渋谷に行く用があったのでついでに映画を見ようと思い立ち、ラッキーにもまだ上映していたこちらを。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
クエンティン・タランティーノのオタク心炸裂、60年代の音楽やら映画やらTV番組のネタだらけで、タラは1963年生まれだそうだが自分はそれよりちょっとだけ年上なので、子供の頃とは言えネタの多くはリアルタイムで知っていて、それだけに大いに楽しめた。
逆に元ネタを知らない人には面白さの半分もわからないのでは。映画の後で若いお姉ちゃんたちが「なんのことだかわからなかった」と言っていたがそりゃそうだろう、お気の毒。
ローハイドやら逃亡者、FBIネタにニヤつきつつ思うのは、いかに昔はアメリカのTV番組をゴールデンタイムに放送していたかと言うこと。
おかげでアメリカと言う国のことがよくわかったし、今なら字幕放送でもすれば子供は簡単に英語を覚えてしまうだろうに。
車やファッション、化粧も懐かしかったが、食品パッケージなどまで凝りまくっていて、特にドッグフードの「ネズミ風味」には笑った。
タラがやりたかったのは60年代の再現だったのか、ストーリーは結構ゆるく、その代わり主演のデカプリオとブラピにはたっぷり見どころが用意されていて、監督はこの二人が好きなんだろうなあ、と思う。
デカプリオはさすがの演技のうまさ、ブラピはもう55歳というのにこんなにいい男だったっけというほどかっこいい。
シャロン・テート役のマーゴット・ロビーはそれほど本人に似せている感じではないが、天真爛漫な感じが良く出ていて、この女優は最近のお気に入り。
それよりちょっと出てくるスティーブ・マックィーンが本人に驚くほどそっくり、「大脱走」の場面は爆笑ものだし、ブルース・リーのくだりも遺族からクレームが付いたそうだがおかしい。
ゆるいストーリーの締めは来るぞ、来るぞ、と思わせておいてタラらしい、けたたましい大残虐シーン。
そのくせラストは「ええ~?」という肩すかしに、そう来るか。