テレビのニュースで、ちらっと見た時、このような憲法改正、本当によいのかと疑問に思っていました。
上下院が全く同じ権限を持つ現状から、差をつけるところまではよいとしても、イタリアの今回の改正案では、実質的に一院制を目指すものです。
政治で、最も大事なことは、「均衡の上でのバランス」だと思います。
上院が下院をきちんとチェックすること、野党が与党をきちんとチェックすること、政策の競い合いの中から、より良い政策が誕生すると考えます。
時間はかかるかも知れないけれど、民主主義のコストです。
バランスを欠いたところに、政治の傲慢が出て、おかしな法案がまかり通るようになります。
改憲の方向性が誤っていたから、国民投票で敗北したのではないかと感じます。
*********朝日新聞****************
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国民投票敗北、イタリア首相が辞意 「改憲反対」が優勢
2016年12月5日08時41分
イタリアで4日に行われた上院の権限を大幅縮小する憲法改正案への賛否を問う国民投票で、地元メディアが伝えた出口調査では、レンツィ政権が訴えた「賛成」が劣勢との結果が出た。開票はまだ途中だが、レンツィ首相は敗北の責任を認めて辞意を表明した。
投票は4日午後11時(同5日午前7時)に締め切られた。直後に複数のメディアが伝えた出口調査では、賛成が45%前後、反対が55%前後だった。
改革案は、上下院が全く同じ権限を持つ現状を改め、上院の定数を315人から100人に削減し、選挙ではなく地方議会の代表や首長などで上院を構成するなど、実質的な「一院制」に近づける内容。第1党に過半数を保証する選挙制度と合わせて政権を安定させ、改革を進める狙いがあるが、中央集権化が進むとの批判もあり、「五つ星運動」など野党は反対に回った。(ローマ=山尾有紀恵、青田秀樹)
*********朝日新聞****************
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イタリア、12月に国民投票を実施 憲法改正の是非問う
喜田尚
2016年9月27日10時27分
イタリア政府は26日、議会制度を事実上の一院制に変える憲法改正の是非を問う国民投票を12月4日に行うことを決めた。改正案は2年の審議の末、野党の反対を押し切って今年4月に議会を通過。レンツィ首相はかつて「国民投票で否決されれば辞任する」と発言しており、結果次第で政権の命運が左右される可能性がある。
改正案は上院の定員を今の315人から100人に減らして地方の代表者などで構成させ、議決権をほぼ下院に集中させる内容。1947年の憲法公布以来、上下院が全く同じ権限を持つ現在の二院制は、審議の長期化を招き、不安定な短命政権やイタリア独特の「決められない政治」の原因とされてきた。
国民投票は当初、10月にも実施されるとみられた。ずれ込んだ背景には、議会通過後に改正に反対する市民勢力「五つ星運動」が地方選挙で躍進し、6月の英国の国民投票では欧州連合(EU)離脱派が予想を覆して勝つなどの内外情勢があると指摘されている。(喜田尚)