都議会代表質問における築地市場移転問題を見てみる。
都議会の議事録速報版より該当箇所を抜粋する。
****都議会ホームページより****
〇副議長(鈴木貫太郎君) 十五番畔上三和子さん。
〔十五番畔上三和子君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕
〇十五番(畔上三和子君) 私は、日本共産党都議団を代表して質問いたします。
まず、築地市場についてです。
知事が所信表明の冒頭で、築地市場の豊洲移転を強権的に推進する立場を表明したことは、都民と都議会の意思を踏みにじるもので、断じて許されません。つい最近も、東京魚市場卸協同組合の総代選挙では、移転に反対する人たちが多数になったではありませんか。専門家や市場関係者の多くが、都の土壌汚染対策に不信を抱き、豊洲移転に反対しているのです。
もともと有害物質で汚染された豊洲の東京ガス跡地は、市場用地としては検討に値しません。その上、豊洲の土壌処理対策は科学的裏づけに乏しい欠陥対策であり、適用実験もごまかしに満ちたものです。実際、我が党の事実を示した批判に対し、まともな答弁はできなかったではありませんか。知事、権威ある学者のお墨つきをひたすら振りかざすのでは都民は納得しません。知事、どうですか。
さらに、これまでの調査結果及び今後進める汚染処理工事設計については、情報を全面公開し、環境学会など専門家の検証を受けるべきです。そもそも都が不十分ながら有楽町層までの土壌汚染のボーリング調査をしたのは、敷地全体の三分の一にすぎません。しかも、ほとんどの地点が、ベンゼンやシアンなど一種類ずつの調査でしかありません。有楽町層より深いところは全く調査されていません。
このため、汚染が広範囲に隠されている可能性が強く、今後、有楽町層の下までくいを打ち込む工事などで地中深くの土壌が掘削されるなら、汚染が拡散する危険が濃厚です。どうですか。
先ほども知事は、築地市場の老朽化を豊洲移転の理由にしていますが、天につばするものです。この十二年間、業者の声を聞かずに耐震改修、メンテナンスを怠ってきたのは、知事、あなたではありませんか。知事が市場問題で何をおいてもやるべきことは、老朽化対策、耐震化を怠ってきたことを反省し、緊急対策を講ずることです。
知事は、このままだと業者はじり貧になるともいっていますが、その原因は何より、競り原則取引廃止などを進めてきた国と都にあるのです。豊洲新市場化計画は、大手量販店などの物流センター化するものであり、移転を強行すれば、仲卸業者は大手企業の下請と化す危険が強まります。公正な価格形成に欠かせない競り売りを初め、市場本来の機能を取り戻すことや、仲卸業者への十分な経済的支援を行うことで、都民も業者も安心できる卸売市場づくりに転換することこそ求められているのです。どうですか。
現在地再整備については議論が尽くされていません。我が党は、過大な施設計画の見直し、都負担による整備、仮移転の場合の費用負担などによって、業者が合意できるよりよい現在地再整備計画を、都自身の責任でつくることを重ねて求めますが、答弁を求めます。
(後略)
〔知事石原慎太郎君登壇〕
〇知事(石原慎太郎君) 畔上三和子議員の代表質問にお答えいたします。
まず、築地市場の豊洲移転についてでありますが、築地市場は施設の老朽化がきわまり、市場業者の経営環境の厳しさも増しております。現在地再整備についてはかつて試みられましたが、とんざして終わりました。
今回、議会みずからが行った再検討の中でも、十数年かかるという致命的な事実が明らかとなりまして、選択肢たり得ないことは明白であります。
にもかかわらず、議会としての結論は、先の展望も示されぬままに先送りをされました。業界団体の大多数も早期の豊洲移転を望んでお
りまして、現場に先の見えぬ状態のまま、それを待つ不安、焦燥、混乱を強い続けるわけにはいきません。
豊洲の移転予定地の土壌汚染対策については、我が国最高権威の学者の方々の英知もおかりして、日本のすぐれた先端技術を活用した汚染除去手法を編み出しました。現地での実験も済ませておりまして、汚染を克服できることが科学的なデータによっても証明されております。
世界に誇る日本の先端技術を、それを開発した日本人が信用しないで一体どうするんでしょうかね。この技術を駆使することで、市場用地としての安全・安心の確保は十分に可能であります。
現実を直視し、この問題の二十五年以上にわたる経緯、都民、国民生活への影響、財政面などもあわせて総合的に判断し、首都圏三千三百万人の食生活を支える新しい拠点市場を整備するために、豊洲移転を決断したものであります。
(後略)
〔中央卸売市場長岡田至君登壇〕
〇中央卸売市場長(岡田至君) 五点のご質問にお答えいたします。
まず、土壌汚染対策の情報公開や専門家による検証についてでございます。
これまでも、土壌汚染対策に関するすべての調査結果、会議の資料や報告書、実験データ等につきましてはプレス発表し、適宜記者会見も行った上で、ホームページ上で公表しております。
また、詳細設計や今後進める対策工事につきましては、必要に応じ、技術会議委員など、専門家に内容を確認しながら進めていくこととしております。
今後とも、環境影響評価の地元説明会などでわかりやすく説明し、質問には丁寧に回答していくなど、きめ細かな情報提供を行い、市場関係者や都民の信頼と安心が得られるように努めてまいります。
次に、土壌汚染の拡散についてです。
豊洲新市場予定地における汚染状況につきましては、十メートル区画で敷地全域の表層土壌調査と地下水調査を行い、さらに、汚染が確認された地点で深度方向に調査を行うことで、汚染の全容を確実に把握してございます。土壌汚染対策につきましては、こうした調査結果に基づきまして、操業に由来する土壌や地下水の汚染物質をすべて除去した後、液状化対策などを行ってまいります。
市場施設のくい打ち工事につきましては、このように汚染物質をすべて除去した後に行うことに加えまして、通常、打ち込んだくいは周辺の粘性土と密着しているのが普通であるとの見解を技術会議の委員から得ており、汚染を拡散させることはないと考えてございます。
次に、築地市場の施設の老朽化についてです。
築地市場は、開業から既に七十五年を経過しており、築四十年以上の建物が五割を超えるなど老朽化が著しく、市場機能を維持するには限界があります。また、平成八年度以降行いました場内施設の耐震診断におきまして、十分な耐震性を有しない施設が十棟あることが判明してございます。このため、築地市場では毎年約二百件、金額にして二億円以上の修繕工事を継続して実施してきておりまして、この十二年間の合計では三十億円を超え、他の市場と比較しても格別に多い額となってございます。
また、耐震改修工事も耐震診断後、順次実施してきておりまして、その結果、四棟の耐震性が確保され、三棟は耐震性が向上し、残る三棟につきましても、現在、市場業者と工事の調整中でございます。
このように都は、築地市場の老朽化対策、耐震化に最大限努めてきておりまして、緊急対策を怠ってきたというご指摘は当たらないと考えてございます。
次に、都民も業者も安心できる卸売市場づくりへの転換についてでございます。
築地市場における取扱量の減少や、経済不況に伴う市場業者の経営悪化という状況のもとで、都は、市場関係者が差別的な取り扱いを受けることなく、公正、効率的な取引の機会を確保し、公正な価格形成が実現できるよう、条例に基づきまして、取引の監視、指導を行っております。また、経営に苦しむ市場業者に対しましては、きめ細かな財務検査ですとか経営改善指導、新規の事業展開を行う際の補助制度の創設など、経営基盤の強化に向けてさまざまな支援を行ってございます。
しかしながら、都民や市場業者が安心できる卸売市場とするためには、ソフト面の対応では限界があり、豊洲新市場への移転によりまして、施設の老朽化、狭隘化等の課題を解決し、品質管理の高度化や加工等の新たな顧客のニーズの機能を加えるなど、抜本的な対策が不可欠であります。
最後は、築地市場の現在地再整備計画についてです。
先ほど知事がご答弁しましたとおり、この問題の二十五年以上にわたる経緯、都民、国民生活への影響、財政面などもあわせて総合的に判断し、豊洲移転を決断したものでありまして、都として現在地再整備計画をつくる考えはありません。
築地市場は、施設の老朽化が限界に達しており、市場業者の経営環境も極めて厳しい状況に置かれてございます。
現在地再整備につきましては、過去四百億円を投じ、工事を推進いたしましたが、営業への深刻な影響などからとんざしました。今回、議会みずから行った再検討の中でも、十数年かかる致命的な事実が明らかとなってございます。
今後、都は、首都圏三千三百万人の食生活を支える豊洲新市場の整備に全力を挙げて取り組んでまいります。
(後略)
〇議長(和田宗春君) 十五番畔上三和子さん。
〔十五番畔上三和子君登壇〕
〇十五番(畔上三和子君)
(前略)
次に、市場問題についてです。
第一に、知事は豊洲の移転予定地について、安全・安心の確保は十分可能と答えました。しかし、豊洲の土壌汚染は、汚染がなかったはずが実はあったの繰り返しでした。実験を済ませたといいますが、環境基準四万三千倍のベンゼンなど、高濃度汚染の処理はやられず、実験状況もひた隠しにしました。これでは信用ができません。外部の専門家の検証を受けるべきです。知事、どうでしょうか。
第二に、知事は現市場の老朽化はきわまるといい、市場長は老朽化対策は最大限やってきたという。一体どちらが本当なのでしょうか。知事が豊洲に移転させようとしたため、この十二年間、市場の万全な改修や耐震化が行われてこなかったわけです。市場再整備の時計もとまったのです。これを移転の理由にするには許されません。
以上二点、知事の答弁を求めます。(拍手)
〔中央卸売市場長岡田至君登壇〕
〇中央卸売市場長(岡田至君) まず、土壌汚染対策の有効性についてでございますが、これまでも何度もご説明していますけれども、豊洲の土壌汚染対策につきましては、我が国の最高権威の学者の方々の英知をおかりして、日本のすぐれた先端技術を活用した技術でございまして、有効性については既に実証されているものでございまして、それを豊洲での実験で行い、さらに技術会議で有効性について確認されてございます。したがいまして、改めて技術会議のご報告をごらんいただきたいというふうに思っております。
それから、築地市場の老朽化でございますが、開場から既に七十五年を経過し、築四十年以上の建物が五割を超えるなど、老朽化そのものについては限界を超えている、耐用年数を超えているということでございます。
しかしながら、東京都といたしましては、この築地市場の機能を維持するため、金額にして毎年二億円以上の修繕工事を実施しているというところでございまして、我々とすれば、できる限りの対策を築地市場に対して行ってきたというものでございます。
都議会の議事録速報版より該当箇所を抜粋する。
****都議会ホームページより****
〇副議長(鈴木貫太郎君) 十五番畔上三和子さん。
〔十五番畔上三和子君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕
〇十五番(畔上三和子君) 私は、日本共産党都議団を代表して質問いたします。
まず、築地市場についてです。
知事が所信表明の冒頭で、築地市場の豊洲移転を強権的に推進する立場を表明したことは、都民と都議会の意思を踏みにじるもので、断じて許されません。つい最近も、東京魚市場卸協同組合の総代選挙では、移転に反対する人たちが多数になったではありませんか。専門家や市場関係者の多くが、都の土壌汚染対策に不信を抱き、豊洲移転に反対しているのです。
もともと有害物質で汚染された豊洲の東京ガス跡地は、市場用地としては検討に値しません。その上、豊洲の土壌処理対策は科学的裏づけに乏しい欠陥対策であり、適用実験もごまかしに満ちたものです。実際、我が党の事実を示した批判に対し、まともな答弁はできなかったではありませんか。知事、権威ある学者のお墨つきをひたすら振りかざすのでは都民は納得しません。知事、どうですか。
さらに、これまでの調査結果及び今後進める汚染処理工事設計については、情報を全面公開し、環境学会など専門家の検証を受けるべきです。そもそも都が不十分ながら有楽町層までの土壌汚染のボーリング調査をしたのは、敷地全体の三分の一にすぎません。しかも、ほとんどの地点が、ベンゼンやシアンなど一種類ずつの調査でしかありません。有楽町層より深いところは全く調査されていません。
このため、汚染が広範囲に隠されている可能性が強く、今後、有楽町層の下までくいを打ち込む工事などで地中深くの土壌が掘削されるなら、汚染が拡散する危険が濃厚です。どうですか。
先ほども知事は、築地市場の老朽化を豊洲移転の理由にしていますが、天につばするものです。この十二年間、業者の声を聞かずに耐震改修、メンテナンスを怠ってきたのは、知事、あなたではありませんか。知事が市場問題で何をおいてもやるべきことは、老朽化対策、耐震化を怠ってきたことを反省し、緊急対策を講ずることです。
知事は、このままだと業者はじり貧になるともいっていますが、その原因は何より、競り原則取引廃止などを進めてきた国と都にあるのです。豊洲新市場化計画は、大手量販店などの物流センター化するものであり、移転を強行すれば、仲卸業者は大手企業の下請と化す危険が強まります。公正な価格形成に欠かせない競り売りを初め、市場本来の機能を取り戻すことや、仲卸業者への十分な経済的支援を行うことで、都民も業者も安心できる卸売市場づくりに転換することこそ求められているのです。どうですか。
現在地再整備については議論が尽くされていません。我が党は、過大な施設計画の見直し、都負担による整備、仮移転の場合の費用負担などによって、業者が合意できるよりよい現在地再整備計画を、都自身の責任でつくることを重ねて求めますが、答弁を求めます。
(後略)
〔知事石原慎太郎君登壇〕
〇知事(石原慎太郎君) 畔上三和子議員の代表質問にお答えいたします。
まず、築地市場の豊洲移転についてでありますが、築地市場は施設の老朽化がきわまり、市場業者の経営環境の厳しさも増しております。現在地再整備についてはかつて試みられましたが、とんざして終わりました。
今回、議会みずからが行った再検討の中でも、十数年かかるという致命的な事実が明らかとなりまして、選択肢たり得ないことは明白であります。
にもかかわらず、議会としての結論は、先の展望も示されぬままに先送りをされました。業界団体の大多数も早期の豊洲移転を望んでお
りまして、現場に先の見えぬ状態のまま、それを待つ不安、焦燥、混乱を強い続けるわけにはいきません。
豊洲の移転予定地の土壌汚染対策については、我が国最高権威の学者の方々の英知もおかりして、日本のすぐれた先端技術を活用した汚染除去手法を編み出しました。現地での実験も済ませておりまして、汚染を克服できることが科学的なデータによっても証明されております。
世界に誇る日本の先端技術を、それを開発した日本人が信用しないで一体どうするんでしょうかね。この技術を駆使することで、市場用地としての安全・安心の確保は十分に可能であります。
現実を直視し、この問題の二十五年以上にわたる経緯、都民、国民生活への影響、財政面などもあわせて総合的に判断し、首都圏三千三百万人の食生活を支える新しい拠点市場を整備するために、豊洲移転を決断したものであります。
(後略)
〔中央卸売市場長岡田至君登壇〕
〇中央卸売市場長(岡田至君) 五点のご質問にお答えいたします。
まず、土壌汚染対策の情報公開や専門家による検証についてでございます。
これまでも、土壌汚染対策に関するすべての調査結果、会議の資料や報告書、実験データ等につきましてはプレス発表し、適宜記者会見も行った上で、ホームページ上で公表しております。
また、詳細設計や今後進める対策工事につきましては、必要に応じ、技術会議委員など、専門家に内容を確認しながら進めていくこととしております。
今後とも、環境影響評価の地元説明会などでわかりやすく説明し、質問には丁寧に回答していくなど、きめ細かな情報提供を行い、市場関係者や都民の信頼と安心が得られるように努めてまいります。
次に、土壌汚染の拡散についてです。
豊洲新市場予定地における汚染状況につきましては、十メートル区画で敷地全域の表層土壌調査と地下水調査を行い、さらに、汚染が確認された地点で深度方向に調査を行うことで、汚染の全容を確実に把握してございます。土壌汚染対策につきましては、こうした調査結果に基づきまして、操業に由来する土壌や地下水の汚染物質をすべて除去した後、液状化対策などを行ってまいります。
市場施設のくい打ち工事につきましては、このように汚染物質をすべて除去した後に行うことに加えまして、通常、打ち込んだくいは周辺の粘性土と密着しているのが普通であるとの見解を技術会議の委員から得ており、汚染を拡散させることはないと考えてございます。
次に、築地市場の施設の老朽化についてです。
築地市場は、開業から既に七十五年を経過しており、築四十年以上の建物が五割を超えるなど老朽化が著しく、市場機能を維持するには限界があります。また、平成八年度以降行いました場内施設の耐震診断におきまして、十分な耐震性を有しない施設が十棟あることが判明してございます。このため、築地市場では毎年約二百件、金額にして二億円以上の修繕工事を継続して実施してきておりまして、この十二年間の合計では三十億円を超え、他の市場と比較しても格別に多い額となってございます。
また、耐震改修工事も耐震診断後、順次実施してきておりまして、その結果、四棟の耐震性が確保され、三棟は耐震性が向上し、残る三棟につきましても、現在、市場業者と工事の調整中でございます。
このように都は、築地市場の老朽化対策、耐震化に最大限努めてきておりまして、緊急対策を怠ってきたというご指摘は当たらないと考えてございます。
次に、都民も業者も安心できる卸売市場づくりへの転換についてでございます。
築地市場における取扱量の減少や、経済不況に伴う市場業者の経営悪化という状況のもとで、都は、市場関係者が差別的な取り扱いを受けることなく、公正、効率的な取引の機会を確保し、公正な価格形成が実現できるよう、条例に基づきまして、取引の監視、指導を行っております。また、経営に苦しむ市場業者に対しましては、きめ細かな財務検査ですとか経営改善指導、新規の事業展開を行う際の補助制度の創設など、経営基盤の強化に向けてさまざまな支援を行ってございます。
しかしながら、都民や市場業者が安心できる卸売市場とするためには、ソフト面の対応では限界があり、豊洲新市場への移転によりまして、施設の老朽化、狭隘化等の課題を解決し、品質管理の高度化や加工等の新たな顧客のニーズの機能を加えるなど、抜本的な対策が不可欠であります。
最後は、築地市場の現在地再整備計画についてです。
先ほど知事がご答弁しましたとおり、この問題の二十五年以上にわたる経緯、都民、国民生活への影響、財政面などもあわせて総合的に判断し、豊洲移転を決断したものでありまして、都として現在地再整備計画をつくる考えはありません。
築地市場は、施設の老朽化が限界に達しており、市場業者の経営環境も極めて厳しい状況に置かれてございます。
現在地再整備につきましては、過去四百億円を投じ、工事を推進いたしましたが、営業への深刻な影響などからとんざしました。今回、議会みずから行った再検討の中でも、十数年かかる致命的な事実が明らかとなってございます。
今後、都は、首都圏三千三百万人の食生活を支える豊洲新市場の整備に全力を挙げて取り組んでまいります。
(後略)
〇議長(和田宗春君) 十五番畔上三和子さん。
〔十五番畔上三和子君登壇〕
〇十五番(畔上三和子君)
(前略)
次に、市場問題についてです。
第一に、知事は豊洲の移転予定地について、安全・安心の確保は十分可能と答えました。しかし、豊洲の土壌汚染は、汚染がなかったはずが実はあったの繰り返しでした。実験を済ませたといいますが、環境基準四万三千倍のベンゼンなど、高濃度汚染の処理はやられず、実験状況もひた隠しにしました。これでは信用ができません。外部の専門家の検証を受けるべきです。知事、どうでしょうか。
第二に、知事は現市場の老朽化はきわまるといい、市場長は老朽化対策は最大限やってきたという。一体どちらが本当なのでしょうか。知事が豊洲に移転させようとしたため、この十二年間、市場の万全な改修や耐震化が行われてこなかったわけです。市場再整備の時計もとまったのです。これを移転の理由にするには許されません。
以上二点、知事の答弁を求めます。(拍手)
〔中央卸売市場長岡田至君登壇〕
〇中央卸売市場長(岡田至君) まず、土壌汚染対策の有効性についてでございますが、これまでも何度もご説明していますけれども、豊洲の土壌汚染対策につきましては、我が国の最高権威の学者の方々の英知をおかりして、日本のすぐれた先端技術を活用した技術でございまして、有効性については既に実証されているものでございまして、それを豊洲での実験で行い、さらに技術会議で有効性について確認されてございます。したがいまして、改めて技術会議のご報告をごらんいただきたいというふうに思っております。
それから、築地市場の老朽化でございますが、開場から既に七十五年を経過し、築四十年以上の建物が五割を超えるなど、老朽化そのものについては限界を超えている、耐用年数を超えているということでございます。
しかしながら、東京都といたしましては、この築地市場の機能を維持するため、金額にして毎年二億円以上の修繕工事を実施しているというところでございまして、我々とすれば、できる限りの対策を築地市場に対して行ってきたというものでございます。