幼児期からふたりでレッスンしている小学2年生の●ちゃん○ちゃん。
このごろ算数や国語に確実な力がついてきたのを感じます。
出会った頃から、●ちゃんと○ちゃんの長所は、ちょっとやそっとのことでは揺るがない
高い自己肯定感です。
●ちゃんはぶきっちょなところがあって、折り紙を折ればくちゃくちゃっと丸めたような出来だし、
工作をすれば、そこら中の物をぺたぺた貼りかためて、目玉つけて完成!という
作業が雑なことこの上ないのです。
ですが、出来栄えなんかお構いなしで、工作も絵を描くことも楽しくてたまらない……
といつも自信満々で、作品数だけは誰にも負けないってくらい作りまくっていました。
●ちゃんのお母さんは、成績にしても、器用さにしても、そうした上手下手でいっさい評価をしない方で、
●ちゃんが今を一生懸命、いきいきと過ごしているかどうかだけを大事にして子育てしておられました。
算数の学習で、●ちゃんは頭の回転は速いのだけれど、パパッと雑に作業をしてミスしたり、
少し長い設問になると、読み飛ばして、「ええーわかんない」と言ってすませたりするところがありました。
それが2年生になったあたりから、これまで蓄積してきたものが外にもあらわれてきたようで、
もともとのひらめく力の高さに粘り強さや思考力が加わってきました。
いっしょに学んでいる○ちゃんは、考える力が高くで語彙が豊富な子ですが、
基礎的な訓練をあまりしなかったため、1ケタ+1ケタの足し算引き算で長い間
ミスがなくなりませんでした。
が、○ちゃんも2年生になってから、めきめき実力がついてきました。
今日は、●ちゃん、○ちゃんに、ちょっと難しい算数を2問出したところ、一問目は、
ふたりともさっさと線分図を描いて、答えを出して正解。
2問目は難しかったようで、長方形と線分図を描いて、いろいろな数をあてはめては
考え込んでいました。
感心したのは、それほど難しかったにもかかわらず、
ちょっとしたことであきらめずに、真剣に考え抜いていたことです。
おかげで、私がチップを渡して、それを使って考えてみるようにうながすと、
●ちゃんはたちまち正しい解き方を思いつき、○ちゃんはそれを見てきちんと理解することができました。
ふたりが解いていたのは、トップクラス問題集の次のような問題です。
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<1問目>
ともやさんと 弟は あわせて 4000円 もって いて、ともやさんは
弟の ちょうど 4倍 もって います。
ともやさんと 弟はそれぞれ 何円 もって いますか。
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<2問目>
まわりの 長さが 120㎝の 長方形が あります。
この 長方形の 横の 長さは たての長さの ちょうど 2倍です。
横と たての長さは それぞれ 何㎝ですか。
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↑ チップ1枚を10として、120を4つの辺にどのように分けるか
考えました。
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●ちゃん、今も文字が雑だったり、作業が荒っぽいところはあるのですが、
絵ははっとするほどきれいな絵を描くことが増えてきました。
このごろ読書の幅が広がって、愛読書といえば「忍たま乱太郎」や「怪傑ゾロリ」ばかりだったのに、
リンドグレーンの児童文学などもよく読むようになったそうです。
(●ちゃん、車酔いしない体質なので、虹色教室に来るまでの車内で、「3~4冊本を読み終わったよ」と
聞いて、びっくりしました)
○ちゃんは、自由でのびのびした創造力あふれる子なので、誰に手伝われることなく
幼児期からもりもり物を作り、絵を描き、遊びを展開し、本を読む子だったのですが、
最近はそれが洗練されてきて、
学習面でも能力が発揮されるようになってきたな~と思います。
○ちゃんのお母さんも、遊びの世界の豊かさには気を配るけれど、
できるできないの評価はいっさい気にしない方です。
●ちゃんも○ちゃんも、そうした親御さんの物の捉え方やリラックスした育て方のもとで、
どんなに苦手に見えたものも、めきめきと力をつけていることに感動します。
子どもの成長には、人的環境って本当に大切だなと思います。
「評価しない」
「結果を求めない」
「子どもの生きている実感や幸福感、人との関わりを、何より優先する」
「子どもの自己肯定感を育む」
といった大人の態度が、どんなに遠回りに見えても、
最も子どもを成長させる要素だと感じています。