10月30日 続き
バルサミコ工場の次には、ほど遠からぬところにあるランブルスコ・ワインの工場へ。
ここは2006年にできたと言う近代的な大型工場。
昔は農家ごとに作られていたワインも、今は集約されてこのような大型工場に変わりつつあるのだそうだ。
もうブドウの収穫は終わってしまったので設備を見るだけだが、各農家から運ばれたブドウはこの機械で砕かれ
ジュースにされてタンクの中へ。
ずらりと並んだこの密閉タンクの中で発酵して、自然の微発泡ワインになるそうな。
工場の表にはもちろんワインの直売所があって
なんとタンクからの量り売りもある。こちらのワインだと1リットルで200円程度、へたするとガソリンより安い。
瓶に入っているものでも300円ちょっとなので、ガイドさんのお義父さんなど毎年新酒が出ると1年分300本をまとめ買いするのだとか。
ワインの中でもアルコール度数の低いランブルスコは「イタリアのコーク」と呼ばれているそうだが、それを言うならファンタ・グレープだろう。
ここで我々ももちろん試飲。
3本まで好きなものを試せるとのことなので、白、赤、ロゼをチョイス。
ちなみに開けてくれたのはちょっと男前な本日のドライバー氏。
お味はすっきりとフレッシュだが、昨晩の宿で飲んだものの方がおいしかったかも(とは所詮、下戸の感想)。
栓を開けたものは持ち帰りOKなので、酒好きの同行者たちが嬉々として宿に運んだ。
ワイン工場の後はパルマ郊外のコロルノという村まで小一時間のドライブ。
パルマと言えば生ハム(プロシュート)が有名だが、豚の足先から太ももまでを使う普通の生ハムに対して、お尻と腿裏だけを使う生ハムをクラテッロと言い、パルマの郊外、ポー川流域の8村で作られているものだけが「ジベッロのクラテッロ」という最高級ブランドになる。
コロルノはその8村の一つなのだ。
静かな郊外の住宅地という感じの一角で車を停めると、眼の前にあるのはいい雰囲気のレストラン。
看板には「1780」の文字も見える老舗だが、レストランで出すクラテッロを自家製造していたところ、それがおいしいと有名になったのだそうだ。
ということで早速レストランの裏にある貯蔵庫へ。
小さな扉をくぐって半地下に下りて行くと
壁、天井からびっしりと生ハムがつり下がっていて壮観!そして部屋中にはむせるほどのカビのにおい。
貯蔵庫には予想に反して窓があり、外から光と風が入る。
このポー川流域には霧が出て湿気が多く、塩漬けして豚の膀胱に入れた肉にはカビがつく。これがクラテッロに独特の風味を与えるということらしい。
製造から1年経ったところで、パルミジャーノ同様、検査が入る。馬の骨でできた串を差して香りを確かめ、木づちで叩いて中に虫食いなどのないことを確認、合格して初めて Curatello di Zibello のタグが付けられる。
この蔵の中には他にもサラミや、太ももの表側を使った丸太型のフィオッコがぶら下がっている。
おいしそ~、ということで表のレストランへ。
中に入ってみると真っ白なクロスのテーブルが並び、ビジネス接待と思われるグループもいる高級な店。
しかしここではこれを食べねば、ということで
(皿上、右から)クラテッロの16ヶ月、26ヶ月、38ヶ月もの3点盛り。これで2人前、32ユーロは安すぎる~。
で食べ比べてみると、熟成の長いものはうまみが凝縮して香りが強いが、若い方は肉の甘みが感じられる。
若い方がいい、いや、年が行って渋い方がいい、って何の話やら。とにかく切りたてはおいしくて、ここまで来た甲斐があった。
さらになるべく日本では食べられないものを、ということで
この店のスペシャリテだと言う Tortel d'ols というパスタを頼んでみると、レシピまで付いてきた。
中には梨のジャムのようなものが入っていて甘いが、上にはトマトソースとチーズがかかっているのであくまで食事。確かにここでしか食べられない。
さらにカエルのリゾットに野菜のグリル。
この店でおいしいのは生ハムだけではない。
ハロウィーンが近いと言うことでコーヒーにはこんな小菓子がついて、この昼食には大満足。
食事に2時間近くもかかったので、店を出たのは午後3時。
ボローニャまで高速を飛ばしていると不思議な建物が出現する。
これが駅なのだが、何駅なのかは聞きそびれてしまった。
(追記:同行者よりレッジョ・エミリア駅とのご教示あり。)
しかしまわりには何もないところにぽつんとある駅、デザインが斬新すぎてエレベーターに救護用のストレッチャーが入らず、作り直す羽目になったとはガイドさんの話。「いかにもイタリアらしい」とイタリア人のご主人が言ったとか。
名物食材の生産現場を見ることができるこのツアー、味はもちろんだがそれ以上に現場でしかわからないにおいまで満喫できてとても楽しかった。
お世話になったガイドさんとはモデナの町でお別れして、ボローニャの宿には5時に到着した。
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バルサミコ工場の次には、ほど遠からぬところにあるランブルスコ・ワインの工場へ。
ここは2006年にできたと言う近代的な大型工場。
昔は農家ごとに作られていたワインも、今は集約されてこのような大型工場に変わりつつあるのだそうだ。
もうブドウの収穫は終わってしまったので設備を見るだけだが、各農家から運ばれたブドウはこの機械で砕かれ
ジュースにされてタンクの中へ。
ずらりと並んだこの密閉タンクの中で発酵して、自然の微発泡ワインになるそうな。
工場の表にはもちろんワインの直売所があって
なんとタンクからの量り売りもある。こちらのワインだと1リットルで200円程度、へたするとガソリンより安い。
瓶に入っているものでも300円ちょっとなので、ガイドさんのお義父さんなど毎年新酒が出ると1年分300本をまとめ買いするのだとか。
ワインの中でもアルコール度数の低いランブルスコは「イタリアのコーク」と呼ばれているそうだが、それを言うならファンタ・グレープだろう。
ここで我々ももちろん試飲。
3本まで好きなものを試せるとのことなので、白、赤、ロゼをチョイス。
ちなみに開けてくれたのはちょっと男前な本日のドライバー氏。
お味はすっきりとフレッシュだが、昨晩の宿で飲んだものの方がおいしかったかも(とは所詮、下戸の感想)。
栓を開けたものは持ち帰りOKなので、酒好きの同行者たちが嬉々として宿に運んだ。
ワイン工場の後はパルマ郊外のコロルノという村まで小一時間のドライブ。
パルマと言えば生ハム(プロシュート)が有名だが、豚の足先から太ももまでを使う普通の生ハムに対して、お尻と腿裏だけを使う生ハムをクラテッロと言い、パルマの郊外、ポー川流域の8村で作られているものだけが「ジベッロのクラテッロ」という最高級ブランドになる。
コロルノはその8村の一つなのだ。
静かな郊外の住宅地という感じの一角で車を停めると、眼の前にあるのはいい雰囲気のレストラン。
看板には「1780」の文字も見える老舗だが、レストランで出すクラテッロを自家製造していたところ、それがおいしいと有名になったのだそうだ。
ということで早速レストランの裏にある貯蔵庫へ。
小さな扉をくぐって半地下に下りて行くと
壁、天井からびっしりと生ハムがつり下がっていて壮観!そして部屋中にはむせるほどのカビのにおい。
貯蔵庫には予想に反して窓があり、外から光と風が入る。
このポー川流域には霧が出て湿気が多く、塩漬けして豚の膀胱に入れた肉にはカビがつく。これがクラテッロに独特の風味を与えるということらしい。
製造から1年経ったところで、パルミジャーノ同様、検査が入る。馬の骨でできた串を差して香りを確かめ、木づちで叩いて中に虫食いなどのないことを確認、合格して初めて Curatello di Zibello のタグが付けられる。
この蔵の中には他にもサラミや、太ももの表側を使った丸太型のフィオッコがぶら下がっている。
おいしそ~、ということで表のレストランへ。
中に入ってみると真っ白なクロスのテーブルが並び、ビジネス接待と思われるグループもいる高級な店。
しかしここではこれを食べねば、ということで
(皿上、右から)クラテッロの16ヶ月、26ヶ月、38ヶ月もの3点盛り。これで2人前、32ユーロは安すぎる~。
で食べ比べてみると、熟成の長いものはうまみが凝縮して香りが強いが、若い方は肉の甘みが感じられる。
若い方がいい、いや、年が行って渋い方がいい、って何の話やら。とにかく切りたてはおいしくて、ここまで来た甲斐があった。
さらになるべく日本では食べられないものを、ということで
この店のスペシャリテだと言う Tortel d'ols というパスタを頼んでみると、レシピまで付いてきた。
中には梨のジャムのようなものが入っていて甘いが、上にはトマトソースとチーズがかかっているのであくまで食事。確かにここでしか食べられない。
さらにカエルのリゾットに野菜のグリル。
この店でおいしいのは生ハムだけではない。
ハロウィーンが近いと言うことでコーヒーにはこんな小菓子がついて、この昼食には大満足。
食事に2時間近くもかかったので、店を出たのは午後3時。
ボローニャまで高速を飛ばしていると不思議な建物が出現する。
これが駅なのだが、何駅なのかは聞きそびれてしまった。
(追記:同行者よりレッジョ・エミリア駅とのご教示あり。)
しかしまわりには何もないところにぽつんとある駅、デザインが斬新すぎてエレベーターに救護用のストレッチャーが入らず、作り直す羽目になったとはガイドさんの話。「いかにもイタリアらしい」とイタリア人のご主人が言ったとか。
名物食材の生産現場を見ることができるこのツアー、味はもちろんだがそれ以上に現場でしかわからないにおいまで満喫できてとても楽しかった。
お世話になったガイドさんとはモデナの町でお別れして、ボローニャの宿には5時に到着した。
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