築地市場移転問題の真実を追究するため、法廷という公開の場で、丸二年議論してまいりました。
先月9月7日第12回コアサンプル訴訟におきましては、水産仲卸の山治雄氏(現、東卸組合理事長)と野末誠氏、一級建築士の水谷和子氏の三人が証言に立たれ、東京都の不正を陳述されました。(その要旨は、築地関連裁判原告団ホームページhttp://tsukiji-wo-mamoru.com/coresample.html でぜひともご確認ください。)
いま、豊洲移転候補地の汚染土壌のコアサンプルが廃棄されてしまっては、東京都による土壌汚染対策を含め、築地市場の豊洲移転政策の当否について、専門家による検証の道が完全に閉ざされてしまいます。汚染証拠隠滅を許してしまっては絶対にならないと考えております。まさに、コアサンプル廃棄の差し止めを求める訴訟提起の意義は、築地市場の豊洲への移転政策の可否そのものを問うところにあると私たちは考えています。
さて、いよいよ10月26日水曜日、最終口頭弁論を迎えることになりました。
最後の総括討論を行います。
築地市場を移転するために都行政は、「なにがなんでも」という手法行動を取ってきておりますが、そこには、多くのほころび・矛盾が見えてきているということです。
1)農林水産省関連
2009年9月24日朝、築地市場を視察した赤松農林水産大臣(当時)は、「安全が確認できなければ、これは前の石破大臣もそうですけれども、また、私自身が納得できなければ絶対にサインはしませんから」と述べられて、豊洲地区への移転について、 安全について納得できなければ認可しないという考えを示されました。
食の安心安全が守られていないものへの認可ができないということであり、その考え方は、今も続いています。
実際、農林水産省の『第9次中央卸売市場整備計画』では、築地市場に関して、『第8次』では、「廃止する」とされていた文言がなくなり、逆に「築地市場は中央拠点市場」に位置づけられました。
2)国土交通省関連
築地市場廃止が決められたわけではない(新しい『第9次中央卸売市場整備計画』で築地市場が「中央拠点市場」に位置づけられている。)ため、築地市場を分断する環状二号線建設工事の着工はできない状況にあります。
3)環境省関連
『改正土壌汚染対策法』には適合し得ない土壌汚染調査が東京都によりなされました。すなわち不透水層といわれる有楽町層の調査の不備(不透水層を確認する余堀が足りない)や調査ごとに有楽町層の存在位置がずれている点が指摘されています。
また、多くの専門家が、このたびの液状化に対する東京都の「液状化では、土壌は垂直方向のみ移動する」という考え方へ批判の声を上げています。
このままでは、土壌汚染地域の「指定」が解除されないで、開場を行うことになります。(「指定」の要件を満たしていないため、再調査がまず要求されるかもしれません。)ということは、安全性を確認できなければ、認可をおろさないという農水省の姿勢に反し、農水省からの新市場開設の「認可」はおろされないことになります。
もちろん、市場関係の6団体も「土壌汚染が処理されないところには行かない」主旨の見解がそれぞれ出されているところであり、「指定」解除は、移転推進派、移転容認派両者含めた最低限の守るべき一線であることは周知の事実であります。
そもそも、なぜ、日本最大規模の土壌汚染の場所に、そして以前からも同時に指摘されてきた液状化の場所、実際に3月11日の東日本大震災で108箇所も液状化が見られた場所に、生鮮食料品を扱う市場、震災時も食糧供給拠点であらねばならない市場を移転させねばならないのか?築地のブランド、食の安心安全、江戸開府後の日本橋魚河岸から数えれば約400年の食の伝統文化、築地・東京の街並みを犠牲にしてまで。
あくまで、築地市場の現在地での再整備を目指していくべきと考えます。
10月26日は、ちょうど築地市場は、休市日に当たっています。
どうか皆様、東京地方裁判所まで、足をお運びくださいますように、よろしくお願い申し上げます。
築地市場の食の伝統文化、世界のTsukijiブランドを、これからもどうか、ここ築地で守っていただけますように、一消費者としてよろしくお願い申し上げます。
コアサンプル訴訟
10月26日水曜日16時00分 東京地方裁判所610号法廷 最終口頭弁論(第13回
)
裁判報告会
10月26日水曜日17時00分 築地市場厚生会館
【今後の築地市場移転問題関連裁判】
*12月22日水曜日13時10分 東京地方裁判所610号法廷 判決(第14回)
*公金支出金返還訴訟
12月19日月曜日10時15分 東京地方裁判所522号法廷(第6回)
以上