次に取り上げるのは
「競争好きな子」
「負けず嫌いな子」
「することが効率的で利発な子」です。
習い事や幼稚園で
すでに他の子より数歩先をいっているので
わざわざ個性について学ぶより
次の習い事は何をさせようか?
とそのことで頭を悩ましているかもしれませんね。
まだ学習面で目立ったところはないけれど
おかたづけで
「さあ だれが一番早く片付けられるかな?よーい、どん!」
とか言うと
我先にテキパキ働く子!
スポーツもがんばって チームの勝利のために全力を尽くす子。
大人にすると、扱いやすい良い子です。
が、このタイプの子をわざわざ取り上げたのは
幼児期から気をつけないと
テストはできてもわかってない子
になる可能性が高い子でもあるんです。
効率的な子というのは
今周囲から期待されていることに100パーセント
力をそそげるので
良くできる子でいられる確率は高くて当然です。
しかし、無駄や道草の中にある
本当のものや感覚的な気づき、深い思考を
常にスルーしての1番!2番!でもあるので、後々その
無駄と道草をまとめてすることになりやすいようです。
そこで親が無駄に見えることの価値に気づかせ
自分の気持ちを味わう時間を作ったり
芸術や音楽を競わせず楽しみとしてさせていないと…
あるとき自分で超えれないものにぶつかったとき…
100ます計算と漢字テストはいつも一番だったのに
国語の読解問題がやっても解けないー!となった時など
どうして…と思うほど自分をダメな人間だと感じるようです。
東大を目指しているようなエリートの子の中に
ニートになる子が多いそうですが
成功や実績=自分の価値
周囲の評価=自分への愛情
という考えだけで、ひたすら努力してきた子が
挫折した時の苦しみは、そうとう深いのでしょう。
それでは、そうした子の学習法と注意点についてです。
子供が自分から習い事をしたがるので
いくつも習い事を掛け持ちしている子も
多いのではないでしょうか?
おまけに何をやらせても
てきぱきとして積極的なので
習わす側の親も、買い物気分で英語にプールに…と
手を広げてしまうようです。
このタイプの子は本来利発でIQの高い子も多いと思います。
しかし、ここでひとつ幼児期の習い事が
うまくいってしまうことによる落とし穴があるようです。
まだ思考力の発達していない幼児向けの習い事は
繰り返して暗記することを中心に
カリキュラムが組まれています。
そのために、まだ幼いのにそれに適応しすぎた子は
最初の学習の形を 後々まで引きずってしまいがちです。
そして、このタイプの子は
しすぎるほどに適応してしまいます。
算数脳の育て方(高濱正伸 幻冬舎)という本では
作業ばかり特訓した子が
「言われたことしかやれない」
「工夫や考えのない仕事ぶり」
「応用力が利かない」という
人格を形成することを憂慮しています。
私の知人が、かつて 「幼児教育をすると文系になるから…」と
言っていました。
知人の同僚の子たちの成長を見ていて
結論づけた考えらしいです。
文系そのものが悪いわけではありませんが
幼児教育をすると文系になる…という言葉は
算数の力の多くが外遊びで養われることを思うと
何となく納得してしまう言葉でした。
しかし、もともとこのタイプ、頭の回転が速い子たちですから
親がいっしょになって
子供の競争に一喜一憂せず、
高い次元からおおらかに子供の成長を見守るなら
素晴らしい成果が生まれるにちがいありません。
さまざまなゲーム遊びにも本気で取り組むでしょう。
そして、競争とは別の面で
科学や数学や言語の世界の面白さを味あわせるようにすると
高い目標に向かって努力していくのでは
ないでしょうか?