今回のボローニャ行き、トルコ航空あらためターキッシュ・エアラインズを使ってみた。
イスタンブールからボローニャに直接入れて朝の到着、その上運賃が一番安いので選んだのだが、最近の好評通り、この選択は大正解。
出発は成田から夜の22時30分、の予定が20分も早まって22時10分発。
イスタンブールまでは12時間半のフライト。
出発前にまず配られるのが
トルコ名物、ロクム。
へたなものに当たると歯に付くばかりでおいしくないお菓子だが、さすがにこれはナッツがいっぱい入っておいしい。紙の容器もかわいく、ウェルカム・スイーツはうれしいサービス。
飛び立つとメニューとアメニティーの配布。日本や欧米のエアラインでは廃止されたこのサービスが中東系(トルコはヨーロッパのつもりらしいが)ではいまだ健在。
ペンケースにちょうどいいポーチの中身はアイマスクに耳栓、歯ブラシに靴下と普通だが、リップクリームが入っているのはポイント高し。
日付の変わる頃に一回目の機内食。
ペンネはこれからイタリアに行くので避けて魚を選択。
肉厚のタラの味付けが良く、添えられたご飯のサフラン風味がトルコらしい。
サラダにはオリーブオイルとレモンのドレッシングがついて、これがあっさりと大好評。デザートのプロフィトロールもおいしくて、家で夕食を食べて来たのにまた食べちゃう。
食事の後はなかなか寝つけないので映画を見る。
ラインナップはエミレーツやカタールにはかなわないものの、日系よりはずっと豊富。
そんななかから、一本目の選択は
「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」 Grace of Monaco
ニコール・キッドマンがどんな風にグレース・ケリーを演じるかという興味で見たが、どうもニコールは最初からそっくりさん演技をしようとはしていないようだ。
確かにオーストラリアのイモ姉ちゃんから努力してのし上がったニコール、アメリカ人とは言え上流のお嬢さんだったグレースとはちがうのでこれはこれで正解かも。しかしそれならアメリカ人で王妃らしからぬとバカにされていたのを必死に勉強し、いかにグレースが王妃として演技したかにもっと焦点を絞ればもっと面白い映画になっただろう。
そういう場面もあるにはあるのだが、フランスとの併合問題をからめてクライマックスとされている演説場面などもうひとつ盛り上がらない。あんなもんで冷徹なドゴールが感心するか、と説得力がないのだ。
全編出ずっぱりのニコールの王妃ファッションと、疑惑の皺なし額をアップで確認する映画。
といささか不完全燃焼で、2本目は韓国映画を選んでみた。
The Fatal Encounter 逆鱗
日本語タイトルは「王の涙 イ・サンの決断」として12月に公開されるらしい、ヒョンビン演じる正祖の暗殺未遂事件を描いた映画。
イ・サンはなにしろテレビドラマを見ていたので予習ばっちり、李氏朝鮮史を知らないとわかりにくい背景もおかげで問題なし。血みどろのクライマックスはいささかえぐいが、精悍な韓国人男優たちのアクションがかっこいい。
テレビドラマではけなげなソンヨンを演じていた同じ女優が、いじめる側だった貞純王后を悪役として演じているのもおもしろい。
韓国の俳優さんたちは演技がうまい。
そうこうしているうちに2回目のお食事。
朝食に選択肢はなくオムレツだが、チーズがかかってボリューム満点。
イスタンブールで4時間の乗り継ぎ後はボローニャまで2時間のフライト。
普通ならサンドイッチ程度のところ、トルコ航空はちゃんと温かい食事を出す。
朝食なのでまた卵料理だが、ほうれん草入りのトルコ風パイ、ボレキがおいしい。
そして特筆すべきはレモネード。メニューに「ホームメイド」とある通り手作り風、ちょっと甘いがミントの風味が効いて、これはうまい!
このレモネード、成田からのメニューにもあったが頼んでみると売り切れ。日本語の上手なかわいいスッチーさんによるとトルコからしか積み込まず、すぐ無くなってしまうので成田発では飲めないのだそうだ。
イスタンブール発のトルコ航空では絶対のおすすめ!
そして帰路、ボローニャ発は18時40分でまた2時間の旅に暖かいお食事。
メニューには「ビーフ・ハンバーガー」とあったが、これはトルコのキョフテ。ボリュームがあり、添えられたトマトソースはフレッシュ、豆の煮込みもとてもおいしい。
成田行きの出発は午前1時近くなので、この機内食が出てきたのは午前3時近く。
このチキンはさすがに食べられなくて、デザートのライスプディングだけおいしくいただく。
イタリア疲れで数時間眠った後、1本だけ選んだ映画がまた食べ物系(笑)。
Chef
確か最近のフランス映画にも同じタイトルのものがあったと思うが、こちらはジョン・ファブロー監督・主演のアメリカ映画。ジョン・ファブローは「アイアンマン」の監督として有名らしいが、アメコミ物は苦手なので見ていない。これはインディー映画らしいが、友情出演なのか、ダスティン・ホフマン、ロバート・ダウニーJr、スカーレット・ヨハンソンなどがほんの脇役で出てきてなかなか豪華。
お話はファブロー扮するフレンチのシェフが評論家とツイッター上でけんかしてレストラン・オーナーから首にされ、何をしているのか金持ちらしい元妻とその元旦那の企業家の出資を受けてキッチンカーでキューバ・サンドイッチの屋台を始め、キューバ系の元同僚と、SNSを使いこなす10歳の息子に助けられて大成功、評論家と仲直りして新しいレストランの共同オーナーとなると言う他愛のないもの。
なによりもプロの料理人がやはりプロの評論家とけんかするなんてありえないし、フレンチのシェフが工夫もなくキューバ・サンドイッチを売って客が群がるなんて、どちらの料理もバカにしているとしか思えない。
その肝心のキューバ・サンドも「なぜそこまでカロリー増やす?」という代物で、イタリアで飽食した後で見る物ではなかった。
映画の中でのツイッターの扱いはおもしろいが、いささかスマホの宣伝くさくもあり、よかったのは元妻の父親のキューバ音楽ぐらい。日本公開はないだろう。
こんなスナックもいただきつつ
日本到着前の夕食はまたチキン。
しかしこちらはアラブ風のスパイスが効いた香りでご飯が進む。
中身は往路と同じながら、復路には缶入りのアメニティーもいただいて、トルコ航空の旅は無事終了。
最近乗った飛行機の中ではエコノミーの食事としては一番おいしかったトルコ航空。
飛行時間から言ってもヨーロッパで乗り継ぎが必要ならいい選択肢だと思う。
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イスタンブールからボローニャに直接入れて朝の到着、その上運賃が一番安いので選んだのだが、最近の好評通り、この選択は大正解。
出発は成田から夜の22時30分、の予定が20分も早まって22時10分発。
イスタンブールまでは12時間半のフライト。
出発前にまず配られるのが
トルコ名物、ロクム。
へたなものに当たると歯に付くばかりでおいしくないお菓子だが、さすがにこれはナッツがいっぱい入っておいしい。紙の容器もかわいく、ウェルカム・スイーツはうれしいサービス。
飛び立つとメニューとアメニティーの配布。日本や欧米のエアラインでは廃止されたこのサービスが中東系(トルコはヨーロッパのつもりらしいが)ではいまだ健在。
ペンケースにちょうどいいポーチの中身はアイマスクに耳栓、歯ブラシに靴下と普通だが、リップクリームが入っているのはポイント高し。
日付の変わる頃に一回目の機内食。
ペンネはこれからイタリアに行くので避けて魚を選択。
肉厚のタラの味付けが良く、添えられたご飯のサフラン風味がトルコらしい。
サラダにはオリーブオイルとレモンのドレッシングがついて、これがあっさりと大好評。デザートのプロフィトロールもおいしくて、家で夕食を食べて来たのにまた食べちゃう。
食事の後はなかなか寝つけないので映画を見る。
ラインナップはエミレーツやカタールにはかなわないものの、日系よりはずっと豊富。
そんななかから、一本目の選択は
「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」 Grace of Monaco
ニコール・キッドマンがどんな風にグレース・ケリーを演じるかという興味で見たが、どうもニコールは最初からそっくりさん演技をしようとはしていないようだ。
確かにオーストラリアのイモ姉ちゃんから努力してのし上がったニコール、アメリカ人とは言え上流のお嬢さんだったグレースとはちがうのでこれはこれで正解かも。しかしそれならアメリカ人で王妃らしからぬとバカにされていたのを必死に勉強し、いかにグレースが王妃として演技したかにもっと焦点を絞ればもっと面白い映画になっただろう。
そういう場面もあるにはあるのだが、フランスとの併合問題をからめてクライマックスとされている演説場面などもうひとつ盛り上がらない。あんなもんで冷徹なドゴールが感心するか、と説得力がないのだ。
全編出ずっぱりのニコールの王妃ファッションと、疑惑の皺なし額をアップで確認する映画。
といささか不完全燃焼で、2本目は韓国映画を選んでみた。
The Fatal Encounter 逆鱗
日本語タイトルは「王の涙 イ・サンの決断」として12月に公開されるらしい、ヒョンビン演じる正祖の暗殺未遂事件を描いた映画。
イ・サンはなにしろテレビドラマを見ていたので予習ばっちり、李氏朝鮮史を知らないとわかりにくい背景もおかげで問題なし。血みどろのクライマックスはいささかえぐいが、精悍な韓国人男優たちのアクションがかっこいい。
テレビドラマではけなげなソンヨンを演じていた同じ女優が、いじめる側だった貞純王后を悪役として演じているのもおもしろい。
韓国の俳優さんたちは演技がうまい。
そうこうしているうちに2回目のお食事。
朝食に選択肢はなくオムレツだが、チーズがかかってボリューム満点。
イスタンブールで4時間の乗り継ぎ後はボローニャまで2時間のフライト。
普通ならサンドイッチ程度のところ、トルコ航空はちゃんと温かい食事を出す。
朝食なのでまた卵料理だが、ほうれん草入りのトルコ風パイ、ボレキがおいしい。
そして特筆すべきはレモネード。メニューに「ホームメイド」とある通り手作り風、ちょっと甘いがミントの風味が効いて、これはうまい!
このレモネード、成田からのメニューにもあったが頼んでみると売り切れ。日本語の上手なかわいいスッチーさんによるとトルコからしか積み込まず、すぐ無くなってしまうので成田発では飲めないのだそうだ。
イスタンブール発のトルコ航空では絶対のおすすめ!
そして帰路、ボローニャ発は18時40分でまた2時間の旅に暖かいお食事。
メニューには「ビーフ・ハンバーガー」とあったが、これはトルコのキョフテ。ボリュームがあり、添えられたトマトソースはフレッシュ、豆の煮込みもとてもおいしい。
成田行きの出発は午前1時近くなので、この機内食が出てきたのは午前3時近く。
このチキンはさすがに食べられなくて、デザートのライスプディングだけおいしくいただく。
イタリア疲れで数時間眠った後、1本だけ選んだ映画がまた食べ物系(笑)。
Chef
確か最近のフランス映画にも同じタイトルのものがあったと思うが、こちらはジョン・ファブロー監督・主演のアメリカ映画。ジョン・ファブローは「アイアンマン」の監督として有名らしいが、アメコミ物は苦手なので見ていない。これはインディー映画らしいが、友情出演なのか、ダスティン・ホフマン、ロバート・ダウニーJr、スカーレット・ヨハンソンなどがほんの脇役で出てきてなかなか豪華。
お話はファブロー扮するフレンチのシェフが評論家とツイッター上でけんかしてレストラン・オーナーから首にされ、何をしているのか金持ちらしい元妻とその元旦那の企業家の出資を受けてキッチンカーでキューバ・サンドイッチの屋台を始め、キューバ系の元同僚と、SNSを使いこなす10歳の息子に助けられて大成功、評論家と仲直りして新しいレストランの共同オーナーとなると言う他愛のないもの。
なによりもプロの料理人がやはりプロの評論家とけんかするなんてありえないし、フレンチのシェフが工夫もなくキューバ・サンドイッチを売って客が群がるなんて、どちらの料理もバカにしているとしか思えない。
その肝心のキューバ・サンドも「なぜそこまでカロリー増やす?」という代物で、イタリアで飽食した後で見る物ではなかった。
映画の中でのツイッターの扱いはおもしろいが、いささかスマホの宣伝くさくもあり、よかったのは元妻の父親のキューバ音楽ぐらい。日本公開はないだろう。
こんなスナックもいただきつつ
日本到着前の夕食はまたチキン。
しかしこちらはアラブ風のスパイスが効いた香りでご飯が進む。
中身は往路と同じながら、復路には缶入りのアメニティーもいただいて、トルコ航空の旅は無事終了。
最近乗った飛行機の中ではエコノミーの食事としては一番おいしかったトルコ航空。
飛行時間から言ってもヨーロッパで乗り継ぎが必要ならいい選択肢だと思う。
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