![]() | 「通」になれる 古典芸能を楽しむ本 落語・歌舞伎から能・狂言まで (PHP文庫) |
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PHP研究所 |
最近少し歌舞伎や文楽などの古典芸能に興味を持っている。地方住まいなので、実際の舞台を観に行くということはなかなか難しいので、もっぱらテレビで放映されるのを視るだけなのだが、ちょっと困ったことがある。興味は確かにあるのだが、どうにも途中で飽きてしまうのだ。テレビでは、全体のごく一部しか放映しないことが多いが、それでも、少し視ていると、それ以上注意力が続かない。
一番の原因は、何をやっているか良く分からないということだろう。話の筋も、言っていることも良く分からない。いったい、どこをどのように楽しめば良いのか。そんな折見つけたのがこの「通になれる 古典芸能を楽しむ本」(日本博学倶楽部:PHP文庫)だ。
本書には、「落語」、「歌舞伎」、「能」、「狂言」、「文楽」の5つの古典芸能について、その成り立ち、特徴、見どころ、代表的演目から、上演場所、チケットのとり方まで幅広く説明されている。これは、私のような古典芸能ビギナーにとっては、最適の入門書だろう。
落語はともかく、他の4つは、ビギナーにはなかなか敷居が高い。その大きな原因は、これらの古典芸能は、ある程度の知識がないと楽しめないということにあるのではないだろうか。しかし、本書を読んでおけば、基本的な事は分かるので、訳も分からずに観ている状態から脱出して、見どころを楽しめるようになるだろう。日本人の教養として、この程度は、是非知っておきたいものである。
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※本記事は、「本の宇宙」と同時掲載です。