100分名著というNHKのテキストで、SF作家のアーサー・クラークの特集をしていたので、
購入しました。
テキストの案内役をしていた作家の瀬名秀明氏の
こんな言葉が心に残ったので紹介しますね。
ぼくは本書をお読みの皆様に、「センスのよい好奇心」を育み続けることが
生きる上で何より大切なのだ、とお伝えしたいのです。
という言葉です。
こうも語っておられました。
たんに「好奇心を持つ」だけでは充分ではありません。
「センスのよい好奇心」こそが科学や文学の垣根を取り払って
未来を作ることができる、ぼくたち人間のかけがえのない力だ
といいたいのです。誰もが「センスのよい好奇心」を育むことができる、
とぼくは考えます。
「センスのよい好奇心」とはどのようなものだと瀬名氏が捉えておられるかは、
このテキストを最初から最後まで読み通さないときちんと伝わってこないかもしれません。
が、この「センスのよい好奇心」という言葉、
確かに誰にとっても大切で、
どの子の中にも育んであげたいと感じました。
教室で子どもたちの物作りにつきあっていると、
「これが面白い」「こんなことがしてみたい」
「これにわくわくする」「これにすごく興味がある」という思いは、
十人十色で、ひとりひとり異なるのです。
電子工作が好きで好きで、自分の部屋をスパイの部屋のようにしたい
という願いを、アルデュユーノを使って実現した小1の男の子がいれば、
植物の作りに非常に興味があって、食虫植物を動きまでそっくり再現して作った
小二の女の子もいます。宇宙が好きな子、発掘に興味がある子、古代文明が好きな子、
形に関心が高い子、他人に何かを伝える方法を模索する子、ボードゲームが大好きな子
など、好奇心のアンテナが何をキャッチするか、子どもによって
よくもまぁ、こんなにちがうものと驚くほどに異なります。
教室では、それぞれの子の好奇心とていねいにつきあっていくことを
ずっと大事にしてきたのですが、それでいいんだな、と思える言葉に出会って
うれしくなりました。