京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

『ブラック・ジャック』を

2019年08月30日 | こんな本も読んでみた

短い話が重なっている『ブラック・ジャック』(手塚治虫)をこのところ読んでいた。
“描かないことを読む”。
大胆な場面の展開、省かれる説明、少ないセリフ、すっぱりと切り捨てるような終わり方…。
短編小説であれエッセイであれ、文章とマンガとは表現の作法も約束?も異なるのだろうが、書き過ぎない・描き過ぎないということが、読者を余韻の中に引き込む力となる。
読後に働く想像力が、思いもかけない感情を湧き上がらせ、そう…、あらたな扉をも開く。角野栄子さんの言葉をなぞって、やはり「想像力は魔法」というところ。余韻がないのはつまらない。

意図的に仕組まれた「手塚節」。ちょっと味わってみたくて、つまみ食いだが…。


コメント (2)
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