ジャカルタにはこれまで5、6回来ているが、市内観光と言うのはしたことがない。
せっかく週末ここにいるので、博物館めぐりをすることにした。
まず向かったのは国立博物館。
すぐ隣にはジャカルタの観光と言えばこれ、と言われる独立記念塔、通称モナスが建っているが
公園がやたら広いし、今ではもう他のビルに埋もれてしまう程度の高さなのでこれはスキップ。
国立博物館の1868年築という旧館の前にはタイから贈られたという象がいて、旧館の隣には2007年築の立派な新館。
ただしこちらはなんだかスカスカの展示で、広い展示スペースを持て余している感じ。
旧館の方は部屋が奥へ奥へとつながっていて、間口から受ける印象よりずっと大きい。
土曜日だからか、館内には揃いのTシャツを着た小学生やら幼稚園児やらの団体がいっぱい。しかしインドネシアの子供たちは博物館の中で静かにするようにはしつけられておらず、黄色い声で騒ぎまくってやかましいことこの上ない。
展示の仕方は19世紀のままかと思うほど古臭いし、照明もあちらこちら切れているし、第一印象ははなはだ悪かったが、うるさいガキどもがいなくなってから落ち着いて展示物を見てみると、これがすこぶる面白い。
展示のメインはインドネシア各島の民族ごとの民芸品。なにしろ何千もの島があり、さまざまな民族が固有の文化を持っているのでとてもバラエティに富んでいるのだ。
おなじみ影絵芝居の楽器だけでもこんなにあるし
木の皮で作った服とか、鶏の脚のいっぱいついた呪術用の服とか。
お歯黒や刺青のための容器も凝っている。
中でもおもしろいのが各民族の先祖崇拝のための像。
本物の頭蓋骨を使っているのパプアの物。まさに「ご先祖様」ではある。
中庭とその周りにはまるで石屋のごとく無造作に石像が並べられているが、これがまたよく見ると8世紀ごろのボロブドゥールあたりからのお宝だったりして
美男が一杯
陶磁器コレクションの部屋が改装中でクローズされていたので2階に上がると、ここには財宝室がある。
金の王冠やら装身具、ビンロウジュを割るためのはさみまで金製だったりするが
一番のお宝はこちらの美女じゃないだろうか。
妙なところにチケット売り場があって、その気になればいくらでもタダで入れてしまうゆるゆるの博物館だけれど、予想以上に見ごたえのあったコレクションに満足して、テクテクと次の博物館に向かう。
しかし雨季のジャカルタは気温も湿度も高くてすぐに汗だく。熱中症になっては大変なので
途中の Tomodachi Cafe で一休み。
さらに排気ガスが充満する中、でこぼこで目が離せず、屋台やらバイクやらに占領された歩道を歩いてタナ・アバン市場へ。
市場と言ってもここは衣料品専門。巨大なビル3つの中に卸も小売りもしているらしい店が無数に入り、さらにビルの外にまで屋台が広がっている。熱気もすごくて、現在のインドネシアの活気を感じる。
この市場を通り抜け、鉄道の線路を渡ったところが目的地、テキスタイル博物館。
19世紀初頭にフランス人が建てたと言う建物はかわいらしく、中は広々とした展示場になっている。
おそらくテーマごとに展示替えがあり、この日展示されていたものはバティックながら古いものではなかったと思うが、残念ながらすべてインドネシア語の解説だけなのでさっぱりわからず。
同じ敷地内にあるこちらはバティック・ギャラリー。
20世紀初頭から現代のものまで、各地域のバティックが展示されていて、飛行機や軍艦の柄の物は1910年製。
それにしてもインドネシアの人は本当にバティックが好きと見えて、デパートの1フロアは必ずバティック専門だし、街中でも男女を問わずたくさん着ている。
この施設内ではバティックの体験コースなども受けられるようで、ここは展示よりもそういうコースを受ける方が楽しいかもしれない。
お昼もだいぶ過ぎたのでそろそろ食事にしようと来た道を戻ってサリナ・デパートへ。
脇の道をちょっと行くとパダン料理の有名店、Garuda Restaurant を発見。
シンガポールで入ったことのあるこの店、お皿がずらりと並ぶ本国式を一度体験してみたかったので一人だけれど入って見よう。
隣のテーブルのお兄さんも一人なので安心して待っていると、ずらりと並べられた13皿。
しかし他のテーブルには並べられる魚などの皿は来なくて、どうもあまり食べられそうにないのではしょられているらしい。
と言ってももちろんこの13皿でさえすべて手を付けるわけにもいかず、
ゆでた青菜、豆腐の青菜包みカレー、ビーフ・レンダン、グリーン・チリ・チキンを食べてみたがどれもおいしい。スパイシーなものも味のバランスが良くて、決して辛いだけではないのだ。
もう一つ竹の子のカレーのように見えたのは多分ジャックフルーツのカレー。フルーツとして食べるジャックフルーツは匂いと食感に癖があって好きではないが、カレーにする若い実はちょっとお肉のような食感で癖もなくいける。
と調子に乗って5皿も食べ、フルーツジュースも頼んだらお会計が1200円ほどになってしまった。一皿が大体200円以上、ここは高級レストランだったのね。でもおいしかったので満足。
ホテルまでの帰りはまっすぐなので専用バスレーンを走るトランスジャカルタに乗って見る。
窓口で3,500ルピア(約35円)の切符を買い、駅員に渡すと半券をもぎり、カードを改札にかざして通してくれる。本来なら乗客がカードを買って自動で改札を通ればいいと思うのだが、ここに駅員がいるところがインドネシア風か。
車内には電光掲示板があり、ここに次の停車駅が表示されそうなものだがなぜかずっと Welcome のまま。冷房が効いていることを示す温度表示が誇らしげで、駅名は赤いシャツの車掌さんが叫んでくれる。
ジャカルタにもだいぶ慣れてきた。
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せっかく週末ここにいるので、博物館めぐりをすることにした。
まず向かったのは国立博物館。
すぐ隣にはジャカルタの観光と言えばこれ、と言われる独立記念塔、通称モナスが建っているが
公園がやたら広いし、今ではもう他のビルに埋もれてしまう程度の高さなのでこれはスキップ。
国立博物館の1868年築という旧館の前にはタイから贈られたという象がいて、旧館の隣には2007年築の立派な新館。
ただしこちらはなんだかスカスカの展示で、広い展示スペースを持て余している感じ。
旧館の方は部屋が奥へ奥へとつながっていて、間口から受ける印象よりずっと大きい。
土曜日だからか、館内には揃いのTシャツを着た小学生やら幼稚園児やらの団体がいっぱい。しかしインドネシアの子供たちは博物館の中で静かにするようにはしつけられておらず、黄色い声で騒ぎまくってやかましいことこの上ない。
展示の仕方は19世紀のままかと思うほど古臭いし、照明もあちらこちら切れているし、第一印象ははなはだ悪かったが、うるさいガキどもがいなくなってから落ち着いて展示物を見てみると、これがすこぶる面白い。
展示のメインはインドネシア各島の民族ごとの民芸品。なにしろ何千もの島があり、さまざまな民族が固有の文化を持っているのでとてもバラエティに富んでいるのだ。
おなじみ影絵芝居の楽器だけでもこんなにあるし
木の皮で作った服とか、鶏の脚のいっぱいついた呪術用の服とか。
お歯黒や刺青のための容器も凝っている。
中でもおもしろいのが各民族の先祖崇拝のための像。
本物の頭蓋骨を使っているのパプアの物。まさに「ご先祖様」ではある。
中庭とその周りにはまるで石屋のごとく無造作に石像が並べられているが、これがまたよく見ると8世紀ごろのボロブドゥールあたりからのお宝だったりして
美男が一杯
陶磁器コレクションの部屋が改装中でクローズされていたので2階に上がると、ここには財宝室がある。
金の王冠やら装身具、ビンロウジュを割るためのはさみまで金製だったりするが
一番のお宝はこちらの美女じゃないだろうか。
妙なところにチケット売り場があって、その気になればいくらでもタダで入れてしまうゆるゆるの博物館だけれど、予想以上に見ごたえのあったコレクションに満足して、テクテクと次の博物館に向かう。
しかし雨季のジャカルタは気温も湿度も高くてすぐに汗だく。熱中症になっては大変なので
途中の Tomodachi Cafe で一休み。
さらに排気ガスが充満する中、でこぼこで目が離せず、屋台やらバイクやらに占領された歩道を歩いてタナ・アバン市場へ。
市場と言ってもここは衣料品専門。巨大なビル3つの中に卸も小売りもしているらしい店が無数に入り、さらにビルの外にまで屋台が広がっている。熱気もすごくて、現在のインドネシアの活気を感じる。
この市場を通り抜け、鉄道の線路を渡ったところが目的地、テキスタイル博物館。
19世紀初頭にフランス人が建てたと言う建物はかわいらしく、中は広々とした展示場になっている。
おそらくテーマごとに展示替えがあり、この日展示されていたものはバティックながら古いものではなかったと思うが、残念ながらすべてインドネシア語の解説だけなのでさっぱりわからず。
同じ敷地内にあるこちらはバティック・ギャラリー。
20世紀初頭から現代のものまで、各地域のバティックが展示されていて、飛行機や軍艦の柄の物は1910年製。
それにしてもインドネシアの人は本当にバティックが好きと見えて、デパートの1フロアは必ずバティック専門だし、街中でも男女を問わずたくさん着ている。
この施設内ではバティックの体験コースなども受けられるようで、ここは展示よりもそういうコースを受ける方が楽しいかもしれない。
お昼もだいぶ過ぎたのでそろそろ食事にしようと来た道を戻ってサリナ・デパートへ。
脇の道をちょっと行くとパダン料理の有名店、Garuda Restaurant を発見。
シンガポールで入ったことのあるこの店、お皿がずらりと並ぶ本国式を一度体験してみたかったので一人だけれど入って見よう。
隣のテーブルのお兄さんも一人なので安心して待っていると、ずらりと並べられた13皿。
しかし他のテーブルには並べられる魚などの皿は来なくて、どうもあまり食べられそうにないのではしょられているらしい。
と言ってももちろんこの13皿でさえすべて手を付けるわけにもいかず、
ゆでた青菜、豆腐の青菜包みカレー、ビーフ・レンダン、グリーン・チリ・チキンを食べてみたがどれもおいしい。スパイシーなものも味のバランスが良くて、決して辛いだけではないのだ。
もう一つ竹の子のカレーのように見えたのは多分ジャックフルーツのカレー。フルーツとして食べるジャックフルーツは匂いと食感に癖があって好きではないが、カレーにする若い実はちょっとお肉のような食感で癖もなくいける。
と調子に乗って5皿も食べ、フルーツジュースも頼んだらお会計が1200円ほどになってしまった。一皿が大体200円以上、ここは高級レストランだったのね。でもおいしかったので満足。
ホテルまでの帰りはまっすぐなので専用バスレーンを走るトランスジャカルタに乗って見る。
窓口で3,500ルピア(約35円)の切符を買い、駅員に渡すと半券をもぎり、カードを改札にかざして通してくれる。本来なら乗客がカードを買って自動で改札を通ればいいと思うのだが、ここに駅員がいるところがインドネシア風か。
車内には電光掲示板があり、ここに次の停車駅が表示されそうなものだがなぜかずっと Welcome のまま。冷房が効いていることを示す温度表示が誇らしげで、駅名は赤いシャツの車掌さんが叫んでくれる。
ジャカルタにもだいぶ慣れてきた。
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