戦後の歴史と支那そば、中華そば、ラーメンの変遷やアメリカの小麦政策からのパンとスパゲティ、ラーメンなどつなげる趣旨のようだ。「創られた「日本の心」神話 輪島祐介」( http://pub.ne.jp/n7ohshima/?entry_id=3478954 )は文献調査により時代を追体験し分析がなされていた。筆者はこの輪島裕介1974年生まれと 同世代で同じ様な試みなのであれば研究方法として面白い。<o:p></o:p>
この文献ではチキンラーメンとT型フォード(生産方式が違いすぎる)、国土開発とご当地ラーメン(全総それぞれのまとめくらいは必要だろう)、ラーメンとナショナリズム(内容が散漫)となっている。しかし、ラーメンと時代を分析しようとした視点は面白い。<o:p></o:p>
ラーメンは風俗であり、時代・年齢・年代というコーホートで分析をするのならこれを軸にするとよい。たとえば「屋台が発祥」というなら、浅草の來々軒はどうなるのか。明治からの西洋料理や中国料理の移入に時代、日本化の時代(西華、西支料理 http://pub.ne.jp/n7ohshima/?daily_id=20111226 )の展開があり、第二次世界大戦後の屋台がきっかけとなったというのを考え、実証するのが肝要だ。戦後のラーメン店の発祥に限るなら( http://www.oct.zaq.ne.jp/papua/ramen-02.htm には1945年「太平洋戦争終戦を迎え、食糧難より各地の闇市でラ-メン等の屋台が活発に出来てくる」とはあるが)、各地の闇市の地図とラーメン屋発祥の歴史を調査の上、マップに落とすと良い。主要都市の事例ヒアリングも必要だ。<o:p></o:p>
また、インスタント・ラーメンも都市の単身世帯の増加と相関させるなら、東京の人口変動との比較も必要だ。家計消費データの検証も考えられる。<o:p></o:p>
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論点は多彩だが言い切り型が多く、文献のみで、独自の検証とヒアリングによる「汗をかいた」生データ収集がなされていないのが課題だ。<o:p></o:p>
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