ちょっぴり『老子』 ( 48 )
陰を負い陽を抱く
陰を負い陽を抱く
「 道生一、一生二、二生三、三生萬物。萬物負陰而抱陽、冲気以為和。 」
『老子』第四十二章の冒頭部分です。
読みは、「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は萬物を生ず。萬物は陰を負い陽を抱き、冲気は以って和を為す。 」
文意は、「道はまず一元気(気の元になるもの)を生ずる。その一元気は二つの気(陰と陽)を生ずる。その二つの気は相まって第三の冲気(沸き起こった気。なお、冲は沖に同じらしい)を生ずる。この第三の冲気が万物を生ずる。従って、萬物はすべての物が陰を負い陽を背負っており、冲気が陰・陽を和して宿っているのである。 」
個人的には、大変好きな部分です。
『道』が萬物を生成していく過程を示しています。
萬物すべての物には陰・陽の要素が包含されていて、それらを冲気という第三の気が相反する性格の物のバランスを保たせているらしいのです。
これは、人間とても全く同じで、ある一面を見てとかくの判断をすることは正しくないということになります。
陰・陽は互いに作用する
第四十二章の続きを文意だけ記します。
「 (萬物はこのように成り立っているのであるから、身分高い者はへりくだり、力強い者は柔軟になってこそ調和が保たれるのである。)人の嫌悪するのは、ただ孤・寡・不穀(孤独・不徳・不善といった意味らしい)ということであるが、王公はそれを自称としてへりくだっている。その訳は、物事というものは、減らせれば増し、増せば減るようになっているからである。人が子弟に教えていることを私も人に教えよう。道理を知らず、いたずらに強きに任せる者は、まともな死に方をしない。私はこのことを教訓の父にしよう。 」
私たちの日常においては、陰と陽とが(どちらを良い悪いとはしないが)一方的に傾くことが多いように感じることが多々あります。
この章の教えによれば、冲気という物の働きによって、その二つは互いに作用し、やがては中和されるということのようです。
人間うまく行っているときは、誰でも立派なことを言えますし、善人らしい振る舞いもできるものです。しかし、そうでない時には、なかなかそうは振る舞えないものです。しかし、その時こそが、その人の値打ちが分かるのではないでしょうか。
どんな状態の時であっても、私たちは「陰を負い陽を抱いている」ことを認識せよという教えのように思うのですが。
★ ★ ★
陰を負い陽を抱く
陰を負い陽を抱く
「 道生一、一生二、二生三、三生萬物。萬物負陰而抱陽、冲気以為和。 」
『老子』第四十二章の冒頭部分です。
読みは、「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は萬物を生ず。萬物は陰を負い陽を抱き、冲気は以って和を為す。 」
文意は、「道はまず一元気(気の元になるもの)を生ずる。その一元気は二つの気(陰と陽)を生ずる。その二つの気は相まって第三の冲気(沸き起こった気。なお、冲は沖に同じらしい)を生ずる。この第三の冲気が万物を生ずる。従って、萬物はすべての物が陰を負い陽を背負っており、冲気が陰・陽を和して宿っているのである。 」
個人的には、大変好きな部分です。
『道』が萬物を生成していく過程を示しています。
萬物すべての物には陰・陽の要素が包含されていて、それらを冲気という第三の気が相反する性格の物のバランスを保たせているらしいのです。
これは、人間とても全く同じで、ある一面を見てとかくの判断をすることは正しくないということになります。
陰・陽は互いに作用する
第四十二章の続きを文意だけ記します。
「 (萬物はこのように成り立っているのであるから、身分高い者はへりくだり、力強い者は柔軟になってこそ調和が保たれるのである。)人の嫌悪するのは、ただ孤・寡・不穀(孤独・不徳・不善といった意味らしい)ということであるが、王公はそれを自称としてへりくだっている。その訳は、物事というものは、減らせれば増し、増せば減るようになっているからである。人が子弟に教えていることを私も人に教えよう。道理を知らず、いたずらに強きに任せる者は、まともな死に方をしない。私はこのことを教訓の父にしよう。 」
私たちの日常においては、陰と陽とが(どちらを良い悪いとはしないが)一方的に傾くことが多いように感じることが多々あります。
この章の教えによれば、冲気という物の働きによって、その二つは互いに作用し、やがては中和されるということのようです。
人間うまく行っているときは、誰でも立派なことを言えますし、善人らしい振る舞いもできるものです。しかし、そうでない時には、なかなかそうは振る舞えないものです。しかし、その時こそが、その人の値打ちが分かるのではないでしょうか。
どんな状態の時であっても、私たちは「陰を負い陽を抱いている」ことを認識せよという教えのように思うのですが。
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