虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもの個性と学習タイプ 見極め講座3

2021-11-28 13:39:00 | 子どもの個性と学習タイプ

今回取り上げるのは
「聞き分けの良い素直で従順な子」
「おじいちゃんおばあちゃん子」
「お母さんといっしょに何かするのが好きな子」
です。

このタイプの子は
利発な子も、甘えたなぼんやりさんもいるでしょうが、親とすれば扱いやすいかわいくてたまらない子ですね。

お手伝いを喜んでするし
「だめ!」と言われたことは2度としない。
習い事も、親のすすめに従って
嫌がらずにきちんと通います。

周囲から「お行儀が良いですね」と褒められ、先生からも特別かわいがられている様子。

子どもにトラブルが起きたら
まず相手が悪いんじゃないか?と誰もが疑ってしまいますし、実際相手が悪い…。

そんな「おりこうさん育て」
実はなかなかやっかいな一面もあります。

まず注意しなくてはならない点は
親が注意したことを、視界や興味から遮断する習慣があることです。

お買い物中、「触っちゃダメよ」と言われたからと
静かに待つことに集中できる子は
常に好奇心ではちきれそうな子に比べて
周囲への関心が薄い状態。

こうした聞き分けの良いタイプの子の小学生が
100円と50円の違いがわからなかったり
基本的なくだものや魚の名前を知らなかったりして、びっくりすることがあります。

また、何でも良く知っているんだけど
大人の受け売りで
少しも自分で考えようとしない子も、このタイプに多いです。

もちろん、外出先でのしつけは大事です。
しかし、もともと聞き分けの良い子をたくさんのタブーで縛ってしまうと、
親の考える小さな枠の中でしか成長しない子になってしまいます。

親自身が周囲から褒められる快感に酔って
必要以上に「理想の良い子作り」に励むことだけは避けたほうが良いようです。

そんなおりこうさんに合う学習法と教える上での注意点など書きますね。

「従順で素直な子」とひとことで言っても
隠れ自己流の子
大人の考え=自分の考え の子と
さまざまだと思います。

また利発でよく本を読み、我慢強く
自分から進んで何でもこなす 
どう見ても何の心配もないでしょう?という子もいます。

ただ、どの子も‥特に利発な子は
思春期以後に
メンタル面(精神面)での
問題を抱えやすいので注意が必要です。

いい子がメンタル面で障害を抱えやすいのは
周囲の期待を先取りして
自分の願望や欲求と取り違えてしまうために起こります。

親がワークを進んでするいい子を期待していると
親が止めても「ぼく、いっぱいいっぱいワークがやりたい!」と言ったりします。

親が選んだ習い事もニコニコして通います。

なら、取り違えてたっていいじゃない?
自分の子に 何よりも素晴らしいものをコーディネートして与え続けていきたい!
と心の底で考えてしまう親御さんもおられるかもしれません。

でも、子どもが成長して自立する時
親と自分の心の境界線があいまいな子は
自分が何がやりたいのかわからなくなって
社会に出るのが不安になってしまいます。

いい子は、元がいい子なので
放っておいてもいい子です。
いろんな価値観の(親が良いと思う人も悪いと思う人も)の中で、
おおらかに自由に育てるのがいいと思います。

学習習慣は比較的付きやすいと思うので
最低限のことを済ませたら
子どもの自由な発想に付き合ってあげます。

勉強も
おばあちゃんにお手紙を書く
お料理を手伝いながら はかりの使い方を覚える
クッキーを焼いてお友達にプレゼントする
お使いに行ってお金のやり取りを学ぶ など
その優しく素直な心が満足する活動を中心にするといいと思います。



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