今回の旅は初めてフィンエアを使い、バルト三国+フィンランドという「女の子好み」(笑)の旅行をしてきた。
まだスペインとインドの旅行記が残っているので旅の記録はかなり先になりそうだが、忘れないうちに機内サービスと映画のことを。
成田からヘルシンキへはラッキーなことに今年の6月に就航したばかりのエアバスA350-900に初搭乗。
新機材とは知らずに乗ったのだが、機内に入るといつもより天井が高くて広さが感じられ、全体に明るいのに気が付いた。
エコノミー座席の配列は3-3-3、薄型のシートは座り心地も良く、大きなモニターはすべてタッチパネル式だが感度もいい。
そしてフィンランドと言えば、のマリメッコ。ブランケットから紙ナプキン、紙コップまですべて一目でこのブランドとわかる個性がすばらしく、使い方がうまい。
通り過ぎたビジネスクラスにはやはりマリメッコの花柄ポーチが置いてあって、あれ、ほしい!
日本もデザインの良さを誇る国なのに、誰にでもすぐわかる国を代表するデザインはないものだろうか。
フィンランドらしくブルーベリー・ジュースをもらって、昼食にはビーフを選択。
ほぼ予想通りの機内食だが、生野菜がまったく入っていないのが北欧らしさ?
アイスクリームをなめながら、アメリカ映画の新作があまりない中からまずはこちらをチョイス。
The Zookeeper's Wife
第二次大戦下のポーランド、ワルシャワ動物園の園長夫妻が動物のいなくなった園内で豚を飼い、その餌収集を隠れ蓑にゲットーから少しづつユダヤ人を連れ出して300人以上も救ったと言う、これは実話なのだそうだ。
映画の冒頭にはナチス侵攻前の動物園でラクダの子供が走り回る様子や、ライオンの子供、ゾウの赤ちゃんが登場して、これがかわいい。
タイトルになっている園長の妻はジェシカ・チャステンが演じていて、地味な女優さんなので役にピッタリ。
ワルシャワはナチスからの解放後にはソ連に侵攻されてまたひどい目に合うわけだが、動物園は今も存続している、とエンド・タイトルに出る。
この後に訪れる国々の歴史にも無関係ではなく、サスペンスもあってきっちりした造りのこの映画、見てよかった。
次に選んだのは北欧つながりでこちら。
Jag ar Ingrid
2015年、スウェーデンで作られたイングリッド・バーグマンのドキュメンタリー。
イングリッドと言う人は大の記録魔だったそうで、父親の撮った写真から自分の家族写真やらホームフィルム、手紙や日記なども世界中を転々としながらすべて持ち歩いていたのだそうだ。
それらの珍しいプライベート映像とイングリッドの子供たちへのインタビューを中心に女優の人生を振り返ったこのドキュメンタリー、自分のしたいことをひたすら精一杯やりとおしたイングリッド・バーグマンと言う人がわかるようでよく出来ている。
子供たち、中でもロッセリーニと一緒になるために捨てられた形になった長女までが「とても楽しい人で、いつも一緒にいられなかったのだけがつらかった」と言うのが印象的だった。
同じく北欧の、こちらはノルウェー映画。
Welcome to Norway
ノルウェーのどこか辺鄙な所でホテルを営む一家、客がまったく来ないので難民の施設にして国からの助成金で儲けることを亭主が勝手に決めてしまう。
そこで内装工事も終わっていない所に何十人も国籍も宗教もちがう難民たちがやってきて、思うようにならなくて大騒ぎ、と言う一応コメディー映画。
一応と言うのは、北欧のコメディーは前にも何本か見たことがあるが、アメリカのコメディーのようにドタバタ、ゲラゲラ笑えるものではないから。これも全体にむっつり、時々ニヤリとさせられるという感じ。
それにしても種々雑多な難民たち、まずは宗教ごとに部屋割りと配置を決める必要があるなんて、やはり難民慣れしていない日本でも必要なノウハウではないだろうか。
さらに続けて難民の登場する、これはフィンランド映画。
Toivon Tuolla Puolen (The Other Side of Hope)
フィンランドで有名なアキ・カウリスマキ監督の映画だが、この人の映画を見るのは2本目かな。
これまた一応コメディーで、特にはやらないレストランを思いつきで日本食屋にするあたりはいかにもありそうでおかしい。
主人公のさえないおやじはある日突然服のセールスをやめ、在庫を一掃した金を元手にカジノのポーカーで大勝してレストランを従業員ごと買い取る。なぜそんなにポーカーに強いのかの説明もなく、悪い奴かと思うとお人よしだったりして、難民申請が認められずに強制送還から逃げ出してきたシリア人を助けてやる。
最後はハッピーなのか悲劇なのかよくわからないのだが、この独特の雰囲気、ちょっと癖になりそう。
最後の映画を見ながら2回目の機内食はパスタ。
見た目通りの味だが、食べられなくはない。
で、10時間の飛行は終了。
着陸前には天井の照明が変わって、これはオーロラを表しているそうな。
昼の便だと眠くならないので映画がいっぱい見られる。
ヘルシンキからは乗り継いでリトアニアのビリニュスへ。
今度はエンブラエルの小さな機材でわずか1時間のフライト。マリメッコで飲み物が出るだけいい。
そして帰路はヘルシンキから。
今度は残念ながらエアバスA330-300。
座席配列が2-4-2なので友人と窓際2席に座れるのは良いが、往路に比べると座席やモニターが見劣りする。
それ以上に最初の機内食。
パスタの卵とじのようなものなのだが、これはひどかった。あまりのまずさに上のグリーンピースと、あとはそばとパンを食べ
フィンランドのグルメアイスでなんとかしのいだ。
月が替わっているのに映画が替わっていないのも減点ポイント。
しかたなく安全パイのじいさん映画を見る。
「ジーサンズ はじめての強盗」 Going in Style
マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン、アラン・アーキンならこの3人を見ているだけで間は持つし、ゲスト出演的なアン・マーグレットもハリウッド・マジックの助けがあるとはいえ相変わらずのセクシーさが驚異的。
お約束的に気楽に楽しめるが、しかしラストはあれでいいのだろうか。
いくら銀行のやり口がひどいと言っても、犯罪は犯罪で助長するのはまずいと思うのだが。
さらにもう一本、再びフィンランド映画。
Saattokeikka (The Unexpected Journey)
フィンランド生まれのカマルは母の再婚相手が気に入らなくて父のいるケニアに行きたいが、名前がムスリムっぽいのでバイト先も見つからない。そこへソマリア人だらけのアパートの隣人、偏屈なフィンランド人のじいさんと成り行きから田舎の別荘を目指すことになるという、これも一応コメディー?
移民や難民の存在、それにからむ差別的な地元民、ゲイのカップルなど、今回見た北欧映画にはすべて登場して、それだけありふれた存在なのだろう。
寒くて言葉もわからなくても、命の危険がなく、基本的に親切に受け入れてくれる北欧の国々は移民たちにすればそれは天国だろう、と旅して思う。
偏屈じいさんの最後の描き方がとても素敵で、死ぬならあんな風に死にたい。
狭い座席で目をつむり、成田着陸の前に朝食。
こちらはごく普通のオムレツで、フィンランドらしい米粥の乗ったカレリア・パイが付いてくるのはいい。
食事はもう一つだけれど、10時間弱でヨーロッパに行けるフィンエア、特にA350はおすすめ。
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まだスペインとインドの旅行記が残っているので旅の記録はかなり先になりそうだが、忘れないうちに機内サービスと映画のことを。
成田からヘルシンキへはラッキーなことに今年の6月に就航したばかりのエアバスA350-900に初搭乗。
新機材とは知らずに乗ったのだが、機内に入るといつもより天井が高くて広さが感じられ、全体に明るいのに気が付いた。
エコノミー座席の配列は3-3-3、薄型のシートは座り心地も良く、大きなモニターはすべてタッチパネル式だが感度もいい。
そしてフィンランドと言えば、のマリメッコ。ブランケットから紙ナプキン、紙コップまですべて一目でこのブランドとわかる個性がすばらしく、使い方がうまい。
通り過ぎたビジネスクラスにはやはりマリメッコの花柄ポーチが置いてあって、あれ、ほしい!
日本もデザインの良さを誇る国なのに、誰にでもすぐわかる国を代表するデザインはないものだろうか。
フィンランドらしくブルーベリー・ジュースをもらって、昼食にはビーフを選択。
ほぼ予想通りの機内食だが、生野菜がまったく入っていないのが北欧らしさ?
アイスクリームをなめながら、アメリカ映画の新作があまりない中からまずはこちらをチョイス。
The Zookeeper's Wife
第二次大戦下のポーランド、ワルシャワ動物園の園長夫妻が動物のいなくなった園内で豚を飼い、その餌収集を隠れ蓑にゲットーから少しづつユダヤ人を連れ出して300人以上も救ったと言う、これは実話なのだそうだ。
映画の冒頭にはナチス侵攻前の動物園でラクダの子供が走り回る様子や、ライオンの子供、ゾウの赤ちゃんが登場して、これがかわいい。
タイトルになっている園長の妻はジェシカ・チャステンが演じていて、地味な女優さんなので役にピッタリ。
ワルシャワはナチスからの解放後にはソ連に侵攻されてまたひどい目に合うわけだが、動物園は今も存続している、とエンド・タイトルに出る。
この後に訪れる国々の歴史にも無関係ではなく、サスペンスもあってきっちりした造りのこの映画、見てよかった。
次に選んだのは北欧つながりでこちら。
Jag ar Ingrid
2015年、スウェーデンで作られたイングリッド・バーグマンのドキュメンタリー。
イングリッドと言う人は大の記録魔だったそうで、父親の撮った写真から自分の家族写真やらホームフィルム、手紙や日記なども世界中を転々としながらすべて持ち歩いていたのだそうだ。
それらの珍しいプライベート映像とイングリッドの子供たちへのインタビューを中心に女優の人生を振り返ったこのドキュメンタリー、自分のしたいことをひたすら精一杯やりとおしたイングリッド・バーグマンと言う人がわかるようでよく出来ている。
子供たち、中でもロッセリーニと一緒になるために捨てられた形になった長女までが「とても楽しい人で、いつも一緒にいられなかったのだけがつらかった」と言うのが印象的だった。
同じく北欧の、こちらはノルウェー映画。
Welcome to Norway
ノルウェーのどこか辺鄙な所でホテルを営む一家、客がまったく来ないので難民の施設にして国からの助成金で儲けることを亭主が勝手に決めてしまう。
そこで内装工事も終わっていない所に何十人も国籍も宗教もちがう難民たちがやってきて、思うようにならなくて大騒ぎ、と言う一応コメディー映画。
一応と言うのは、北欧のコメディーは前にも何本か見たことがあるが、アメリカのコメディーのようにドタバタ、ゲラゲラ笑えるものではないから。これも全体にむっつり、時々ニヤリとさせられるという感じ。
それにしても種々雑多な難民たち、まずは宗教ごとに部屋割りと配置を決める必要があるなんて、やはり難民慣れしていない日本でも必要なノウハウではないだろうか。
さらに続けて難民の登場する、これはフィンランド映画。
Toivon Tuolla Puolen (The Other Side of Hope)
フィンランドで有名なアキ・カウリスマキ監督の映画だが、この人の映画を見るのは2本目かな。
これまた一応コメディーで、特にはやらないレストランを思いつきで日本食屋にするあたりはいかにもありそうでおかしい。
主人公のさえないおやじはある日突然服のセールスをやめ、在庫を一掃した金を元手にカジノのポーカーで大勝してレストランを従業員ごと買い取る。なぜそんなにポーカーに強いのかの説明もなく、悪い奴かと思うとお人よしだったりして、難民申請が認められずに強制送還から逃げ出してきたシリア人を助けてやる。
最後はハッピーなのか悲劇なのかよくわからないのだが、この独特の雰囲気、ちょっと癖になりそう。
最後の映画を見ながら2回目の機内食はパスタ。
見た目通りの味だが、食べられなくはない。
で、10時間の飛行は終了。
着陸前には天井の照明が変わって、これはオーロラを表しているそうな。
昼の便だと眠くならないので映画がいっぱい見られる。
ヘルシンキからは乗り継いでリトアニアのビリニュスへ。
今度はエンブラエルの小さな機材でわずか1時間のフライト。マリメッコで飲み物が出るだけいい。
そして帰路はヘルシンキから。
今度は残念ながらエアバスA330-300。
座席配列が2-4-2なので友人と窓際2席に座れるのは良いが、往路に比べると座席やモニターが見劣りする。
それ以上に最初の機内食。
パスタの卵とじのようなものなのだが、これはひどかった。あまりのまずさに上のグリーンピースと、あとはそばとパンを食べ
フィンランドのグルメアイスでなんとかしのいだ。
月が替わっているのに映画が替わっていないのも減点ポイント。
しかたなく安全パイのじいさん映画を見る。
「ジーサンズ はじめての強盗」 Going in Style
マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン、アラン・アーキンならこの3人を見ているだけで間は持つし、ゲスト出演的なアン・マーグレットもハリウッド・マジックの助けがあるとはいえ相変わらずのセクシーさが驚異的。
お約束的に気楽に楽しめるが、しかしラストはあれでいいのだろうか。
いくら銀行のやり口がひどいと言っても、犯罪は犯罪で助長するのはまずいと思うのだが。
さらにもう一本、再びフィンランド映画。
Saattokeikka (The Unexpected Journey)
フィンランド生まれのカマルは母の再婚相手が気に入らなくて父のいるケニアに行きたいが、名前がムスリムっぽいのでバイト先も見つからない。そこへソマリア人だらけのアパートの隣人、偏屈なフィンランド人のじいさんと成り行きから田舎の別荘を目指すことになるという、これも一応コメディー?
移民や難民の存在、それにからむ差別的な地元民、ゲイのカップルなど、今回見た北欧映画にはすべて登場して、それだけありふれた存在なのだろう。
寒くて言葉もわからなくても、命の危険がなく、基本的に親切に受け入れてくれる北欧の国々は移民たちにすればそれは天国だろう、と旅して思う。
偏屈じいさんの最後の描き方がとても素敵で、死ぬならあんな風に死にたい。
狭い座席で目をつむり、成田着陸の前に朝食。
こちらはごく普通のオムレツで、フィンランドらしい米粥の乗ったカレリア・パイが付いてくるのはいい。
食事はもう一つだけれど、10時間弱でヨーロッパに行けるフィンエア、特にA350はおすすめ。
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