Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

プーリアの旅 2 オリーブ、ブドウ、そしてチーズ

2018-10-29 19:39:38 | ヨーロッパ
10月14日

プーリア実質初日の朝。
 この時期、あたりが明るくなるのは7時を過ぎてから。
日曜日のためか、明るくなっても広場に人影はほとんど見えない。

今朝はゆっくり、9時にケイコさんが迎えに来てくださって、徒歩5分のご自宅へ。

お宅はご両親との2世帯住宅。
 玄関にはご先祖の胸像や写真、古い馬具などが飾られて一家がこの町に長く住まわれていることがわかり
 
明るくリフォームされた2階のお部屋にお邪魔すると、このルティリアーノと言う町の特産品という土笛や、畑から出土したと言うローマ時代の土器などが飾られている。

こちらに本日ご用意いただいた朝食は
 なんと、正統派和食。
ひじきや切干大根の煮物なんて、自分でだって作らないのに、と感動。

この日本旅館のような朝食をいただいたら、ご主人とお義父さんの車に分乗して一家所有の畑へ。

本日のハイライトはこちらのオリーブ畑の収穫体験。
 
ということで、オリーブの木の周りには網が敷かれ、軍手と潮干狩りに使うような熊手も用意されている。

見ると枝には小さな黒い実がいっぱい。
こちらに植えられているのは樹齢100年ほどのオイルを取るための実の小さな品種だそうで、熟した実はちょっとつぶすとすぐに油が染み出てくる。
 
この枝を熊手でしごくと実がボロボロと足元に落ちて、これがなんとも気持ち良くて楽しい!
 
高い枝の実は長い柄の棒で落とし、一本の木が済んだら網を寄せて実を集め
 
葉っぱや枝を取り除いたら籠の中へ。

この日は作業1時間でこの籠1杯、10㎏ほどで搾油すれば3~4リットルになるだろうとのこと。
しかし共同の搾油所はこの日まだ稼働しておらず、今年は実が早く熟しているので収穫が遅くなりすぎると心配しているらしい。
本来はまだ青い実を絞ったぴりっとしたオイルが好みだそうだが、自家所有の畑とは言え現在はお勤めをしている一家、1年分のオイルに十分の量の実を収穫したらあとほとんどの木はほったらかしにしてしまうのだとか。
本格的な収穫は大変だそうだが、このオリーブ採りは楽しくて、来年の収穫作業にはまた馳せ参じたいほど。

オリーブの収穫を一通り体験したら、次は隣のブドウ畑へ。
 こちらも一家所有のブドウで、どれだけ広いんだというほど、ネットを掛けたブドウ棚が延々。

イタリアでブドウと言えば大抵はワインになるが、このルティリアーノは食用ブドウが特産だそうで、
 
棚の下には文字通りたわわに実ったブドウがびっしり。
 
しかも一房の大きいこと。4種類ほど栽培しているブドウを次々につまみ食いさせていただいたが、完熟のブドウはどれも甘くて、中でもきれいな緑のはウヴァ・イタリアと言って一番人気の品種、マスカットのような風味があってとてもおいしい。
 籠いっぱいに摘んでお持ち帰り。

 さらにこれは畑の脇に生えているサボテン。この実も食べられると言うことで
 
とげが刺さらないようにプラスチック・カップをかぶせてひねれば簡単に採れる。これも楽しい。

戦利品をゲットしたら、再びケイコさんのお宅へ。
  
今度はテラスでお昼をいただくのだが、大きな食用オリーブや豚首肉の生ハムなどの前菜と登場したのがこの近くのアルタムーラと言う町で作られているパン。
以前ボローニャやフィレンツェに来た時にはイタリアのパンは塩気がなく、パサパサでおいしくないと思ったものだが、これは皮はガッツリと歯ごたえがあり、黄金色の中はしっとりと弾力があってすごくおいしい。
その横の輪になったものはタラッリという、これもプーリア独特の物。グリッシーニの変形かと思ったが、思ったより堅くなく、パサパサもしていなくてグリッシーニよりずっとおいしい。

そして登場したのがお待ちかねのフレッシュ・チーズ!
 そもそもコッコロ・マダムとプーリアに来ようと思った第一の理由が作りたてフレッシュ・チーズを食べるためだったのだ。

お皿に乗っているうち、まず最初にいただいたのは真ん中をひもで縛ってひょうたん型になったスカモルツァ・フレスカ。モッツァレラを少し乾燥させたものだそうで、塩気はほとんどなく、ミルク感はたっぷりだが正直ちょっと物足りない。

次はその手前、まるでお豆腐のようなプリモ・サーレ。これは食べても塩気のある木綿豆腐のようで、生姜醤油でもおいしいんじゃないかと思うほど。自分はこれが気に入ってお代わりまでいただいた。

真ん中の円筒はおなじみのリコッタ。ではあるが、これが衝撃的。
今までリコッタはカッテージチーズのように淡白でつまらないチーズだと思っていたのだが、これは牛乳の甘みと香りが広がってうまーい!

そして最後はブッラータ・チーズを一人一個。
 割れば中から生クリームが流れ出て、これが食べたくてここまで来たのだ。

この後さらに瓶に入ったリコッタ・フォルテと言うものを出してもらったが、これはリコッタを発酵させたものだそうで、ほんの少量でも塩気が強くて匂いも強烈。沖縄の豆腐ようにそっくりで、酒飲みにはたまらないんじゃないだろうか。

と、フレッシュ・チーズを次々にいただいてもうかなりお腹いっぱいだが、
 
次はプリモで、パスタの原料、硬質小麦をゆでたもの。お店にも売っていたが、これがムチムチとした食感でムール貝とトマトのスープを吸って大変に結構。日本で言えばそば米のようなものだろうか。

 デザートには手造りのプリンまで用意され
 畑で採って来たサボテンの実はご主人がナイフとフォークで上手に皮を剥いてくださる。
中はぼけたパパイヤのような味、たくさん入った種も堅くて、これは食べるより採る方が面白い。

それにしてもケイコさんはいつこんなに料理を用意してくださったやら。
満腹を抱えて、ひとまず宿に戻って休憩となった。


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コメント (11)
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