風は冷たいが、久しぶりの青空が嬉しい。

若い人が読んでいて、「よかった!」と言った。どうよかったのかな。読んでみることにした『あの日、小林書店で。』。
主人公は、出版社と書店の間をつなぐ「出版取次会社」の新人営業ウーマン・大森里香。
東京生まれの東京育ちが大阪支社に配属が決まり、戸惑う日々に小林書店の由美子さんと出会うことで成長していく物語といえようか。小説とノンフィクション(由美子さんのエピソード)を融合させた作品になっている。
店の前を誰も歩いてないような場所でも、商売は立地だけではないと思って頑張ってきた由美子さん。しかし、そうでないとわかっても移転するわけにはいかない。店の大きさ、売り上げの実績などで入荷する本や冊数には差別があり、個人商店の経営は難しい。
小さな町の本屋を続けるために、どうやって本を売るか、どう伝えたら欲しいと思ってもらえるか。お客さんの顔を思い浮かべながら行動してきた由美子さんの様々な挑戦は里香の心に届き、支えとなっていく。

本をほとんど読んでこなかった里香は、由美子さんに薦められて『百年文庫』(ポプラ社 全100巻)を読み始めていた。
読んだ本が圧倒的に少ない。そういう自分みたいな人には、誰が薦めてくれたらその本を読みたいと思うだろう。
お客さんからお客さんに薦めてもらう。お客さん100人に選者になってもらって、それぞれに1冊の推薦文を書いてもらおう。
里香が初めて立てた企画「百人文庫」は、書店でのフェアとして採用された。
どうやって100人を確保するか。店の売り上げにもつなげたい。準備は進んでいく。
私にはどちらの体験もないが、楽しそうなフェアがかつて実際にあったのを知った。
「ほんのまくらフェア」が紀伊国屋書店で、「帯Ⅰグランプリ」がさわや書店フェザン店で開催されている。
本の中身を隠したカバーに「書き出し=まくら」の一文を載せて、それだけを手掛かりに本を選んでもらう。同様に中身を隠し、本のタイトルもだが、帯のキャッチコピーだけを頼りに選んでもらう、という試みだった。
文庫本に挟まれていた栞には、こんな言葉が書かれていた。
「なすべきことをなす
という勇気と、人の声に私心なく
耳を傾けるという謙虚さがあったならば、
知恵はこんこんとわき出て
くるのである。」 (松下幸之助『大切なこと』)
自分は何を大切にして生きているのか。
泣いて笑ってを積み重ねる日々にも、考え続けて取り組めばきっと道は開けるだろうし、自分ならではの価値あるものを生み出していける。そんなことを考えさせてくれた一冊だった。


若い人が読んでいて、「よかった!」と言った。どうよかったのかな。読んでみることにした『あの日、小林書店で。』。
主人公は、出版社と書店の間をつなぐ「出版取次会社」の新人営業ウーマン・大森里香。
東京生まれの東京育ちが大阪支社に配属が決まり、戸惑う日々に小林書店の由美子さんと出会うことで成長していく物語といえようか。小説とノンフィクション(由美子さんのエピソード)を融合させた作品になっている。
店の前を誰も歩いてないような場所でも、商売は立地だけではないと思って頑張ってきた由美子さん。しかし、そうでないとわかっても移転するわけにはいかない。店の大きさ、売り上げの実績などで入荷する本や冊数には差別があり、個人商店の経営は難しい。
小さな町の本屋を続けるために、どうやって本を売るか、どう伝えたら欲しいと思ってもらえるか。お客さんの顔を思い浮かべながら行動してきた由美子さんの様々な挑戦は里香の心に届き、支えとなっていく。

本をほとんど読んでこなかった里香は、由美子さんに薦められて『百年文庫』(ポプラ社 全100巻)を読み始めていた。
読んだ本が圧倒的に少ない。そういう自分みたいな人には、誰が薦めてくれたらその本を読みたいと思うだろう。
お客さんからお客さんに薦めてもらう。お客さん100人に選者になってもらって、それぞれに1冊の推薦文を書いてもらおう。
里香が初めて立てた企画「百人文庫」は、書店でのフェアとして採用された。
どうやって100人を確保するか。店の売り上げにもつなげたい。準備は進んでいく。
私にはどちらの体験もないが、楽しそうなフェアがかつて実際にあったのを知った。
「ほんのまくらフェア」が紀伊国屋書店で、「帯Ⅰグランプリ」がさわや書店フェザン店で開催されている。
本の中身を隠したカバーに「書き出し=まくら」の一文を載せて、それだけを手掛かりに本を選んでもらう。同様に中身を隠し、本のタイトルもだが、帯のキャッチコピーだけを頼りに選んでもらう、という試みだった。
文庫本に挟まれていた栞には、こんな言葉が書かれていた。
「なすべきことをなす
という勇気と、人の声に私心なく
耳を傾けるという謙虚さがあったならば、
知恵はこんこんとわき出て
くるのである。」 (松下幸之助『大切なこと』)
自分は何を大切にして生きているのか。
泣いて笑ってを積み重ねる日々にも、考え続けて取り組めばきっと道は開けるだろうし、自分ならではの価値あるものを生み出していける。そんなことを考えさせてくれた一冊だった。

本屋大賞が人気ですが、これは書店の店員さんが選ぶのですよね
言うなればセミプロ、里香さん企画のこれは
お客さん、素人が選ぶのでしょう。
街の本屋さんが衰退する中で考えたアイディアですね。
活字大好き、本大好き、本屋さん大好きの私としては後押ししたい気持ちです。
松下幸之助さんは数々の言葉を残しておられます。
謙虚でいたいと思います。
難しいことではありますが。
風が冷たかったですが、梅にもまだ早いですが、散策する人はいますね。
外国人が多い気がしました。
そして烏丸今出川の北側、同志社大学のキャンパスです。
書店員さんよりもお客さん、でした。
100冊のお薦め本、ない本は取り寄せて店に収めるのです。
たくさんの買い上げがあったようですよ。
お客さんを巻き込んでのフェアやイベントってなかなかありませんよね。
小林書店を追ったドキュメント映画になったり、テレビ放映もなされたようです。
「聴く」には私心を捨てる。大事なポイントなのだと思います。
それが難しい。
由美子さんの明るく前向きな挑戦は人を巻き込んでアイディアも満載でした。
「よかった」の言葉がありましたが、若い人にオススメしたい気がします。