京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

盆の夜空を飾る

2024年08月16日 | 日々の暮らしの中で

火を灯すには少しきつめだという北風が吹いているようだったが、今年もきれいに五山の送り火が焚かれた。

最近はもっぱらテレビでその様子を拝見している。動画にとってAUSの娘家族の元にも届けた。
昨日は「妙法」のうちの「妙」の火床を車からチラっと見て、暑いさなかに準備を進める地域の方々の努力を思った。

「大」文字は真西に向いてはいなくて、やや北西寄りに傾いて灯される。なので大文字が最も美しく、真正面に見えるのは足利義尚の墓所がある相国寺だという。
銀閣寺をたてた8代将軍足利義政が、25歳で亡くなった子の義尚の菩提を弔うために、相国寺の僧侶に頼んで作らせたのが送り火の始まりだった -という説があるそうな。
とすれば、「大」の送り火は義尚に見てもらうことを目的に灯されたと考えられる、と八木透氏が書かれていたことがあった。

浄土真宗では、お盆に先祖を迎え供養し送り出すといった習俗はないのだけれど、先祖を偲び、お仏壇に手を合わせ…、この先には、京都の盆の夜空を飾る風物詩。煙たなびく送り火を目にすれば、やっぱりしみじみする瞬間がある(小さな声で言っておこうかな)。


先祖のご恩に報いるためには、仏法を何より大切になさいませ…。

                    (小林良正さんの「ほほえみ地蔵」より)
コメント (4)
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