く、余りにも強く、そして余りにも冷たい。もし僕たちに勝利の希望が幾らかあるとすれば、それはかけがえのない独自性を信じ、自分と他の人々の魂とを互いにつなぎ合わせた暖かさに頼るしかありません。少し考えてみてください。僕たちは、それぞれ、今ここに実態のある魂を持っています。システムは、それを持っていません。僕たちは、システムが僕たちをつかさどることを許してはなりません。僕たちは、システムがひとり歩きすることを許してはなりません。システムが僕たちをつくったわけではない。僕たちがシステムをつくったのです。これがきょう、僕が皆さんに語りたかったことのすべてです。

 村上氏のスピーチに同感です。私たちのつくったシステムに決して縛られてはなりません。区民生活の向上を目指して、常にシステムを改革、更新していかねばなりません。

 一般会計予算の評価は前半に述べさせていただいたように、高く評価しています。特別会計予算も医療、介護の質の確保と持続可能な制度運用を期待しています。

 それにあわせて、最後に申し述べましたように、常に区民の側に立ち、常に区民生活の福祉向上を念頭に置いて議会運営・区政運営がこれからもなされていくための予算執行であることを強く要望して、平成21年度各会計予算案に賛成いたします。

 ありがとうございました。

********

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朝潮運河歩行者専用橋 その検討会は、「架橋ありき」ではじめられたものではなかったことの確認。

2010-12-15 07:53:03 | マニフェスト2011参考資料
 朝潮運河歩行者専用橋架橋の是非に関して提出された請願を、12月14日の環境建設委員会で審議されました。
 そもそも「朝潮運河周辺における良好な歩行環境の実現に向けた 検討会」(平成21年10月28日(水)第一回開催~)がなぜ、開催されたのでしょうか。
 架橋ありきで検討会をしたのでは、決してございません。

 そのことがわかる根拠として、第一回検討会に関するブログを振り返ります。

 議事録は要約であり、その場の雰囲気までは、残念ながら出ないわけですが、「(座長)事務局は、はじめに橋の計画ありきではなく、あらゆるオプションを網羅し、その技術的、経済的裏づけを示したもらいたい。」と述べ、座長はきちんと「架橋ありき」で、検討会をするのではないことを、明言しております。
 
 住民の皆様も、お忙しい中、「架橋ありきの説明会」に参加するのではなく、「朝潮運河周辺における良好な歩行環境の実現に向け」て知恵を出し合うために集まり、意見交換し、実現可能なよりよい対案(「横断歩道設置」や「トリトン前エスカレーター付き歩道橋」)まで出して、議論をしてきたわけであります。

 その検討会が始まったばかりのときに、一方で、「架橋の詳細設計の契約」を進めることなど、誰が考えてもありえないのではないでしょうか。
 昨日の環境建設委員会で、行政から、「詳細設計の契約を、平成21年12月に結んだ」とありました。
 なんとも残念な事実であり、予算執行上の大きな誤りであると指摘させていただきたいと思います。
 その結んだ契約のもと、実際の詳細をすすめるという報告は、先月11月の環境建設委員会でなされ、住民の皆様が、検討会報告書が区長に提出されて以後、報告書に書かれた課題(横断歩道設置の可能性の検討、エスカレーター付き歩道橋設置の可能性の検討等)についてなんら説明がないまま詳細設計を進めることに対し、異議をとなえ請願提出に至った経緯があります。
 

 なお、昨日の環境建設委員会で、行政の側から、「小坂委員も詳細設計の予算に賛成したではないか」と逆に反論を受けましたが、平成21年3月の平成21年度予算審議においては、十分に架橋の問題点を指摘させていただきました。(その一部を次のブログに掲載します。)
 予算執行にあたりなお問題点について、当該年度平成21年度の環境建設委員会でも指摘し、結果、「朝潮運河周辺における良好な歩行環境の実現に向けた検討会」設置もいただきました。また、平成22年度予算では、朝潮運河歩行者専用橋架橋関連予算は、「5万円」に削減をいただいたところでもあり、なんら矛盾はないと認識しております。委員会の限られた時間で述べるようなものでもなかったため、行政側の反論に対してのお答えは、こちらの記載とさせていただきます。

(掲載にあたり、着色が消えている点ご了承願います。)
****2010-05-28 10:26:27ブログ振り返り****
 本日5/28、第7回朝潮運河周辺における良好な歩行環境の実現に向けた検討会が、開催されます。
 検討会の検討内容が十分に反映された報告書が作成されますことを期待いたしております。
 そのためには、検討内容自体を、把握する必要があります。

 まず、その議事録から振り返ります。

 本日5/28現在、区のホームページで公開されている検討会の議事録です。
 本来、第6回までの議事録が公開されるべきですが、残念ながら、第6回、第5回の議事録の公開はまだ、なされておりません。
 中央区には、早急に対応いただけるようにお願いしたいところです。

 第1回から第4回まで、同様の表記ですが、こちらの判断で、重要と思われる箇所に下線、私の注釈を赤、歩行者専用橋を必要とする方向性の発言を青で、表示してみます。

 私は、できるかぎりこの検討会に傍聴者として参加してきました。
 傍聴していて感じたことは、歩行者専用橋の架橋に賛成の意見が少数であったという印象です。それよりは、架橋に反対の意見が大勢を占めておりました。
 青字の着色の意図は、このことを、イメージとして示すためです。

 報告書は、この検討会では、架橋反対者が多数を占めたという状況を忠実に反映する表現を用いるべきであると考えます。
 委員の選定が、架橋周辺の住民であったから、架橋に反対の意見が多いのが当然の結果になるということも注釈としてつけてもよいでしょう。
 報告書は、決して、「架橋すべき」という結論にはならないのではないかと、一傍聴者として感じました。
 出されるべき報告書は、今後、十分検討し、議会に反映させていただきます。

*****区のホームページから*****
第1回 朝潮運河周辺における良好な歩行環境の実現
に向けた検討会 会議記録(要旨)
○会議名称:第1回 朝潮運河周辺における良好な歩行環境の実現に向けた
検討会
○開催日時:平成21年10月28日(水)午後6時30分から
○開催場所:月島社会教育会館 晴海分館「アートはるみ]地下1階ギャラリー
○構 成 員:別紙「構成員名簿」のとおり
○議事概要:
1 開会
2 座長挨拶
3 議題
(1)朝潮運河歩行者専用橋に関するこれまでの経緯について
(2)検討会の設置について
(3)晴海通りにおける混雑緩和の対策等について
4 意見交換
5 その他
次回検討会の日程について
6 閉会

○経過(要旨):別紙のとおり
未 定 稿
会議経過(要旨)
1 開会
・中央区土木部管理課長による開会
・座長の紹介
・配付資料についての説明
2 座長挨拶
3 議題
資料に基づき、下の(1)~(3)の事項について、道路課長(事務局)から説明
(1)朝潮運河歩行者専用橋に関するこれまでの経緯について
(2)検討会の設置について
(3)晴海通りにおける混雑緩和の対策等について
4 主な意見・質疑応答
(委員A)
・晴海通りの両側歩道の歩行者交通量の平準化をにより混雑緩和できないか
・トリトン前に横断歩道を設置することにより、混雑緩和を図れないか。
・晴海通りの将来交通量増加分の内訳について、考え方を示していただきたい。

(委員B)
・晴海通りは、朝8時半頃に通勤客で大変混雑しており、我々地域住民も自由
に歩くことができない。
・事業は賛否があって当たり前だと思う。様々な意見があってこそ、良いもの
ができる。
・歩行者専用橋は多額な整備費を要すが、災害時のことを考えれば必要である
と思う。良いことは賛成していきたい。
・計画地周辺における歩行者交通量の増加等により、車の出し入れが不便にな
ることを心配している人もいるので、安全等を十分に配慮して計画していただ
きたい。

(委員C)
・晴海通りの混雑緩和に対しては有効な橋であると思う。
・歩行者専用橋の架橋により、勝どき駅を利用している第三者の敷地内通過
と自転車の盗難の増加が懸念される。
・高齢者が多く居住しているため、周辺道路に歩行者が増加することは、非常
に危険であると感じている。良い改善策があればアドバイスをいただきたい。

(委員D)
・朝潮運河には橋が多すぎる。黎明橋、トリトンブリッジ、晴月橋及び朝潮橋
と、この地域だけでも充分すぎるほど橋が架けられている。
・月島・勝どき地区(の街づくり)の長期的な展望を考えるのであれば、トリ
トンの近傍に地下鉄の出入り口を整備することではないか。
・混雑緩和のためには、晴海通りの西側歩道の活用をもう少し検討すべきでは
ないか。
・トリトンブリッジの手前で歩道が狭くなり、ボトルネックの原因になってお
り、歩行者の渋滞の原因になっている。
・二方向(勝どき方面、晴海方面)に稼動しているトリトンブリッジ(動く歩
道)を、朝の混雑時においては、晴海方面への一方向のみにすることはできな
いのか。また、トリトンブリッジ手前に設置されている円柱状の施設について
も、歩行者の支障となっているので撤去してみてはどうか。

(委員E)
・混雑緩和などを目的に歩行者専用橋を架けるということだが、あまりにも唐
突すぎるように感じる。現在の勝どき駅の出入口の位置やトリトンまでのルー
トを考えた場合、歩行者専用橋を架橋したとしても、利用されないのではない
か。
・地下道や高架橋により、勝どき駅とトリトンを結ぶということも検討すべき
ではないか。実際にどの程度の検討をしたのか、コスト比較の結果などを示し
てもらいたい。
(座長)
現時点で回答できることについては事務局から説明すること。回答できない
ことについては、事前に質問の趣旨を確認した上で、回答内容を書面にし、構
成員に配付すること。
(道路課長)
・歩行者専用橋を整備することにより、敷地内を通り抜ける人が増えるという
ことについては、東京都住宅局や自治会などの関連機関と調整をしていきたい。
・朝潮運河下の地下通路について、どの程度検討したのかということについて
は、実際に試算したわけではないが、経験値などから、相当高額になると予想
される。また、地下においてはライフラインなどの埋設物件も多く、その移設
には費用と時間を要すため、コストも高く、工事期間も長期になる。
・そのほかの内容については、再度、質問要旨を確認したうえ、次回検討会ま
でに回答させていただきたい。

(座長)
質問や提案のあったことについては、その趣旨を確認し、できること、でき
ないことを行政サイドとしてまとめてほしい。
(土木部長)
・晴海通りの混雑緩和については、人の流れのもとになっている勝どき駅の出
入口の位置などを踏まえ、総合的に検討していかなければならない。
・ペデストリアンデッキのような地上ルート、あるいは地下通路など、混雑緩
和に関する複数案についての提案があったが、ライフラインなど埋設物の移設
なども考慮しながら、次回検討会までに試算したい。
・トリトンブリッジの動く歩道がボトルネックになっているので、朝の時間帯
に2方向を1方向にしてはという提案については、現地確認し再度検証したい。

(座長)
事務局は、はじめに橋の計画ありきではなく、あらゆるオプションを網羅し、
その技術的、経済的裏づけを示したもらいたい。
(委員A)
・トリトン前の横断歩道の設置については、黎明橋公園前交差点付近において
追突事故が多いのでできないという回答であったが、その事故件数は何件か示
してもらいたい。
・現在の横断歩道橋を撤去して、横断歩道を設置する。横断歩道橋が通学路に
指定しているということであれば、黎明橋公園側に横断歩道橋を移設すること
はどうか。
・昭和通りにあるような大型の歩道橋を整備するのはどうか。
・(再開発等により)晴海三丁目や五丁目の人が増加するのであれば、黎明橋
より西側に橋を架けるべきであり、行き止まり道路を解消する点からも意味が
あるのではないか。
・防災性(の向上)についての話があったが、勝どき二丁目の場合、「月島第
二小学校」に避難することになっている。その後、大災害の時は晴海に避難す
ることになっているので、ルートを考えれば歩行者専用橋を渡らないのではな
いか。
(道路課長)
・銀座七丁目の歩道橋については、エスカレーターの維持費は一基あたり約1000
万であり、合計4基で年間約4000 万円ほどかかる。ライフサイクルコストを考
慮すれば、新橋建設が必ずしも高いとは言えない。
(座長)
事務局は、質問の趣旨を確認したうえで、文書化する方がはっきりして良い。
(委員F)
歩行者専用ということで説明しているが、車椅子は通れないのか。
(道路課長)
車椅子の方も通ることができる。
(防災課長)
晴海地域は広域避難場所という地域に指定されている。広域避難場所という
のは、月島・勝どき地域において、大規模な延焼火災(火災がどんどん燃え広
がっている状況)が発生した場合に、この地域の方が火災から逃れるための指
定された場所(区域)ということである。面的に考えれば、晴海地域の全域が
広域避難場所の位置付けになっており、こうした状況において、月島や勝どき
地域の方は晴海の方に避難してくるということである。避難場所には、水や食
料は一切用意されていない。火災から一時逃れているが、火災が治まれば、ま
た、戻るということになる。次に、避難所について。自分の住居が地震により
倒壊したり、火災で燃えてしまったりした場合に、区内の小中学校を防災拠点
に位置付け、区民の方の避難所あるいは、防災活動をする拠点となる。どの小
学校が防災拠点になるかについては、地域ごとに決められており、災害時には、
この防災拠点に避難するようになる。防災拠点には、防災用資機材や食料など
が備蓄されており、災害時に対応できるようになっている。それから、広域避
難場所について漏れた点があったので補足する。現在、千代田区や中央区など
の都心区においては、地区内残留地域という指定がされている地域がある。こ
れは、広域避難場所を指定していない地域、大規延焼火災が発生しない地域と
いうことで指定されている。本区においては、5割以上がそのような地域にな
っている。具体的には、銀座、日本橋、京橋など木造家屋の少ない地域である。
このような地域においては、大規模延焼火災の恐れがないということで、その
地域にとどまることとされている。月島、勝どき、豊海については、広域避難
場所として晴海に避難するようになっている。

(委員A)
晴海に避難する前に、一度、避難所である小学校に避難してから晴海に向か
うということを考えた場合、わざわざ、この橋のところまで戻ってくるのか。
普通に考えれば、晴月橋や黎明橋を渡るのではないか。月島第二小学校は晴海
通りに、月島第一小は晴月橋の通りに面している。ここに橋を架けたとしても、
災害時にこの橋を渡るという考え方はおかしいのではないか。
(防災課長)
避難所と避難場所について、わかりにくい点があったかと思う。避難所とい
うのは、震度5強以上の地震があったときには、何らかの被害がでるであろう
という想定のもとに、区民の皆様が活動できるような場所として小学校があて
られており、最終的には、そこで避難活動や避難生活ができる場ということで
指定されている。延焼火災が燃え広がってきた場合には、広域避難場所である
晴海地区に逃げるということである。地震が発生した時に、真っ先に何をやる
のかということについては、はっきりした決まりはない。災害規模や災害が起
こった後の状況によって異なる。火災が発生して、延焼が広がっているのであ
れば、晴海に逃げるし、延焼が無くても、家屋が倒壊し、生活が維持できない
のであれば、防災拠点に避難するということである。
(道路課長)
歩行者専用橋を通って避難しないだろうという意見について。この橋につい
ては、地域防災計画の避難路として位置付けられているわけではない。災害は、
どのような状況において発生するかはわからない。あらゆる機会に、幅広く対
応していくという選択肢を広げるためにも、歩行者専用橋が必要ではないかと
考えている。
(座長)
災害には、いろいろなシナリオがある。その中で、行政のできることには限
界があり、最も必要だと思われることをせざるを得ない。この検討会を契機に、
防災のことも考えた上で良いまちづくりをやっていければと思っている。

(委員G)
朝潮運河ルネサンス協議会を、今から4年前に設立した。ルネサンス協議会
の設立目的は、この死んでしまっている朝潮運河をどうにか生かしていこうと
いうことである。その一つに防災がある。地震などの災害時に、我々の生命・
財産はだれが補償してくれるのかという考え方が発端となっている。
我々としても、(運河に架かる)この歩行者専用橋が、区民の生命や財産を
守るため、月島・勝どき・晴海の3地区の連絡することについての提案をして
きた。勝どきや月島地区の人たちも、トリトンに避難できるとすれば、先ほど、
座長からお話のあったトイレの問題についても、全く心配する必要がない。
このような場において、みなさんから様々な意見を出していただき、良い橋
をつくっていくべきだと考える。議論するのは良いが、出た意見については、
きちんとまとめていただき、検討会において報告できるような形にしていただ
きたい。

(委員D)
・橋ありきの検討は、何度もやってきた。月島、勝どきの将来展望を考えるの
であれば、根本的な解決はトリトン前の駅を整備するしかない。橋の整備あり
きではなく、そういう視点で検討会をやっていただきたい。
・各団体、組織の代表1名しか発言できないのはおかしい。オブザーバーを含
めて複数の人が発言できるようにしないと、住民の声は伝わらない。次回の検
討会では、そのようにしていただきたい。

(座長)
何十億という費用をかけ、500回の検討会を行ったケースもあるが、それ
が民主主義かどうかというと疑問である。この検討会については常識的な範囲
でやっていかざるを得ないと考えている。

(土木部長)
先ほど発言権を複数の人に与えてくれという要望があったが、発言はあくま
で代表者1名でお願いしたい。そのかわり、オブザーバーは1名増やして2名
まで出席できることにする。発言にあたっては、オブザーバーの方と相談して
いただいて結構である。

(委員D)
それでは住民の声が伝わらない。民主主義ではない。
(土木部長)
発言席は一つということにする。
(座長)
次回までに、晴海通りの混雑状況の実態を見ていただくため、中間で一度、
現地見学会を行いたい。
5 その他
・第2回については、12 月上旬を予定。
・現地見学会の日程についても調整する。
6 閉会

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