なにしているの?
涼しくて気持ちいいのだもの / 散歩をしたいよ / アマガエルは / おうちの玄関をわらで隠し / ぴょんぴょん出かけてきた
おーい、こんちわと言うのに / 口を一文字にむすんで / 喉をグビッと小さく動かして / 眠たげに眼をぼやっとあけ /
邪魔するなといわんばかり / パクッと開けた口をまたむすぶ ・・・ここなら誰にもわからないと思ったのに … って??
稲刈りが終わった田んぼの脇の柵囲いに、よく見ると一匹のカエルがご覧の通りじっとしている。「秋の蝶」もあれば「秋の蛙(かわず)」の季語もあるようだ。暑い夏の日がすぎて、この心地よさは人もカエルも同じなのだろうか。それとも、ねぐらの頭の上の賑やかな秋の取入れで追い出されてきたか。帰るところはあるのだろうか。一人ぼっちかい?
牟礼慶子さんの詩を思いだした。
「…くらい土の中では / やがて来る華麗な祝祭のために / 数かぎりないものたちが生きているのです /・・・」(「見えない季節」)
どこが思案気な様子を漂わせて、秋には格好のポーズとなりそうだ。これから長い冬眠に入る蛙クン、なに考えているの?