「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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復興小学校の改築問題 再考

2010-12-20 23:53:07 | マニフェスト2011参考資料
 文化財保護法や中央区文化財保護条例を遵守すべきところ、復興小学校である明石小、中央小の文化的価値を評価することなく、取り壊しが進められることとなりました。
 
 今一度、同法および同条例を顧みたいと思います。

文化財保護法
第1条(この法律の目的) この法律は、文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もつて国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とする。
第3条(政府及び地方公共団体の任務) 政府及び地方公共団体は、文化財がわが国の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、且つ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、その保存が適切に行われるように、周到の注意をもつてこの法律の趣旨の徹底に努めなければならない。
第4条(国民、所有者等の心構) 一般国民は、政府及び地方公共団体がこの法律の目的を達成するために行う措置に誠実に協力しなければならない。 2 文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な国民的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。 3 政府及び地方公共団体は、この法律の執行に当つて関係者の所有権その他の財産権を尊重しなければならない。

中央区文化財保護条例
第一条 目的
 中央区の区域内に存する文化財について、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もつて区民文化の向上に資するとともに、郷土文化の振興と発展に貢献することを目的とする。

第三条 区の責務
 区は、文化財が郷土の歴史及び文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、文化財の保存及び活用が適切に行われるよう努めなければならない。 2 中央区教育委員会は、区の区域内に存する文化財について調査し、その所在及び保存状況を明らかにするよう努めなければならない。

 
 今後は、残された現役4校の今後のあり方の方向性を出していかねばなりません。
 明正小も、新たな方向性が見いだせるかもしれません。

残り現役4校の今後
城東小:東京駅前にふさわしい特色のある学校となるよう、まちづくりと連携した整備を検討
泰明小、常磐小:東京都選定歴史的建造物 免震対策も含めた現校舎の保存・活用について調査研究を進める
阪本小:将来的な改築などの検討
          「小学校改築計画策定調査報告書」(平成21年3月)

 
 明石小学校、中央小学校の現在に至るまでの状況を整理し、本当に取り壊さねばならなかったのか、やれる手立てはなかったのか、改めて振り返りたいと思います。
 青色で、問題点を明示致します。

 
明石小学校、中央小学校の改築を巡る動き
Ⅰ 改築問題の顕在化

平成18年(2006年)
2月『中央区学校教育検討会 報告書』

平成19年(2007年)
3月学校施設整備基本調査818万1千円計上 (決算額792万円) 
問題点:学校施設整備基本調査資料を議会に提出拒否

平成20年(2008年)
2月 『基本計画2008』に三校改築を盛り込む
3月 小学校施設整備計画の策定394万3千円計上(決算額325万8685円)
3月 『教育の中央区学校づくり検討会 報告書(答申)』
12月 改築対象校中央、明石、明正の三校を選び、区民文教委員会に報告

平成21年(2009年)
3月予算特別委員会 改築計画に関連して質疑
問題点:3月策定『小学校改築計画策定調査報告書』予算審議に提出されず

3月~10月 改築準備協議会(明石5回、中央4回)
問題点:改築協議会が開かれた会議であったとはいえない。(開催日を一般には非通知)議事録等報告の不完全なホームページ上の掲載

4月 『小学校改築計画策定調査報告書』(中央区教育委員会)を区民文教委員会に報告
問題点:『小学校改築計画策定調査報告書』が過去の報告書の趣旨を逸脱したまま引用、生徒数推計の過大評価、建築学専門家を入れずに作成

10月 決算特別委員会で「復興小学校の改築問題」を質疑
11月10日 「中央小・明石小改築基本計画(案)」を区民文教委員会に報告
11月12日 改築問題を考える勉強会開催 講師 川西崇行氏
11月18日 朝日小学生新聞 一面特集「壊される復興小学校」
11月25日 東京新聞 特集記事掲載「復興小学校なくなるの?」
11月第4回定例会 一般質問「情操を育む学び舎・明石小・中央小・明正小の改築問題を問う」        補正予算 仮校舎設置のためのプール先行解体工事経費2千153万4千円計上

Ⅱ 市民団体、日本建築学会 保存要望
平成22年(2010年)
1月14日 市民団体が明石小保存の署名と要望書を区に提出
2月3日 日本建築学会が区内に残る復興小学校保存を要望
問題点:遅くとも、この段階で、中央区は、中央区文化財保護審議会に諮問すべき(それ以降も、復興小学校の文化財的価値に関しての諮問はなされなかったが。)

2月7日 明石小プール解体始まる
5月20日 同学会佐藤滋会長が明石小学校視察
7月1日「学校改築における総合評価方式」の新設(建設工事)

Ⅲ 日本建築学会 重要文化財相当見解
7月 9日 日本建築学会が「国重要文化財相当」との見解を示す
  14日 区が同学会に「計画は変更しない」と回答
  21日 同学会が「本会の保存要望書に対する回答に対する見解」の提出
  31日 明石小仮校舎が完成
8月 5日 有識者242人が保存の要望
   9日 日本建築家協会関東甲信越支部から校舎の建築的・文化的価値の継承を求める主旨の要望

Ⅳ それでも、明石小学校 解体へ  
  10日 明石小 校舎の解体始まる
  16日 同学会が「本会提出の『中央区に現存する復興小学校7校舎の保存要望書』に関する中央区議会区民文教委員会の議事内容に対する本会の見解」の提出
問題点:日本建築学会が中央区行政の対応に抗議

  23日 同学会から提出された平成22年8月16日付見解への回答
   同日 「明石小学校をはじめとする復興小学校の改築問題について」を公表
  25日 小野中央区文化財保護審議会会長から明石小学校の視察の申し入れ
  26日 改築問題に関する記者会見の開催
  28日 同審議会委員による明石小学校視察
9月 1日 中央区文化財保護審議会委員7名から「明石小学校をはじめとする復興小学校の保存・活用に関する要望書」の提出
問題点:中央区文化財保護審議会からの異例の要望書提出

   7日 区民文教委員会「復興小学校の改築問題について」報告

Ⅴ 中央小学校も解体へ
10月 区議会第三回定例会において『中央小学校・幼稚園改築計画の抜本的見直しを求める請願』提出、区民文教委員会付託

11月 区民文教委員会で請願主旨説明と討論の後採決で不採択
問題点:区民文教委員会で請願趣旨説明当日の採決

12月  区議会第四回定例会において請願の採決で不採択(4名退席)
 18日土曜日 中央小 本格解体へ 

問題点:解体において復興小学校の老朽具合の今後に生かす科学的データ解析を行ったか?

以上、
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本日19時~講演会『地域のなかの小学校と災害復興-復興小学校と京都・番組小学校の比較からー』

2010-12-20 15:41:09 | 教育
 以下は、本日講演会の講師高野 宏康氏(国立歴史民俗博物館)のレジュメです。

 今後の歴史的建造物の保存・活用のあり方を一緒に考えて行きたいと思います。


 お時間のございます方、ぜひ、お立ち寄りください。
 有楽町線・大江戸線 月島駅すぐの月島区民館大会議室です。

       記

開催日時:平成22年12月20日月曜日
開場:18時30分
開会:19時00分

場所:月島区民館3F  大会議室
   (中央区月島2-8-11)
   有楽町線・大江戸線月島駅すぐです。
http://mappage.jp/S/S04.php?L=12&X=2.4397582200009&Y=0.62238395999932

講師:国立歴史民俗博物館 研究部 機関研究員
               高野 宏康 氏

会費:無料



 
*****レジュメ*****

地域のなかの小学校と災害復興
-復興小学校と京都・番組小学校の比較から-


はじめに
 ・復興小学校、番組小学校との出会い
震災復興期研究 →関東大震災復興データベース、災害文化の東西比較
・報告の視座:両者を「地域」と「災害復興」との関連から比較 歴史学の観点から


Ⅰ.復興小学校
・復興小学校とは
 
・関東大震災の被害と復興

・復興小学校の校舎と施設

・戦時下の復興小学校

 ・復興小学校の現在


Ⅱ.番組小学校
 ・番組小学校とは

 ・番組小学校の特徴

 ・番組小学校と災害復興

 ・番組小学校の現在


まとめ 
・復興小学校と京都番組小学校の特徴(共通点/相違点) 
・「保存」と「活用」を考えるために 地域と歴史

以上、
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