品川から1時間強、十分に日帰り圏内の水戸だけれど、せっかく出かけてきたのだからとさらに足を延ばした。
水戸から水郡線に乗って47分。
山方宿という駅で下車。
ちょっと変わった形のこの駅は地元の特産である鮎を象っているというのだが、どこをどう見れば鮎に見えるのか。
駅には宿の女将さんが車で迎えに来てくれていた。
宿まではまっすぐ行けば10分ほどなのだが、女将さんは途中の小さな古墳を紹介してくれたり、宿のちょっと先の陰陽神社まで行ってくれたり、サービス満点。
国道からくねくねとした細い脇道に入ってしばらく行って、突き当りが今夜の宿。
湯の澤鉱泉。
軒下に提灯がかかっている通り、こちらは茨城県で唯一の「日本秘湯を守る会」の宿。
玄関先では看板犬のちょっと大柄なチワワが毛布をかぶってお昼寝中。
ダルマストーブの置かれた玄関を上がり、すぐに部屋に案内される。
こちらは平屋なので階段を上がることもなく楽チン。
すでに布団の敷かれた8畳間はこたつも出ているのでちょっと手狭、トイレ・洗面も外だけれどどの施設もきれい。
窓の外はすぐ駐車場、その向こうにはゴルフ場が見えて
建物の脇の紅梅は満開。
お迎え菓子が懐かしのしるこサンドなのがちょっとうれしい。
もう夕方なのですぐにお風呂へ。
夕食後に男女が入れ替わるお風呂は内湯のみ。最初に入った檜風呂は真ん中に立派な柱が一本立っている。
こちらのお湯は成分上はナトリウム炭酸水素塩泉だが源泉温度が18℃なので温泉ならぬ鉱泉。
適温に加温されたお湯はわずかに濁っているがにおいなどはなく、入って体をさするとスベスベする。やっぱり大きいお風呂は気持ちいい!
お風呂から上がってほどなく、18時から広間で夕食。
正面に小さなお雛様が飾られた広間は本日満室のはずだがテーブルの間隔が思い切りゆったり。
いろいろなコースのあるこちらの、今日はヘルシーなゆばコースをお願いしてある。
なのでテーブルには湯葉の刺身、湯葉巻き上げ、湯葉サラダに手作りこんにゃくが並んでいてどれもとてもおいしいのだが
この他にたっぷりのお造りに鮎の塩焼き
湯葉入りの茶わん蒸しにキビモチ、揚げたての天ぷらがアツアツで来て、この揚げ物がすごくおいしい。
さらに鍋もあるのでとても食べきれず、自慢の常陸秋そばがほんの一口しか食べられなかったのが非常に悔しい。
珍しい料理が出るわけではないがバラエティーに富んでどれも味付けが良い。
「おそばの後にはご飯もあります」と仲居さんが声をかけていたがどこからも御飯の要望はなし(笑)。
自慢は常陸牛のステーキらしいが「多いです」と宿の人が言うぐらいだからよほどの健啖家でなければ無理そう。
夜と朝は入れ替わった岩風呂に入って
朝食は自家製というお米を納豆や梅干でいただく。
たくさん盛られた御飯がおいしくて完食、大満足。
帰りも女将さんに駅まで送ってもらったが、今度もちょっと遠回りをして近所の春景色を見せてくださる。
まわりにこれという観光地があるわけではなく、こんな機会がなければわざわざ足を運ぶことはなかっただろう宿だが、湯の澤鉱泉、とてもいいお宿だった。
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