潮屋 梅田店（大阪）：朝のそばは格安

　二日酔いのときは、そばが朝から食べたくなる。かけは200円と格安、葱大目もできる。お昼は座れるが朝は椅子撤去の立ち食いで、7時ごろは盛況。

　蕎麦は青葱小口切りと蒲鉾1切れ、蕎麦は茹でたてで普通の立ち食い蕎麦より蕎麦粉が多い。細めでしこしこ。出汁は軽めでMSG臭くない。特徴は入れ放題のできあいの揚げ玉で数分経つと数倍に膨張するため多めに入れると麺が無くなる頃に表面が天かす層となり始末におえない。

　時々食べたくなるお味で、なんともお安い。近くの大阪屋の300円とろろご飯とともに新梅田食道街の朝食の双璧だ

S,M,L,XL+（レム・コールハース 他）：図がない要約、槇文彦の分析が良い

　有名な厚い本の抜粋と付け足しで図版が大幅に削除された文庫版。知見は：

・基準階平面はアメリカ型でヨーロッパ型ではない

・日本式の「関係者全員参加」のミーティングは「全員がすべてを知る」ため合理的・効率的で常用

・「ポートマンのパラドックス」：アトリウムはダウンタウンを取り込むが、ダウンタウンを荒廃させる

・ウォーターフロントについて、①パッチワーク、②インフラは実用的な後知恵、③人口は甘やかされた者か甘やかす者、④人口密度は定住がないためヴァーチャル、⑤暫定コミュニティ、⑥建築はアイコン、⑦都市も建築も維持不可能な破壊性、⑦多様な文化の共存、都市かリゾートかも曖昧　→各国のウォーターフロントは新規開発が多く、位置付けが悩ましいエリアだ

・槇文彦：日本とアメリカにまたがる、「集合体」（Collective Form）を生み出す（ひとまとまりになる理由を持った建築の集まり）、Group Formに親和性（差異化された形態的・帰納的な共通因子が連結装置のなかで発達、要素と骨格のあいでに有機的な相互依存性のある集合体）

　槇文彦への評価が高いが、レムの弟子のザハとの新国立競技場でやりあうとは思っていなかっただろう。ザハは逆に、建築の周辺環境を「建築の背景」としか考えていないのではないか

みよしや（京都 祇園）：懐かしいお味が焦げ味、柔らかさ、ねっとり餡と黄粉の甘み

久々に購う。10本千円、同行の方のお土産にも２つ。家に帰って愚妻と味わう。柔らかい団子はねっとり餡に包まれ、黄粉をまぶすと懐かしい甘み。焦げ目のお味がアクセント。なごみのお味でたまらない。

　楽しく話して7本食べて、余りはネットからの情報により冷凍した（どうなるかはお楽しみ）

性からよむ中国史（スーザン・マン）：驚きのLGBTと女性の変容

　Gender and Sexality 　Chinese Historiy

　何で中国のことをアメリカ人が書くのか良く分からない。内容も良く分からないが、「解説」を読むと「そうなのか！」となった。一種の奇書だ。知見は：

・Gender （社会的文化的性別）とSexality（生物学的性別）との区別

・閨秀（箱入り娘）と男余りによる光棍（独身男性）

・陰陽、気と血による男女区分

・身体装飾としての纏足

・中国に多い女性の自殺は殉死や結婚抗議

・男性社会の発展でホモが多いがホモフォビアは存在しない

・娼婦は旅人の妻で発達、妓女は公営娯楽の労働者

・共産党による男女混合、ポスト毛沢東では性産業が隆盛

・性産業の発達と女性の人身売買、売春は高収益

・アスリートが辮髪と纏足を終焉させ、女性の地位を高めた

・女性の共棲もあり、ホモのペニスの挿入は上下関係を表す記号

・一人っ子政策は男性余りにつながった

　確かに独自な国家と文化がある

ぷらむ（京都 祇園）：お座敷洋食で盛り上がる

　一力の東で十二段屋の並び、奥の座敷は掘り炬燵で和める。名物のエスカルゴはバターをトーストですくうとお酒と話がすすむ。

　ステーキは懐かしい「タレ」の和風味で昔のごちそうみたい。マスタードとフライド・ガーリックが楽しい。

　ハンバーグは古風なドゥミグラス・ソースの味わいが深い。目玉焼き、ポテト・サラダがお供で、パンでサンドイッチにするのも美味しい。

　和えているメキシカン・サラダ風も関西洋食の古典種だ。ピラフなどもあるが、洋風焼飯と呼ぶべきものだ。

　この西にあったステーキの左近や、肉のぽうるなども懐かしい。帰りに、みよしやで団子を購うのがお決まり。

　色町洋食は楽しい

暴力の人類史（スティーブン・ピンカー）：大風呂敷が、事例とゲーム理論で楽しく読める

　The Better Angels of Our Nature :　Why Violence Has Declined

　ハーヴァードの心理学教授、大風呂敷で楽しめる大作だ。600頁の上下は読むのに結構時間がかかる。下巻はゲーム理論などで実証しているが、上巻が破格の面白さだ。知見の宝庫だ、そのうちのいくつかを：

・聖書はWikiみたいなもの、キリストの十字架は拷問で、処刑が贖罪の「良い知らせ」で神の慈悲

・「ホッブスの罠」、安全保障のジレンマで「不信」が攻撃のインセンティブに

・攻撃者、被害者、傍観者はそれぞれ略奪、報復、法を担う三角形

・狩猟採集民族は戦争が多い、非国家社会も戦争が多い

・初期のリヴァイアサン（ホッブス：国家）により生活での心配が減少、しかしリヴァイアサンの発達で専制君主が出現し暴君・聖職者・泥棒政治家が跋扈

・14世紀に比べ20世紀のイギリスは殺人件数が95％減少、中世は「子供じみていた不作法」、Second Nature（習慣）の未確立、GropeCunt（赤線）など性的で粗野、食卓では自前のナイフが危険→フォークとセットに変化

・国家・通商が相互作用し、中央集権化、暴力の独占、貨幣取引、官僚と分業など発展し経済成長

・アメリカは南部に犯罪が偏在、暴力の加害者は15～30、ベビー・ブーマーの年齢が70年代の狂乱と重なる→コーホート分析以上に暴力的になった

・CAD（不良男）がDAD（子育て男）に連続体になる（ヤンママみたいなものか）

・17，8世紀に専制政治と政治的殺人が減少、「穏やかな通商」と「民主制」（Free Rider Problemを乗り越え恩恵は国民全員に行きわたる）

・２０の大罪：人口調整後では安史の乱、モンゴル帝国の征服、中東奴隷貿易、明朝滅亡、ローマ滅亡の順で宗教、国家戦争、経済略奪など

・戦争の規模と確率はべき乗則（これは有名）

・戦争の強硬化は「戦死した兵士の死を無駄にしない」というサンクコストの誤謬

・独裁政権は国家間戦争、大規模な内戦、ジェノサイドの可能性が高い

・マルクス主義は歴史的「ツナミ」で大虐殺、階級を民族に読み替えたナチス台頭の一因

・テロによる死亡確率は低い、恐怖こそTerrorismの本質

・レイプ減少はフェミニスト運動の功績

・いじめ：ジョックスにいじめられるゴス（　https://en.wikipedia.org/wiki/Jock_(athlete)　）は過大

・情報が文化の向上に貢献：「文化」三部作　トマス・ソーウェル（経済学者）、参考　アーヴィング・ごっふマン「行為と演技」、キャロル・ダヴリス「なぜあの人はあやまちを認めないのか」、ロバート・トリヴァース「欺瞞と自己欺瞞」

・「内なる悪魔」は人の失敗や不幸を喜ぶ「シャーデンフロイデ」

・暴力の分類：目的のための手段、優位確保（エゴディズム）、リベンジ、サディズム

・しっぺ返し戦略は有用

・Empathy（共感）、Einfuhung（感情移入→ヴォリンゲルの「抽象と感情移入」）が由来、Sympahy（同情）、Conpassion（思いやり）に似た意味で使われる、暴力の抑止となる

・平和主義のジレンマ解決：リヴァイアサン（罰則付加）、商業（利益付加）、女性化（虚栄心減少と屈辱感の減退）、共感と理性（平和の重視と敗北・勝利の効用減少）

　とても面白い、本年必読の名著だ

美々卯（大阪 淀屋橋）：9月の賑わいそば

小さな秋刀魚のかば焼きが出色。最近は暑いが、9月に入り、まずは「かけうどん」が復活、葱と鰹節、七味で食べる。野菜（獅子唐と茄子）の天ぷらを入れることが多い。

このあとは蕎麦で大体10枚を目処にする。先ずは、とろろともみ海苔で2枚、鱚の天ぷらで紅葉卸を入れて2枚。4枚は八寸のお造り（烏賊と鮪）や蒲鉾などで楽しむ。

締めの2枚は紅葉卸と鞘巻の天ぷら、尾っぽで1枚、胴体で1枚食べる

最後は、葱と山葵を残しておき蕎麦湯をゆったり楽しむ

資本主義の終焉と歴史の危機 （水野和夫）：証明のない歴史経済学、読むに値しないと感じた稀な著作

　著作が多いようだが、埼玉大学の博士で日本大学の教授とある。文体が特異で「～なのです」というのは違和感がある。

　全体には歴史経済学かと思うが実証がない。現在の世界的な低金利を、歴史から「国際的拡大」、「国内市場拡大」、そして「電子・金融空間」とつなげているが、論理飛躍が大きい。

　歴史的分析にはピケティあたりの受け売りの感が強い。また国際的な交易拡大なら、ジャレド・ダイアモンドや青木昌彦あたりの大きな絵を参考文献に挙げるべきだろう。

　中間層の没落、「蒐集」（強欲）などの指摘も凡庸だ。

　このような著作がなぜ出版されるのか分からない

一平（兵庫 三ノ宮）：より美味しくなった

　久々に4人で訪問。2人は初めてだが、「今度、家内を連れてくる」と好評。まずはポテト・サラダ小から。飲み物はホワイト・ビールのヒューガルデンが滑らかでフレッシュ、飲みまくる。

　フライから始め、ヒレ・ビフカツ130gとエビフライ（4本）、ビフカツが大好評ですかさず追加。

　グリルのドゥミグラス・ソースものとして、さっぱりチキン・ソテーとこってりビーフ・シチュー。チキンのドゥミグラス・ソースは軽めだが、シチューはこってり濃厚で玉葱と焦がしを感じる。交互に食べるとたまらない。シチューのドゥミグラス・ソースをすくいガルニの人参などで食べるのもこたえられない。なお、すべてご飯が付く（大盛り可）だがぐいぐい食べる。

　最後はマカロニのイタリアンを卵黄だけにしてしめる。懐かしいケチャップ味が老舗の矜持だ。

　堪能して、お腹いっぱいで京都まで帰る

マンションは10年で買い替えなさい（沖有人）：マンション売買には必読、ネット情報はこれから

　大変役に立つ、知見は

・家賃の利回りとキャピタル・ゲイン（ロス）をいつも知るのが資産管理

・住宅すごろくの変容：住変わりパターン

・都心志向と利便性評価

・住み替え選択肢の確保、賢い住宅投資

・自家用住宅投資はリスクも資金コストも低い：4%のメリット

・買い時は中古との比較→2003年が底で買い時だった

・どんなものでも坪4万円が毎年減価→検証を知りたい、分譲時高額の減価が少なく有利

・価格がすべて、適正価格とは違う

 

　まことに真っ当な書籍で有用だ。一家に一冊、ネットのサイトも活用をお勧め

オートゾルで自転車のアルミを磨くと光る光る

　自転車部品の磨きのアルミを磨いた方が綺麗だとのI’sの助言があり、早速オートゾルをアマゾンで発注。2千円ほど。灰色のクリームで、フェルトにつけて磨き、仕上げに拭くと良いとある。フェンダー、ステー、チェンリング、クランク、ステムなど磨く。ピカール（LP押さえの真鍮にはこれだ）より光るし楽だ。

　あまり磨くのは好きではないが、これくらいなら気楽に磨ける

柴藤（大阪 北浜）：おひつまぶしは夏の救い

　お昼に会食なら、おひつまぶしB（3,200円）が多い。葱、山葵の薬味をWでお願いするのがお決まりだ。地焼の鰻は香ばしい、タレもあっさり、味わいがある。3杯に分けて食べるのが多いが、初めの2杯は葱と山葵で食べ、鰻、山葵の対比、葱の変化が楽しい。合いの手に肝吸いが口を洗う。3杯目はさらに海苔を足して出汁をかける。

　ゆったり出てくるため話ができる。夏でもさっぱり食べられる

テニスが楽しい：Yonex 98Ai（LG）

　Yonex 98Ai（LG）に替えてからテニスが楽しい。広いスイート・スポットに面を合わせるだけで返るのは楽で、しかもPowergyのガット（55lb）と相性がいいのか、ガットが凹み、フレームがしなり、反発でフル抜くとドライブで運ぶ。しかもしなやかであり、手や肩への負担がない。

方向はクロス、逆クロス、フォアのストレート、バックのストレートと方向が多彩、距離と高さはショート・クロスからロブまでスイート・スポットに当てれば変化も簡単だ。ただしBabolat Aeroにある切り裂く速さではなく速度と回転で管理する「位置」が正確で力は誇れない。

　ボレーも、引かずに前に構え、ガットの真ん中に乗せて、踏み込むだけで鋭いスライスが狙ったところに入れられる。

　秋も近づき、ぱんぱん打ち合うのが楽しい季節だ。Pawergyロール・ガットもあと１回分でロールのYONEX　850Xに替えようかと思っている

　テニスが楽しい

小林家（京都 修学院）：中華そばは、どろーん、ぼやーん、しょっぱい

　修学院離宮拝観の前、小腹が空いて久々に。中華そばは550円で、どうした訳か麺がかん水臭く、濁っている。スープのからみもぼやーんだが、スープを飲むと塩っぱく、葱との取り合わせが良く旨みがある。

　蒲鉾2切れが和風の証。チャーシューは端っこの醤油たっぷりが3切れ。これはよかったが麺がでれでれだった。

　うまいまずいを超越した店屋のお味はなんとも懐かしい

修学院離宮：秋が桂より進んでいたが、独自の案内のI上氏は理解できない

　Presta（Racer）で快調に飛ばす。柔らかい26Cでしゅんしゅん、硬いフレームだが、DTSwissの15-16スポークが良い仕事。加速と安定が凄い。STIはホントに便利。

　修学院は周りの棚田の稲穂が重い。紅葉も色づくがこれから。

　ビデオは待合室内で見るが、数十回来ているため見ずに外で憩うのが楽しい。案内のI上氏が来て「中に入れ」という。むっとした。暑いから中で拝観説明を始めるという。初めてだが、そのように説明があると分かり易い。20人超の参加で朝の桂拝観からの方も数名

　次に、下離宮から説明があるが

①滑舌が悪く意図が伝わらない

②既知の説明であり聞く必要がない

③聞いていると不快な冗談を入れた説明で聞きたくない

のため、離れたとことで軒先に座っていると、座るな！と公衆の面前で言う

　さらに、中離宮で同じく軒先に座っていると、また座るな！と公衆の面前で言う。「いつから座ってはならなくなったのか」と問いただすと返答はない

　暑い夏なら、説明をするなら軒先に座ってもらってでも聞かせるのが思いやりではないのか。急な階段を登った隣雲亭でも座るのを勧めなかったのは訝る。

　桂でもさらに歩く修学院でも、軒先に座るなと言われたのは初めてだ。案内者個人の性癖なのか、宮内庁としての「軒先には座るな」という方針変更なのか聞いてみるつもりだ

　案内の品質が低すぎる