Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ラジャスタン横断 18 風の宮殿

2011-03-15 15:24:20 | インド
12月26日 続き

午後はジャイプールの市内観光と決めていたが、昨日の大渋滞にはうんざりしたので徒歩で行くことにする。

まずは旧市街に入る前に腹ごしらえ。
  
門の前にあるちょっとこぎれいなレストランに入ったらここが大当たり。
右の豆のカレーもおいしかったが、左の Kadai Gosht というマトンカレーが辛さも程よくものすごくおいしい。
入り口では炭火でチキンやナンを焼いていたし、階下のエアコンなしの食堂は大入りだったし、ここはどうやら正解だったようだ。
それにしてもカレーって絵にならんな。

  
旧市街への門をくぐると、あれ、今日は渋滞していない。
 昨日はこの道が車やバスやリクシャでギチギチだったのに、とちょっと拍子抜け。

 
でもこの町独特のオレンジピンクの商店街を歩くのは楽しくて
 
雑穀屋さんがあったり
  
お菓子屋さんがあったり
  
露天で壷や野菜を売っていたり。

2キロほど歩いてこの町で一番有名な「風の宮殿」に到着。
 
この美しい窓だらけの宮殿は1799年に時のマハラジャ、サワイ・プラテープ・シングが宮廷の女性達が外が見られるようにと建てた物。
だからなのか、実際に来て見るとこの有名なファサードは狭い道幅の道路脇に突然そびえていて、前面に広場などがないのでちょっとびっくりする。

入り口はこのファサードの裏側。
  
切符を買って中に入ると中庭があるが、建物のこちら側は表とは違って白っぽい。

 そして階段を上がって中に入れば、この建物がほとんど窓のためだけの薄っぺたい構造であることがよくわかって面白い。

部屋の中も空っぽだが
  
カラフルなステンドグラスが女の子っぽくてかわいらしい。

 上から見下ろすジャイプールの町は「ピンクシティ」というよりやっぱりオレンジ色かな。 

 周りを囲む山の上にはいくつも砦が建っている。

 夜になればライトアップされる風の宮殿。

やはり印象的な建物ではある。


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ラジャスタン横断 17 サンガネール

2011-03-10 01:01:41 | インド
12月26日

ラジャスタン、特にジャイプール周辺は伝統工芸が盛ん。
というわけでジャイプールから16キロ、ブロックプリントで有名なサンガネールへ車を出してもらった。

 ジャイプールからの道路上に広がるのは何の変哲もない郊外の町。
行けばそこらじゅうにブロックプリントの工房があるのかと思っていたらそういうわけではないらしい。
「これからどこに行けばいいんですか」って、運転手のあんたがどこか知っていると思っていたのに。

仕方ないので適当な横道に入ってもらうと
   
なるほどここには軒並み版木を彫る工房が続いていた。

  
きれいな包み紙のようなものから下絵を書き写していたり、木を彫ったり、すべて素朴な手作業。
  
我々の顔を見るとすぐに出してきた象やラクダはお土産に売れるのだろう。

版木工房の間に一軒だけ小さなプリント工房があった。
  
大きなテーブルの上に広げた布にブロックをペッタン、ペッタン。かなりの速さでリズミカルに押していくが、ちゃんと唐草模様がつながるのが見事。

もっとこんな工房が見たいが周りには見当たらない。
運転手がそこいらへんを歩いている人に聞いてなんとか工場のありかを見つけた。
しかし入ってみるとそこはシルクスクリーンプリントの工場。
「ブロックプリントが見たいんだけど」と言うと工場のおじさん、「私のお茶が終わるまで待ってなさい」

でバイクで先導してもらって住宅地の中にあるもう一つの工場へ。
  
小さな学校のような建物だが、半地下から3階まで大きな部屋にずらりとテーブルが並び、布がかけられている。
  
  
が作業工程は小さな工房とまったく変わらず。木製のブロックをペッタン、ペッタン。
唐草だろうが直線だろうが、ろくに確認している風でもないのにちゃんと模様が連続してしまうところがすごい。

この単純な作業を飽きもせずに眺めていたら「ボスから電話だ」と工場のおじさんに携帯を渡された。わざわざ日本人が工場を見に来たのでビジネスだと思ったらしい。
すいません、私達は単なる観光客なんです。

とは言えペタペタしているプリントはかわいいし、ちょっと布を買って帰りたい。
しかしここは工場そのもの、お土産に出来るような布など売っていない。
おそらくツアーで来ればお土産を買えるような工房に連れて行ってくれるのだろうに、とこんなところで不自由な思いをする。

工場を出て表通りに戻ってもちょっとした布が買えるような店は見当たらない。
代わりに紙工房の看板が出ていたのでそこへ行ってみる。

行ってみるとそこは結構大きな工場。申し込むとすぐに工場見学をさせてくれるが
 
ここではぼろ布を裁断、粉砕してそれを手漉き紙にしている。
  
できあがった紙は色とりどりで華やかだが
  
これを手作業で袋や箱にしているのには驚いた。
おじさんたちがずらっと並んで、紙に糊を塗るだけの人、紙を折るだけの人。まるで小学校の工作みたい。
 こちらの女性達は袋に紐をつける作業中。
確かにオール・ハンドメイドではある。

工場見学の最後にここには売店がある。
 
ここでやっときれいな包装紙が買えたけれど、布が買えずに欲求不満のサンガネールであった。


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ラジャスタン横断 16 Alsisar Haveli

2011-03-07 15:57:13 | インド
ジャイプールの宿は旧市街の城壁から道一本隔てた外にある Alsisar Haveli

  
入り口の門は立派だが門前の道路沿いにはバイクの修理屋などが並び殺風景。あらら、こんなところ、と思いながら門をくぐる。

 入った先にある玄関もずいぶん控えめで、これまでに泊まってきたお城とはだいぶ趣が違う。

  
がここにはフロントロビーがあるだけ。落ち着いたインテリアのロビーからその先の中庭に出ると
 よかった、立派なお屋敷がある。

  
マハラジャ一族のお屋敷らしい豪華な応接間の脇には見事な螺鈿細工が施された扉が。
この奥も客室になっているが、我々は階段を上って最上階へ。
 広々とした屋上の周りに並ぶ部屋の1室があてがわれた。

屋上にあるということは召使部屋かな、なんて思ったが
  
シンプルながらも部屋は広く、柱つきベッドのカバーもかわいらしい。
 きれいなタイル張りのバスルームにはバスタブも付いてこれなら満足。

一夜目の夕食は疲れていたのでこのホテルのダイニングルームへ。
  
外から見ても中に入ってもとてもきれいな大食堂。
ここもディナーはビュッフェのみだが、ビュッフェとしてはここの食事が一番おいしかった。

 夜のお屋敷の外見もロマンチック。

ただ一夜目は外から大音量の音楽が一晩中聞こえてきてうるさかった。
土曜だったからか、クリスマスだったからか。でもどう聞いてもインド風の音楽だったし。
二晩目は静かだったが、あれは何だったのだろう。


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ラジャスタン横断 15 アンベール城

2011-02-28 15:17:20 | インド
12月25日

ジョドプールからジャイプールへは317キロ。
ジャイサルメール-ジョドプール間と大差ないので同じように昼過ぎには到着するかと思っていたらこれが大間違い。
この幹線道路上はインド軍の輸送トラックだらけで、延々と連なるトラックの一群をやっと追い抜いたと思ったらまた別の隊列がいる、の繰り返しでげんなり。

やっとジャイプールの町に到着したのが3時過ぎ。
運転手はホテルに直行したがるがそうはいかない。
まだ陽があるのでアンベール城へ行ってくれ、と頼む。

ところがこの道がまた大変。
アンベール城へはジャイプールの旧市街を抜けるしか道がないようなのだが、旧市街は車やらバスやらオートリキシャやらで大渋滞。西の門から入って北の門を抜けるまで、歩いた方が絶対に早い程度でしか動けない。いやはや、ジャイプールがこんなに大変なところだとは。

やっとアンベール城が見えてきた頃には陽もだいぶ傾いてしまった。
 が夕日に黄色く照らされた城は壮大で、下から丘を登り門へと続く通路はちょっとラサのポタラ宮を思い出させる。

ツアーなどでこの城に来ればこの正面の通路を象に乗って上がるのだろうが、夕方に到着した我々は裏門の駐車場まで車で上がってしまう。

  
門を入った中庭には観光客がいっぱい。さすがインドでも有数の観光地。

  
2つ目の門をくぐると正面にあるのは一般謁見の間。見晴らしが良さそうな所に建っているが、残念ながら綱が張られて中に入ることは出来ない。

その横にあるのが華やかなガネーシャ門。
  
インド人の皆さんも家族全員で記念写真を撮るのが大好きなので、ここは一段と混雑している。

これをくぐった中庭には幾何学的な庭園があり、その左手にあるのがこの城内で最も有名な勝利の間。
 
  
別名「鏡の間」の名前どおり、壁も天井もイスラム風の装飾にミラーワークが使われていて美しい。

庭園の反対側にあるのは歓喜の間。
  
こちらは壁の中に水を循環させるクーラー装置があったそうで、そのためか水がめの装飾が涼しげだ。

  
こんな透かし彫りも見事だが、しかしこのアンベール城、1727年には王様がジャイプールへ遷都してしまったため、このように華やかな装飾はそれほど多く残っていない。

一番奥の中庭など特に地味。
 
  
こちらはプライベートなエリアか、あるいは使用人たちの居住エリアだったのだろうか、壁面の絵もずいぶん素朴だ。

城の上から外を眺めると城下の池にはここにも幾何学的な庭園があり、
  
周りを囲む山には万里の長城のような防壁が続き、見張り台があちらこちらに見える。

アンベール城のまわりの山頂には他にも城砦がいくつも見えて、ここは今まで見たどの城よりも実戦のにおいがする。
ここは城内よりも外観と立地を楽しむところかもしれない。

 城を出ると有名な象さんタクシー達はねぐらに帰るところ。

 市内へ戻る途中にあるジャル・マハルはライトアップされてきれい。

それにしても今日は疲れた。


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ラジャスタン横断 14 Fort Chanwa Luni

2011-02-25 20:07:25 | インド
ジョドプールでの宿泊先は町から30キロ離れたルニ村にある Fort Chanwa Luni

幹線をはずれ、農村地帯をしばらく行くと小さな村に入る。


この小さな村の真ん中に立派な門があり
  
門番の歓迎を受ける。

 
中庭に入ると正面に大きな石造りの建物。
初日に泊まった Castle Manadawa のような威容はないが、ここも要塞兼宮殿としてジョドプールのマハラジャの臣下の一人が1894年に建てたもの。
一度廃墟になっていたものを、現在の所有者であるマハラジャが1992年にホテルとしてリノベーションしたのだそうだ。

チェックインして我々が通されたのはこちらの建物。
  
ホテルとして新しく増築された部分のようだが、気持ちのいい中庭がある。
  
部屋もシンプルだが広くて、なんと言ってもアップリケのベッドカバーがかわいい。

一息入れたら早速要塞内の探検へ。

オリジナルの建物は入り口をくぐると中庭になっていて、正面にはすてきなテラスのある棟が。
  
この中を覗かせてもらうと
  
フィガロあたりのおしゃれ雑誌に載せたいようなインテリア。
  
壁の絵や置いてあるアンティークも凝っていて、ラジャスタン気分満点。
この棟には左右に2部屋しかないそうだが、その客室も凝っていそう。泊まれるものならそんな部屋に泊まってみたかった。

 客室棟の正面はいかにも要塞っぽい見張り台。
  
ここにもきれいな壁画があり、脇に隠れた階段を上って上に登れば
 村が一望でき、遠くからは列車の汽笛も聞こえてくる。

塔の上にいる我々を目ざとく見つけた村人たちは「写真を撮れ、撮れ」と催促するけれど
  
観光客なんて毎日来るだろうに。

さて、この日はクリスマスイブということで
 中庭には椅子を並べてイベントの準備中。

「イベントは8時からです」というので正しい日本人である我々が8時ちょっと過ぎに中庭に出てみれば、予想したこととは言え他の客はまだ誰も出てこない。
おかげで売店で散在する羽目になってしまって、ぽつぽつと客が揃いだしたのは30分以上も経ってからだろうか。

  
きれいにライトアップされた正面建物を眺めながら飲み物をいただいていると、ケバブ類のおつまみが次々にやってくる。

そして中央のステージには楽隊と踊り子さんが2人。
  
花瓶やら火のついた壷やら、頭の上に何か乗せた踊りが多い。
くるくるとがんばって踊ってくれるが、酒の飲めない身に外は寒い。

踊りは続いているが、ドイツ人の大きな団体が移動したのを潮時に食堂へ移動。 
   
細長くて天井の高い食堂。面白いテーブルセッティングをしてくれているが、ビュッフェはまったくクリスマスらしさのないメニュー。お味もあまりめりはりがなくてちょっと残念。

チェックアウトの時に「アンケートに答えてください」というので忌憚なくレストランの評価をしてあげたらマネージャーはなんだか憮然としていた。それじゃアンケートの意味がないだろう。

それにしてもインドのホテルはアンケートやゲストブックが好きだ。


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ラジャスタン横断 13 ジョドプール

2011-02-22 17:00:08 | インド
12月24日

ジャイサルメールからジョドプールへは285キロ。
砂漠の中の道を快調に飛ばして昼を回ったあたりで着いてしまった。

ジョドプールと言えばなんと言っても丘の上にそびえるメヘランガル城。
 
丘そのものが120メートル、その上に建つ城がまた巨大で実に堂々としている。

  
さすがにここまで来ると観光客も大勢。車でいっぱいの駐車場から次々に門をくぐって行くと頭上に城が聳え立つ。

  
  
16世紀から19世紀にかけて増築を繰り返された宮殿はまたも華麗な透かし彫りの嵐。

さらにこの城には華やかな内装がしっかり保存されているので内部も見ごたえがある。
   
金色の天井の大広間とか
  
鏡の間とか
  
細密画の美しいこの部屋は窓の隙間からのぞくことしか出来ないのがもどかしく
 ステンドグラスがかわいいこんな部屋もある。

  
マハラジャの輿のコレクションやら
 ゆりかごのコレクションまですごくて
ビカネールのマハラジャも金持ちそうだったけれど、ここはそれ以上だ。

そして城のテラスから町を見下ろせば
 なるほどブルーシティーが眼下に広がる。
この町の家がなぜ青に塗られているのかはどうもよくわからないが、色や形が統一された町はきれいだ。

城の見学を終え、次は庶民の町を見学、と城下のサルダル・マーケットへ。
  
車やら馬車やらで大混雑の交差点を渡り、立派な門をくぐると中央に時計台がそびえ、あたり一体はマーケット。
 メヘランガル城の勇姿もよく見える。

  
八百屋さんにはニンニクがてんこ盛り。
  
唐辛子や豆もてんこ盛り。
  
サリー屋さんの色の華やかなこと。砂漠の景色と浅黒い肌にはこんな色がよく映える。
  
バングルのお店もいっぱい、おしゃれなリボンテープのお店もあり。

と歩き回っていたらのどが渇いた。
 人気のありそうなラッシー屋があったのでメニューを見ると「ラジャスタン風アイスクリーム」というのがあるではないか。
これは試してみなければ、と早速注文。
 カルダモンとちょっぴりピスタチオの入ったアイスクリームは確か2、30円だったけれどクリーミーで侮れないおいしさ。
さすが人気店。みんなはジュースを飲んでいたけれど。
 
やっぱりマーケットはおもしろい!


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ラジャスタン横断 12 Shahi Palace Hotel/Star Haveli

2011-02-18 23:57:28 | インド
ジャイサルメールの宿はテラスから城砦が眺められるということで Shahi Palace Hotel を予約していた。

その宿へ向かうべく町に入ったとたん、交差点で隣にジープが近づき、「ホテルから迎えに来た。付いてきてくれ」とこちらの運転手に言うのでびっくり。
聞くとホテルの場所がわかりにくく、迷子になる運転手が多いので、そろそろ着くと言う電話を受けてから町の入り口で我々の車を待っていたのだと言う。
なにしろこちらの運転手は頼りないので、これには感謝。

案内されたホテルは名前はパレスだけれど16室の小さな宿。
  
昔のハヴェリを模しているが、この建物自体は新しい。
通された部屋は裏通りに面していて狭く、窓も小さくて圧迫感がある。しかし今回の旅程の中では一番安い部屋、ホテルも満室のようだし、我慢するしかないか。

一息入れたところでオーナーの若い兄ちゃんが町案内をしてくれたのは前述の通り
その途中で「新しく建てたばかりの姉妹ホテルがすぐ近くにあるんだけど、中を見たい?」と言うので見せてもらうと、表通りに面した広い部屋の窓からは正面に城砦が見える。
「ええ、こんないい部屋もあるんだ~」と友人と騒いでいると、「この部屋は予約済みだけれど、もう1軒の部屋ならなんとかなるかもしれない」と追加料金も取らずに部屋を換えてくれた。

新しく部屋をもらったのはこちらの Star Haveli

玄関先に山羊の親子がつながれたこちらの宿には6室しかなく、フロントにいる中学生ぐらいのスタッフは朝から晩まで掃除をしているかテレビを見ている。
  
しかし部屋は広くて清潔、お湯のシャワーもちゃんと出るし、出窓からは城砦がばっちり見える。

ただしこちらのホテルにはレストランがないので、食事は50メートルほど離れた Shahi Palace へ戻る。
  
例の城砦を一望する絶好のポジションにあるテラス。ヨーロッパ人の皆さんは外で食事をするのが好きなので夜でも布団に包まりながらベンチにいるが、根性のない我々は壁の中に避難する。なにしろ日が落ちた12月のジャイサルメールは10℃もないくらいなのだから。

ここで最初の晩にいただいたカレー2種。
 左の黄色いカレーは野菜団子入り、右はドライチキンという名前だったと思うがこれにも野菜がたっぷり使われていてどちらも美味。

これをすっかり気に入った我々は2晩目はオーナーが自ら作るところを見せると言うスペシャルマトンカレーを注文。

厨房に入り込んでスパイスを混ぜるところやら、チャパティを作るところやら見せてもらう。
   
結局作り方を教わってもスパイスが揃わないので日本では作りようがないのだけれど。
でもスタッフのやり取りを見ていたり、他の料理の作り方を見たり、キッチンの中は楽しい。

そして待つこと2時間ちょっと、よーく煮込まれたマトンカレーがようやく登場。
 ラジャスタンの田舎風だと言うカレーは本当にマトン以外に何も入っておらず、「辛くなければおいしくない」というので辛さも半端じゃないけれど、マトンが柔らかくて実においしい。本来は羊肉が苦手な友人も「まったく臭くない」と喜んで食べていたほど。

 カレーを煮込むオーナー兄弟

見ているとこの兄弟は実によく働く。観光案内はするわ、料理を自ら作るわ、その合間にはテラスでゴロゴロする宿泊客の相手をして、スタッフにも気を配る。
次々と3軒もホテルを建てるのも納得、この調子ならもっと大きくなるだろう。この居心地のいいフレンドリーさと気配りはなくさないでほしいけれど。

Shahi Palace は今回泊まり歩いた中で一番のお気に入りになった。


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ラジャスタン横断 11 さらにハヴェリ

2011-02-17 23:30:33 | インド
12月23日 続き

城砦の丘を下りて門の前に広がる旧市街の中を散策。

旧市街の道は複雑に入り組んでいて、ガイドブックの地図を見てもどこがどうなっているのかさっぱりわからない。

それでも目指すハヴェリはわりと簡単に見つけることができた。
  
まるで船のブリッジのように突き出た建物の最上部が遠くからでも目立つから。

1815年、時の大臣サリーム・シングによって建てられたハヴェリ。
 入り口の横で遊んでいるように見えたおじさんが管理人で、どうやらこの屋敷に今も住んでいるらしく、1階の入り口付近はごちゃごちゃとやけに生活感がある。

思いのほかせまい階段を上がって屋上に出るとあの印象的な最上部が目の前に。
  
  
正面に城砦を望むこの部屋は何のための部屋だったのか。
 ちょっとすぼまった部分の部屋にはミラーワークを多用した室内装飾が残っているが、状態はかなり悲惨で華やかなりし頃は想像するしかない。
 屋上から中庭を覗き込むとやはり生活している様子が垣間見えるが、200年前の住居に住むのってどんなだろう。

この大きなお屋敷を出て旧市街の道をでたらめに歩き回ると、お屋敷ならぬ普通の家でもきれいな装飾がいっぱい。
 
  
古い家ばかりではなく、新築の家にも同じような装飾をしているようで、だとすればこの町の職人はちゃんと技術を継承していると言うこと。
 
   
もう窓の一つ一つにうっとり。

  
そこいらじゅうの壁にガネーシャが描かれているのも象好きとしてはうれしく

  
雑然とした商店街には巨大サンダルなどもあって、ジャイサルメールでは迷子になるのも楽しい。


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ラジャスタン横断 10 ジャイサルメール城

2011-02-16 18:21:23 | インド
12月23日

朝、ホテルのテラスで城砦を眺めながら朝食。
 日が差すまでは寒いけれど清々しく爽快。

 目の前にそびえる城壁をぐるっと回って中に入ろうと思うが、なかなか入り口が現れない。

と、城壁にへばりつくように屋根のかかった市場があった。
  
カラカラに乾燥したこのあたりで作られたとは思えないカラフルな野菜の数々。
流通の発達はありがたい。

市場を出るとようやく城砦内への入り口が現れた。
 駐車場脇の坂を上ると
  
第一の門、第二の門といかにも敵を防ぐための準備万端といった堂々とした姿。

これをくぐると王宮広場
  
16世紀から19世紀まで、この地を支配したラージプートの王族によって次々に増築されたと言う宮殿は巨大だ。

 この宮殿への入り口は門を入ってすぐ横手にあるのだが、宮殿の威容に比べてとても小さく、表示も控えめなのではじめは見逃してしまった。

入ってすぐの小さな中庭で入場券を買い、料金に含まれた音声ガイドを借りて城内を巡る。この音声ガイド、日本語もあるのだがこれが実にちゃんとした作りでちょっとびっくり。これは借りる価値がある。

城内の階段を上れば繊細な彫刻を施された壁が目の前に。
  
  
いくら柔らかい砂岩とは言え、よくもこんな透かし彫りができるもの。
  

 
城内には歴代の王様の肖像画や石像の展示された部屋もあるが、室内装飾などはすべて取り払われて華やかな部屋はない。

その代わり窓の外に目を向けると
  
城下町が一望に。
 昨日訪れたパトウォンのハヴェリも全景がよく見える。

 こちらはジャイサルメール城砦の全景模型。
これを見たら音声ガイドを返却して宮殿の外に出る。

この丘の上の城砦内には宮殿の他にも民家がぎっしり建ち並んでいる。
 
1階は大抵土産物屋になっていて
 大勢の神様まで売られているが、大体のんびりしていてしつこい売込みなどないところがよろしい。

歩き回っていたら疲れてしまったので一息入れることにする。
混んでいるカフェを避け、奥まったところにある安ホテルのレストランに入ってみると
  
かわいらしい部屋のテラスからはすばらしい眺望。市外のガディサル湖まで見える。
 アツアツのパコラとラッシーもおいしくて、この気持ちのいい部屋で昼寝でもしたい気分。

ジャイサルメール城内の Hotel Surya はおすすめ。


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ラジャスタン横断 9 ジャイサルメールのハヴェリ

2011-02-14 02:55:06 | インド
12月22日 続き

ビカネールの町を出るとまわりの景色は一段と乾燥してくる。
  
散在する村には面白い形の草葺屋根の小屋が見え、トラックで運ばれる家畜も牛ならぬラクダだ。

途中で立ち寄ったレストランはジャイサルメールとジョドプールを結ぶ幹線上にあるため旅行者でいっぱいだったが
 サモサとパコラを一皿づつ、スープとラッシーを2杯づつで約2000円ってどれだけぼったくり?

やがて到着したジャイサルメールは黄色砂岩一色のゴールデン・シティ。
  
町のシンボルである城砦は思ったより低い丘の上にあったが、我々のホテルの屋上はベスト・ビューポイント。 

ここでお茶などいただきつつ一息入れたら、ホテルのオーナーが町の案内をしてくれると言う。
これはありがたい、と高城剛似の兄ちゃんについてほこりっぽく入り組んだジャイサルメールの町歩きに出る。

まず現れたのはナトマルのハヴェリ。
  
  
1885年に建てられたナトマル家の邸宅だが、2人の兄弟で建てたため、左右の装飾が微妙に違うんだそうだ。
この家は現在も家族が居住しているため、内部を見ることはできない。

ここからほど近い所にあるのがジャイサルメールでも最も有名なパトウォンのハヴェリ。
  
  
1805年、ジャイナ教徒のパトゥアー家が5人の息子のために建てた大邸宅だが、この壁一面にびっしり施された偏執的なまでの装飾はやはりジャイナ教の趣味だろうか。
これまでに見てきたハヴェリでも十分にすごいと思ったが、ここはさすがに圧巻。

公開されている内部に入るとこれまたすごい装飾。
  
このカラフルさは外壁の砂岩一色に比べるとちょっといけてないけど。
 こちらの部屋ならちょっとシック、かな。
  
たくさんの部屋はいくつもの中庭をはさみ、道路をまたいで建てられている所もある。
  
台所道具の並ぶ様も装飾のようにかわいらしい。
この家には一体どれだけの使用人がいたことか。

ホテルに戻る途中、路地裏のパニプリ屋でおやつタイム。
  
パニプリとは空洞の揚げ菓子の中に豆やらソースやらを入れるインドではとても人気のあるスナック。この店は特においしいらしいのだが、ソースに水を使っているからと気を使って、我々にはこちらをふるまってくれた。
 パニプリと同じ揚げ生地にヨーグルトとスパイスをかけたデイプリ。
「これは他にはちょっとなくて珍しいんだよ」とまわりのおじさんたちが言っていたが、ヨーグルトがさわやかでおいしかった。ごちそうさま。

 ホテルに戻って屋上にまた腰を落ち着けるとタール砂漠に日が沈んでいく。

  
やがて暗くなると城砦はライトアップされ、そこに月が昇ってきた。

明日はこの城砦を探検に行かねば。


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