「黒川荘」のお湯を楽しんだら温泉街の中心に戻る。
小さな川から橋を渡った先には洞窟風呂で有名な大きな宿があり
狭い道の両側にはお土産屋さんや軽食の店などが並んでいるが、水曜日には休みの店が多いみたい。
さて、今夜の宿はこの中心街もはずれに近い「御客屋」さん。
こちら創業は1722年と黒川温泉でも一番古く、肥後細川藩の御用宿だったのでこの名前なのだそうだ。
とは言えロビーなどは明るく、さらに明るい女将さんにテキパキと案内されてチェックイン。
案内されたのは1階の8畳の角部屋。
ちょっと複雑な造りの館内なので1階と言っても窓からの眺めは2階のよう。
お迎え菓子でお茶をいただくと、この緑茶がとてもおいしかった。
一息入れたら本日4湯目の温泉へ。
ピカピカに磨かれた階段を下りて行くと食事処と、いくつにも分かれたお風呂場がある。
入れ替え制の、この時間は突き当りが女湯になっているので暖簾の先の扉を開けると
緩い石段の先に渋い脱衣場。こちらから浴室に入ると
大きな湯舟の左手は浅い寝湯、右手は深さ130㎝の立ち湯になっていて、湯口からは源泉温度80℃の熱湯が出ているので表面は熱いが底の方はぬるい。ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉というお湯に癖はなくて、
立ち湯は今回の旅で3か所目だけれど、平行棒のように2本下がった竹にぶら下がると周りの雰囲気と相まってここが一番気持ちいい。
次は石段の下にある浴室へ移動。
ここは一つの脱衣場の左右に露天と内湯があって
「古の湯」と名付けられた半露天がちょっと濁った青みがかったお湯で素晴らしい。
先ほどのお湯は共同源泉、こちらは創業からあるという自家源泉。ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉とちょっとだけ成分が違うとお湯の色も変わるらしい。
内湯はシャワー完備で使いやすいが、露天2つが素敵すぎた。
ところでこの宿でももちろん夕食が摂れるが、連日の旅館料理では重すぎる。そこで今夜は夕食なしプランにして
宿から2分の「わろく屋」というお店へ。と言ってもここも御客屋さんの経営、普段は昼営業だけなのだが敏腕女将によると「水曜は他がお休みなので夜もやっている」とのこと。
店内はしゃれたカフェ風でカウンター席もあり。
ただ各テーブルの真ん中のガラスの衝立が作りつけられて動かせないのはなんとも不便。他人との相席じゃない時にこれはやりすぎだろう。
と文句を言いつつ、お願いしたのは
これが食べたかった、たっぷりの野菜サラダにアツアツの鶏唐揚げ。
三色カレーは赤が牛、白は鶏で黒は馬。二人でシェアしてちょうど良かった。
翌朝は入れ替わったお風呂を楽しむべく、まずは代官の湯へ。
共同源泉のお湯がこちらではちょっと黄色がかって薄濁り。
さらにもう一つの内湯「御前の湯」へ移動すると
自家源泉のこちらの造りが風情があってとてもいい。細川家御用達のプライドを感じる。
そして朝食はお風呂の横の食事処で。
オーソドックスな内容だけれど、納豆の上に馬肉のユッケが乗っているのが珍しく、自家製のお豆腐もおいしかった。
「御客屋」さんはお風呂が期待以上に良くて、同じ黒川温泉内で宿替えしたのは大正解だった。
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