「今回は短かったですね」と皮肉まじりか仕事先に言われてしまったウィーンから、自分的には弾丸で無事帰国。
往復に使ったのは今年13社目のアエロフロート。
成田からの出発便、最終目的地がローマになっていてちょっとびっくり。
しかしほぼ満席のA330を埋めたお客さんの内、半分近くは日本人、その最終目的地はドイツやチェコが多かった様子。
2-4-2の座席配列は友人と二人連れには都合よく、コントローラーが横に付いたモニター画面が小さいのが残念だが座席間ピッチは普通。
昔は取りあいになると言われた毛布も暖かいのがちゃんと一人一枚づつあって、ペラペラでもスリッパまで付いているのは最近のエコノミーでは珍しい。
その間に挟まっていたアイマスクの片面は「起こさないでね」、もう片面は「ご飯食べます」になっているのはアイデア賞もの。
離陸してすぐに飲み物のサービスがあったが、残念ながらおつまみはなし。
続く機内食は「ビーフかシーフード」と言うので無難そうなビーフを選択。
薄切り牛肉はやや堅いが味付けはよく、脇のかっぱ巻きやサラダも悪くない。
さて、約10時間の飛行時間、昼行便なのでいつもの通り映画を物色。
選択肢はかなり多いのだが、新作映画は少なくて見たいものもほとんどない。
そこで最近お気に入りの韓国人俳優、ユ・アイン君出演のこちらをまずは見ることに。
Burning バーニング
原作は村上春樹の短編「納屋を焼く」だそうだが、人気のこの作家を実は一作も読んだことはない。
なんとなく合わなそうと思ってこれまで敬遠していたのだが、この映画が原作に忠実だとしたらやっぱり合いそうにない。
虚無的な若い男たちに不思議ちゃんの女の子、思わせぶりなセリフのわりに中身はたいしてなさそうで、ストーリーもひねりがなくて、ラストも2時間半がまんしてこれかい、という感じ。
演技達者なユ・アインをこんな使い方したのではもったいない。
1本目ははずしたが、こちらは軽そうなので2本目もまた韓国映画。
The Princess and the Matchmaker ときめきプリンセス婚活記
朝鮮王朝時代、続く干ばつを止めるには陰陽のバランスを取るために行き遅れの王女を結婚させなければならない、と凄腕の占い師に婿の選択が託されるお話。
その王女役は「怪しい彼女」の女の子で、王女なのに婿候補が気になって町に出てしまう。
すると婿候補たちを演じるのがテレビドラマでおなじみの若手俳優たちなので、あれに出ていた子、この子は何に出ていたっけ、となかなか楽しい。
日本語タイトルほどおちゃらけたコメディではないが、気楽に見られてこれは良かった。
さらにもう一本。
Earth アース
これは2007年製作のドキュメンタリーだが、北から南まで、地球の一日を様々な生き物で見せる映像はやはりすごい。
飛んでいるミツバチに水滴が当たってひっくり返る所なんて、一体どうやって撮ったのだろうか。
到着2時間半前には2食目の機内食。
今度は「ビーフかチキン」で、ビーフを選んだら焼うどんだった。
アエロフロートも日本発の機内食は十分に食べられる。
モスクワからウィーンへはA320で3時間のフライト。
サンドイッチが一つ出るだけだが、しっかりしたパンにハムとチーズをはさんだこれが意外なほどおいしい。
帰路は機材がB737に変わった。
CAさんたちの制服が以前は鮮やかなオレンジだったのにいつのまにか紺色に変わったようで、帰路も全員紺。
しかしこれ、クラシックな帽子に白い手袋までして金髪美人には特によく似合い、昔風にスチュワーデスさんと呼びたくなる。
帰路もまったく同じサンドイッチをおいしくいただいて、モスクワから東京行きA330へ乗り継ぎ。
今度もスリッパとアイマスクをくれたが、今回は袋入り。
しかしなぜTokyoではなくBeijingなのだろうか。
今回の1食目は選択肢なく、全員がパスタ。
かなり薄味のミートソースの味は悪くないが、カピカピになるパスタは機内食には向いていないのではないだろうか。左上の袋入りジャムケーキは激甘で半分で撃沈。
寝るにはまだちょっと早いので、今度は珍しいロシア映画を見てみようと新作の中から一本選んでみた。
英語タイトルは「The First」となっていたが、さすがにIMDbにもロシア映画の情報はなくて詳細はわからず。
18世紀の初め、ピョートル大帝の命を受けたベーリングの北方探検に関するお話で、ヤクーツクからレ二川を下ってロシア最北端の土地にロシアの領土であることを示す標識を立てるべく船が一隻出発する。
この船に女性が一人乗っていて、船長と結婚するこの女性が世界初の女性極地探検家なのだとか。
この映画がどれだけ史実に忠実なのかわからないが、船はまさかと思うほど小さく、18世紀のことなので当然装備はお粗末。
北極海には出るが氷で動けなくなり、船長も奥さんも、おそらくは他の乗員もすべて飢えと寒さ、脚気で死んでしまう。
わかりやすい映画ではあったし、凍りついたシベリア上空にはぴったりの映画でもあったが、見ているこちらまで凍りそうになった。
この後は眠ろうと目を閉じて、うとうとしかけたところで「朝食です」と機内が明るくなった。
時計を見るとモスクワ時間で午前2時、夕食を食べてからたった4時間、到着までまだ5時間もあるのでこれにはびっくり。
お粥かクレープの選択だが、味はともかくこの時間ではさすがに食べられない。
せっかくの眠気を邪魔されてしまったので、ドキュメンタリーをもう一本。
Cinema through the Eyes of Magnum
マグナムとはロバート・キャパが写真家の著作権と独立性を守るために仲間と立ち上げた写真家集団で、それがなぜ映画と関係するかと言うとキャパがイングリッド・バーグマンと恋仲になり、ハリウッドで彼女の写真を撮ったから。
その後もこのグループの写真家たちがモンローやジェームス・ディーン、ブラッド・ピットなどの写真を撮るのだが、彼らの撮る物は映画会社のPRではなく、もちろんパパラッチが撮るようなものともまったく違う。
被写体とどのような関係を築いて写真を撮ったのか、写真家自らが作品と共に登場して、これは面白かった。
というわけで無事に成田到着。
今回はどの飛行機も遅延などなく、乗り継ぎもスムーズ。
同行の友人はアエロフロートに難色を示したが、飛行時間の短さに乗り継ぎの良さ、なによりも値段の安さでこのルートを選択。
「アリタリアよりはましなはず」と説得したらその通りだった。
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往復に使ったのは今年13社目のアエロフロート。
成田からの出発便、最終目的地がローマになっていてちょっとびっくり。
しかしほぼ満席のA330を埋めたお客さんの内、半分近くは日本人、その最終目的地はドイツやチェコが多かった様子。
2-4-2の座席配列は友人と二人連れには都合よく、コントローラーが横に付いたモニター画面が小さいのが残念だが座席間ピッチは普通。
昔は取りあいになると言われた毛布も暖かいのがちゃんと一人一枚づつあって、ペラペラでもスリッパまで付いているのは最近のエコノミーでは珍しい。
その間に挟まっていたアイマスクの片面は「起こさないでね」、もう片面は「ご飯食べます」になっているのはアイデア賞もの。
離陸してすぐに飲み物のサービスがあったが、残念ながらおつまみはなし。
続く機内食は「ビーフかシーフード」と言うので無難そうなビーフを選択。
薄切り牛肉はやや堅いが味付けはよく、脇のかっぱ巻きやサラダも悪くない。
さて、約10時間の飛行時間、昼行便なのでいつもの通り映画を物色。
選択肢はかなり多いのだが、新作映画は少なくて見たいものもほとんどない。
そこで最近お気に入りの韓国人俳優、ユ・アイン君出演のこちらをまずは見ることに。
Burning バーニング
原作は村上春樹の短編「納屋を焼く」だそうだが、人気のこの作家を実は一作も読んだことはない。
なんとなく合わなそうと思ってこれまで敬遠していたのだが、この映画が原作に忠実だとしたらやっぱり合いそうにない。
虚無的な若い男たちに不思議ちゃんの女の子、思わせぶりなセリフのわりに中身はたいしてなさそうで、ストーリーもひねりがなくて、ラストも2時間半がまんしてこれかい、という感じ。
演技達者なユ・アインをこんな使い方したのではもったいない。
1本目ははずしたが、こちらは軽そうなので2本目もまた韓国映画。
The Princess and the Matchmaker ときめきプリンセス婚活記
朝鮮王朝時代、続く干ばつを止めるには陰陽のバランスを取るために行き遅れの王女を結婚させなければならない、と凄腕の占い師に婿の選択が託されるお話。
その王女役は「怪しい彼女」の女の子で、王女なのに婿候補が気になって町に出てしまう。
すると婿候補たちを演じるのがテレビドラマでおなじみの若手俳優たちなので、あれに出ていた子、この子は何に出ていたっけ、となかなか楽しい。
日本語タイトルほどおちゃらけたコメディではないが、気楽に見られてこれは良かった。
さらにもう一本。
Earth アース
これは2007年製作のドキュメンタリーだが、北から南まで、地球の一日を様々な生き物で見せる映像はやはりすごい。
飛んでいるミツバチに水滴が当たってひっくり返る所なんて、一体どうやって撮ったのだろうか。
到着2時間半前には2食目の機内食。
今度は「ビーフかチキン」で、ビーフを選んだら焼うどんだった。
アエロフロートも日本発の機内食は十分に食べられる。
モスクワからウィーンへはA320で3時間のフライト。
サンドイッチが一つ出るだけだが、しっかりしたパンにハムとチーズをはさんだこれが意外なほどおいしい。
帰路は機材がB737に変わった。
CAさんたちの制服が以前は鮮やかなオレンジだったのにいつのまにか紺色に変わったようで、帰路も全員紺。
しかしこれ、クラシックな帽子に白い手袋までして金髪美人には特によく似合い、昔風にスチュワーデスさんと呼びたくなる。
帰路もまったく同じサンドイッチをおいしくいただいて、モスクワから東京行きA330へ乗り継ぎ。
今度もスリッパとアイマスクをくれたが、今回は袋入り。
しかしなぜTokyoではなくBeijingなのだろうか。
今回の1食目は選択肢なく、全員がパスタ。
かなり薄味のミートソースの味は悪くないが、カピカピになるパスタは機内食には向いていないのではないだろうか。左上の袋入りジャムケーキは激甘で半分で撃沈。
寝るにはまだちょっと早いので、今度は珍しいロシア映画を見てみようと新作の中から一本選んでみた。
英語タイトルは「The First」となっていたが、さすがにIMDbにもロシア映画の情報はなくて詳細はわからず。
18世紀の初め、ピョートル大帝の命を受けたベーリングの北方探検に関するお話で、ヤクーツクからレ二川を下ってロシア最北端の土地にロシアの領土であることを示す標識を立てるべく船が一隻出発する。
この船に女性が一人乗っていて、船長と結婚するこの女性が世界初の女性極地探検家なのだとか。
この映画がどれだけ史実に忠実なのかわからないが、船はまさかと思うほど小さく、18世紀のことなので当然装備はお粗末。
北極海には出るが氷で動けなくなり、船長も奥さんも、おそらくは他の乗員もすべて飢えと寒さ、脚気で死んでしまう。
わかりやすい映画ではあったし、凍りついたシベリア上空にはぴったりの映画でもあったが、見ているこちらまで凍りそうになった。
この後は眠ろうと目を閉じて、うとうとしかけたところで「朝食です」と機内が明るくなった。
時計を見るとモスクワ時間で午前2時、夕食を食べてからたった4時間、到着までまだ5時間もあるのでこれにはびっくり。
お粥かクレープの選択だが、味はともかくこの時間ではさすがに食べられない。
せっかくの眠気を邪魔されてしまったので、ドキュメンタリーをもう一本。
Cinema through the Eyes of Magnum
マグナムとはロバート・キャパが写真家の著作権と独立性を守るために仲間と立ち上げた写真家集団で、それがなぜ映画と関係するかと言うとキャパがイングリッド・バーグマンと恋仲になり、ハリウッドで彼女の写真を撮ったから。
その後もこのグループの写真家たちがモンローやジェームス・ディーン、ブラッド・ピットなどの写真を撮るのだが、彼らの撮る物は映画会社のPRではなく、もちろんパパラッチが撮るようなものともまったく違う。
被写体とどのような関係を築いて写真を撮ったのか、写真家自らが作品と共に登場して、これは面白かった。
というわけで無事に成田到着。
今回はどの飛行機も遅延などなく、乗り継ぎもスムーズ。
同行の友人はアエロフロートに難色を示したが、飛行時間の短さに乗り継ぎの良さ、なによりも値段の安さでこのルートを選択。
「アリタリアよりはましなはず」と説得したらその通りだった。
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