枕草子 第二百九十段 をかしと思ふ歌を
「をかし」と思ふ歌を、造紙などに書きて置きたるに、いふかひなき下種の、うち唄ひたるこそ、いと心憂けれ。
「これは良い」と思う歌を、帳面などに書きとめておいたのに、お話にならないような下種女が、その歌を気軽に唄っているのを聞いたときは、全くがっかりしてしまいます。
和歌や文芸などにおいて、少納言さまが特に鋭敏な神経を持っていることは当然のことでしょう。
しかし、それは、少納言さまに限らないと思われますが、上流社会の産物であって、下々とは縁のないものだという特権意識も、相当に強いものであったようです。
現代人が、その考え方の是非を云々することは全く意味のないことだと思うのですが、当時の下層の人たちは、優れた歌や、宮中などで話題になっている物語などを意外なほどに熟知していたようです。
「少納言さま、あまりがっかりしないでください」と言いたいところです。
「をかし」と思ふ歌を、造紙などに書きて置きたるに、いふかひなき下種の、うち唄ひたるこそ、いと心憂けれ。
「これは良い」と思う歌を、帳面などに書きとめておいたのに、お話にならないような下種女が、その歌を気軽に唄っているのを聞いたときは、全くがっかりしてしまいます。
和歌や文芸などにおいて、少納言さまが特に鋭敏な神経を持っていることは当然のことでしょう。
しかし、それは、少納言さまに限らないと思われますが、上流社会の産物であって、下々とは縁のないものだという特権意識も、相当に強いものであったようです。
現代人が、その考え方の是非を云々することは全く意味のないことだと思うのですが、当時の下層の人たちは、優れた歌や、宮中などで話題になっている物語などを意外なほどに熟知していたようです。
「少納言さま、あまりがっかりしないでください」と言いたいところです。
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