子どもはどの子も基本的に自分のアイデア、自分の考え、自分の興味関心、自分の愛着などを
中心に工作をするのが好きです。
その時、ちょっとした工作技術を教えると、子どもの心に深く響く時があります。
何が強く響くかは個性にもよりけりですが、年代によっても特徴があります。
小学1年生の子らは、それより年下の子たちとちがって、
工作技術を教えた時に、「そういう原理だったのか!」「そういう仕掛けだったのか!」「そういう意味が
あったのか!」というより高い視点からの気づきのようなものがあります。
上の写真は、1年生の子が作った『電子レンジ』です。
この子はボタンをテープで貼って、自分のアイデアに大満足でした。
その時、「とびらのボタンを取り付ける時、穴をあけて、とびらの裏から短く切ったモールを通し、
次にボタンの穴に通し、再びとびらの穴に通して、とびらの裏でモールをテープを止める」という
方法を教えました。
すると、1年生の子たちは、
上からテープでボタンを貼り付けるよりずっときれいで、強度が増すことに
心から感動していました。
それより幼い子たちだと、きれいにできあがったことに喜ぶところで、
一本の短いモールが、こんなすごい働きをすること、
知恵を使うことの面白さに感動しているのです。
この1年生のグループで、こんなシーンもありました。
クレープやアイスクリームのコーンを作るための
簡易コンパスを作ったところ、
どの子もクレープやアイスクリームができあがるということ以上に
ふたつの穴が円を描くことに驚き、感激していたのです。
簡易コンパスは、食品の発砲トレイ、楊枝、半径サイズに穴を開けて
切った厚紙を用意したらできあがりです。
この同じコンパスも2年生の子たちに見せた時は、別の場所に穴を開けると
どうなるのか、ということに関心が向かっていました。