虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

愛着の形成がうまくいかなくなってきた現代

2012-11-22 09:56:25 | 日々思うこと 雑感

最近、愛情深く育てられていて、発達障害もないと思われる幼児の表情のレパートリーが少ないことが気にかかることがよくあります。
笑顔と無表情、泣き顔と怒った顔以外の、
「恥ずかしそうにしながら好奇心いっぱいに目を輝かしている表情」とか、
「ちょっと含み笑いをするような表情」とか、
「喜びに満ち足りてフワッと笑顔が顔全体に広がっている表情」とか、
「ちょっぴりすねながらも、甘えていて、こちらを上目使いにうかがっている表情」など、子どもが自分の感情を自然にいきいきと表現する姿が
あまり見られないのです。

子どもの『愛着』の形成について関心が強い知人は、
親子の間の愛着の希薄さのようなものが、
子どもの表情のレパートリーの少なさと関係していると
話します。

子ども側の親を強く激しく求めていく本能のようなものが弱くなっていて、
親の側も子どもをぎゅっと抱きしめようとする本能のようなものが弱くなって
いて、
人として生きていく基盤となる部分が
育ちにくくなっていると言うのです。


過去記事ですが、よかったら読んでくださいね。
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「公園などで見かける多くの幼児が、
『愛着』の形成がうまくいっていないように見える」

「そうした子の親の関わり方を見ていると、
外からは可愛がっているように見えるし、ごく普通の親のように見えるけれど、
子どもとの心の交流や非言語でのやりとりが
かなりずれているようだ」

数年前から、幼い子を育てている最中の知人から、繰り返しそうした指摘を受けていたため、
私もその問題には細心の注意を払ってきました。

愛着とは、特定の人に対して「この人は自分の欲求や感情や意思を理解してくれる。この人といれば安心だ」という認識をもつこと。
特定の人に対して特別な情愛を抱くことです。
生後6~8ヵ月頃に、赤ちゃんの心に大人との関わりを通して形成されます。

愛着がきちんと形成されないと、次のふたつの態度が生まれます。

世話をしようとしている人に対して、警戒的で、「素直じゃない」という態度が多くなります。
甘えたいの甘えることができなくて、優しくしてもらっているのに、怒りだしたり泣いたりします。

一方、初めて会う人にもなれなれしく近づき、ベタベタし、
社交的に見えるものの、警戒心がほとんど見られず、
相手がどんな人か頓着しません。

3歳くらいまでは、子どもってこんなものかな~と思ってきたけれど、3歳を過ぎ、成長するにつれ、気になることが増えてきたという方で、
子どもの愛着形成がきちんとできていないな~と感じるケースと
よく出会います。

「こんな風にしたらうまくいく」と一言で伝えられる内容ではないのですが、
愛着の形成に集中的にしっかり努めてみると、
母親に1,2歳児のようにベタベタ甘える時期、、
親に八つ当たりしたり、ワガママをぶつける時期を経過したあとで、
状態が飛躍的に良くなる子が多いです。

愛着の形成に問題がある子は、
発達障害を持っている子もいるし、ごく普通の子もいます。
どちらであっても、
愛着がしっかり形成されていくと
問題のある行動は減ってきます。

2歳3歳の子というのは、愛着に問題がなく、
すくすく育っていても、
何でもかんでも「自分で!」と言い張ったり、「ダメ」「イヤ」と言わないと、
何もはじまらないのが普通です。
ですから、子どもが、よく泣いたりごねたりするからといって
過度に心配する必要はありません。

しかし、今、子育て環境の変化から、
専門家の間でも、
「普通の家庭」で育てられている子ども達の間に、愛着がきちんと形成されていない子がたくさん見られるようになり、
特に、
「人見知りがなく、誰にでもすぐになれなれしく甘えていく脱抑制型の愛着障害がよく見られる」という指摘がされているのも事実です。

私自身も、記事の最初に登場した知人も、子どもの姿を観察しながら、
非常に多くの幼児がこの問題を抱えていることを感じています。
愛着の形成の問題は、安易に見過ごすわけにはいかない、
先の多くの問題(学級崩壊、不登校、反社会的行為、無気力無関心)のねっこともなるものなんだろうな……と感じています。

続きを読んでくださる方はリンク先に飛んでくださいね。

 

「愛着」の形成がうまくいかなくなってきた現代 2

「愛着」の形成がうまくいかなくなってきた現代 3

「愛着」の形成がうまくいかなくなってきた現代 4

「愛着」の形成がうまくいかなくなってきた現代 5



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