「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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変容のまち 検証・月島の開発 下町っ子の戦い 「住み続ける環境」模索

2010-12-06 17:45:11 | マニフェスト2011参考資料
東京新聞が、地元、中央区月島の再開発に絡んだ特集を精力的に組んでくださっています。

 新聞記事の中で、「月島では高齢化が進んでいるが、お年寄りに老朽化した家を建て替える余力はない。子ども世代は古い家を出て、親が死ねば土地を手放す。その土地が業者に狙われ、乱開発につながる-という悪い流れが続いている」(下線を引いた箇所)とありますが、まさに、この悪循環をいかに断ち切ることができるか、解決策を見出すのは、たいへん難しいところです。
 その開発は、もちろん、商店街の町並み、下町の町並みにあった開発でなくてはなりません。
 また、今、商店街は、厳しい状況にあります。いろいろな小売店が、この数年の間でも何店舗も店を閉じ、そのあとには、この地域の特性として、もんじゃ屋さんが入っていく構造ができています。シャッター商店街にならないだけ、まだ、救われているのかもしれませんが、地元住民の商店街として意味合いからは、やや離れる傾向になってしまいます。商店街の振興にも寄与する形の開発でなくてはなりません。

 
 住民の合意形成のもと、まちづくりが進むことを期待いたすところですが、今、まちづくりの仕組みを再度点検する時期にきていると思っています。
 中央区を12の地域に分けてつくられている「まちづくり協議会」の改革もそのひとつで、喫緊の課題です。

 本日終了の第4回中央区議会定例会でも、会期中に、「まちづくり協議会」のあり方に関連した請願が住民の皆様から提出されたところです。本会議で、「環境建設委員会」に付託されました。
 私も、紹介議員のひとりとして、名を連ねさせていただきました。12月14日開催の同委員会で趣旨説明がなされることになると思います。


*****東京新聞(2010/12/06)*****
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20101206/CK2010120602000036.html

変容のまち 検証・月島の開発(上)下町っ子の戦い  「住み続ける環境」模索
2010年12月6日

 庶民の味「もんじゃ焼き」で知られる中央区月島。木造住宅が並び下町情緒あふれるまちが、都心へのアクセスの良さから、近年は高層マンションの建設と、それに伴う紛争が相次ぐ。全国的に地価の下落傾向が続く中、今年に入って上昇に転じた数少ない地域だ。世帯数は十年間で三割以上増えた。そんな月島の開発をめぐる現状や背景をリポートしながら、マンション居住世帯率が全国トップの86%という中央区の課題を探る。

 十一月十五日、中央区役所に月島三丁目の住民ら約十人が集まった。地元の配送センター跡地に今年八月、民間業者の十階建てマンション建設計画が浮上し、これに反対する住民らが区に助力を求めるためだ。

 現地は低層家屋が並ぶもんじゃストリートの一角。跡地を含む周辺地域は区が再開発を検討しており、地元町会が昨年十一月にまちづくり推進協議会をつくり、区とともに景観を生かしたまちづくりなど地域の将来像や再開発の可否を話し合い始めたばかりだった。

 「十階建てマンションができれば、周辺の家屋はとても人が住めるような環境ではなくなり、街並みも破壊される」。矢田美英区長あての陳情書には、激しい文言が並んだ。

   ■  ■

 「今回も力を合わせてストップしたい」。地元住民として反対運動に取り組む志村秀明・芝浦工業大准教授(42)は、かつての成功体験を思い出しながら力を込める。

 二〇〇五年一月、三丁目にA4判のチラシが舞い込んだ。「弊社が計画中の建物の説明会を開きます」。それが一年半にわたる戦いの幕開けだった。

 狭い土地に建物が密集する月島では、区の地区計画で容積率などの制限が緩和されている。古い家屋の建て替えを促すのが狙いだが、業者はこれを利用し、細長い敷地いっぱいに十階建てのマンションをつくろうとした。

 「目の前に壁ができるようなものだ」。近隣住民は猛反発した。創業百年の老舗酒店「カワシマヤ」二階が作戦本部になり、もんじゃ店主、会社員、主婦などさまざまな顔触れが集まった。住民同士が「あんたも出てきなさいよ」と集会に誘い合った。区役所では「住民の味方なの? 業者の味方なの?」と担当者に詰め寄った。

 下町っ子の団結力は区を動かした。街並みへの悪影響を問題視した区は裁判を辞さぬ構えで業者を指導し、建物の規模を大幅に削らせた。採算が合わず計画は白紙に。土地を手放した業者は「行政の指導が厳しく苦労した」と重い口を開いた。

   ■  ■

 あれから五年。月島では高齢化が進んでいるが、お年寄りに老朽化した家を建て替える余力はない。子ども世代は古い家を出て、親が死ねば土地を手放す。その土地が業者に狙われ、乱開発につながる-という悪い流れが続いている。

 そんな現状を危ぶむ三丁目で、地元住民が自ら主導する再開発を視野に昨年発足したのがまちづくり推進協議会だ。下町らしさを残しながら老朽化した家を建て替えたり、開発で住み慣れた家を失うお年寄りが月島に住み続けられるような方策を検討している。

 「このままでは地上げで地域がズタズタになる。皆が住み続けるための再開発が必要だ」。吉田不曇(うずみ)副区長は個々の業者が地域性を考えずに行う乱開発と、住民の合意の上で進める再開発にくっきりと線を引いていると説明する。だが実際には、区は住民合意を経ていない今回のマンション計画への介入に慎重だ。

 住民側は五年前に強力な援軍になってくれた再現を期待しながらも、「今回、区は冷淡だ。本音では古い住宅を早くきれいにしたいのかもしれない」と不安を感じている。

*****以上*****
コメント (1)
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