Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

野沢で湯治 2 村のホテル・住吉屋

2013-11-13 21:06:20 | 国内旅行
雪の中到着した野沢温泉。

宿からバス停まで迎えに来てくれることになっていたが、バスが20分も早く到着してしまったので誰もいない。
大した距離でもないので自力で行くことにした。

 バス停から麻釜への坂道を上がって5分ほど。
 はじめ2泊する宿は 「村のホテル 住吉屋」

玄関で名前を告げると、とても恐縮されてしまったがすぐに部屋に案内してくださる。
部屋は3階の「白樺」。
 今回は最近の自分にしては結構いいお値段の宿なので、扉など普請がごく普通でちょっと拍子抜けする。
 
お部屋は入ってすぐに2畳の次の間、その奥に8畳間。調度などやはりごく普通だが、暖房とこたつが入って暖かい。
  
窓の外にはきれいに紅葉したもみじ。その下から盛大に湯気が上がっているのは自家源泉を空気で覚ます装置とか。卓上にはその源泉が飲めるように用意されているが、飲むと硫黄のにおいが強くて決しておいしくはない。

では早速温泉へ。
 1階に2つあるお風呂は毎日夕食時に男女が入れ替わる。
  
こちらは大きい方のお風呂の脱衣所。シンプルだが必要なものは揃い、バスタオルは部屋に一つだが、小さなタオルは使い放題。
  
こちらの湯船は10人ほどが入れる楕円形。床も浴槽内も小さなタイルが敷かれ、縁だけが木製でとても端正な感じがする。
お湯は無色透明だが硫黄の香りのするナトリウム・カルシウム硫化塩泉。やや熱めの43℃ほどだろうか、肌の表面がつるつるして気持ちがいい。
 
こちらのお風呂には小さな露天風呂もついているが、外気が低いためかちょっとぬるすぎ。
 ついでにもう片方のお風呂はちょっと小さい四角形。
こちらもとても品のいいお風呂。

すっかり暖まったところで夕食の時間になり、別室の用意だからと係りの方がわざわざ部屋まで迎えに来てくださる。
 食事は2階の個室。
こちらの宿、部屋の半分は食事用にしているようで、こういうところが贅沢。

初日の晩はスタンダード・コース。
 テーブルにセットされていたのは前菜とクルミ豆腐、郷土料理のいもなますと塩煮いも。近所のお母さんが作るといういもなますは思いのほか甘い味付けでちょっとびっくり。前菜の揚げたごぼうがすごくおいしい。
 次に来たのは信州サーモンの昆布締めとなめこ安平の上品な吸い物。
 朴葉の上で焼く和牛が来て
 ころ柿まんじゅうは菊花と春菊がさわやか。
 舞茸の天ぷらはパーフェクトな揚げ具合で
 しめじご飯も味付けが絶妙。上にかかった海苔の香りまで素晴らしい。
 最後のデザートも手作りの洋ナシゼリー。
全体に贅沢な材料は使っていないし手の込みすぎたこともしていないが、素材を吟味し一品一品丁寧に作られていることが感じられるとても満足度の高い食事。

 翌日の朝食も奇をてらわない内容だが、やはりいもがらの煮物とごぼうの丸煮という郷土料理がつく。

2日目の夕食はちょっと軽めの方がよかろうと一汁三菜コースをお願いした。
 前菜は柿のすり流しやわさびチーズカナッペでおしゃれ。
 本日の郷土料理はカレー芋ときくらげの山家煮で、特にきくらげが好み。
 焼き立ての岩魚が運ばれてきて
 さらにきのこや豚肉がたっぷりの蕎麦すき
 ちっとも軽めの食事ではなく、満腹で最後の舞茸ごはんは食べられなかったけれど
 デザートは赤大根のシャーベットと聞いては食べないわけにいかない。
ちょっと甘い大根おろしを凍らせたようで、口の中がさっぱりする。

 翌日の朝食は豆腐や卵も姿が変わり、こういう気遣いにも感心。

というわけで食事に大満足した住吉屋さんだが、それ以上に感動したのは宿の方たちの対応。
すべての従業員が気持ちよく親切で、チェックアウトの時など次に泊まるのが近所の別の宿とわかるとこちらが外湯めぐりをしている間に荷物を運んでくださった。
その間バスタオルと長靴、傘も貸してくださり、「仲間の宿だから」と返却に来る必要もないとおっしゃる。
郷土料理に興味を示すとレシピのコピーもくださるし、本当に気持ちよく滞在できた。

今回は一人泊だったので、一泊目は19000円、2泊目は17000円。
設備を考えるとちょっと高目にも思えるが、この宿は余計なところには贅沢せず、その代り大切なところには手を抜かない主義なのだと一本筋が通っている感じがする。

温泉雑誌などで人気の理由がよくわかる、納得の宿だった。


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コメント (2)
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