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何度か工作のワークショップに足を運んでくださっている方に次のようなコメントをいただきました。
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奈緒美先生は言葉数が少ないけれど、子供の気持ちをぐっと掴み、それぞれの子供の気持ちを大切にしつつ、学ぶことは楽しいことだよみたいな感じを与えておられるような気がします。
ちょっとしたコツ。
どんなコツなんだろう?
奈緒美先生のような教育者、保護者がたくさんいればもっと子供が伸びると思います。
そういった方法を学ぶために大人だけの学びの会があれば嬉しいです。
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上手に子どもに接しているというより、
子ども自身が、学ぶことに対して本能的な強い意欲を
潜在的に持っているため、
大人がちょっとタイミングに気をつけさえしたらがんばるのですが……。
私が子どもたちが積極的に自発的に振る舞い、
勉強や制作活動に集中して根気よく取り組むようになるために
気をつけていることをいくつか紹介します。
★子どもは自分の限界まで力を使いたい
京都の工作ワークショップでのこと。
会場には大量の折りたたみ式の会議用テーブルがありました。
ワークショップ中は、部屋の奥にたたんでしまっていたので、終了後に運んでも運んでも終わらないほどたくさんのテーブルの移動と、折りたたんだ状態から通常のテーブルに戻す作業が待っていました。
私がテーブルを引きながら移動していると、小学1年生の男の子がテーブルの後ろを持って手伝ってくれました。
1つのテーブルをセットし終えて、次のテーブルを移動させはじめたとき、
私は真剣な表情で押している男の子の様子をうかがいながら、少しずつ自分の力を抜いていきました。それから、「ひとりで押してみる?」とたずねました。
男の子はうれしそうにこっくりしました。
それで私は、テーブルの操作を男の子に任せ、人にぶつかったり、本人が疲れ果ててしまわないかにだけ注意を集中して、横を歩いていきました。
手伝ってもらってみんながとても助かっていることを伝え、ひとつひとつやり遂げていった後の達成感をいっしょに味わいました。
それから、本人がやりたがるだけそうして最後までつきあいました。
仕事を終えたとき、男の子は自信に満ちた表情をしていました。
この男の子が私と会議テーブルを移動していたとき、他にもテーブルを運ぶ手伝いをしようとしていた子たちがいました。
それが、子どもがテーブルを移動させだしたとき、
まわりの大人たちがその子に完全に任せてしまっていたので、
小さい子にぶつかってしまった子がいました。
相手に怪我はなかったものの、本人がショックを受けているところを、大人に見咎められて「何をしているの? 危ないからあっちへ行っていなさい」と叱られていました。
また別の子どもたちは、
「ここ持ってなさい」と指示されながら、お遊び程度の大人のお手伝いをさせられるうちに飽きて他所へ行ってしまっていました。
私はとても残念に感じていました。
ほとんどの方が、勉強のように大人が価値を感じるものを教えるときは、
熱心なのに、
子どもが自発的に学ぼうとしているときには、無造作に接して、追い払ってしまうからです。
勉強でがんばる子というのは、勉強以外の自分がやってみたいことの中で、(コマ回しでも、泥遊びでも、泡だて器を使うことでも、卵焼きを作ることでもいいのですが、)「意欲的になってやってみてよかった!自分にはできる!」という成功体験を積んでいる子です。
そうした体験を通して、
自分の意志や選択に自信が持てるようになっているのです。
がんばることからくる見返りは、他人から得る評価ではなく、自分で感じる達成感や誇りにもあることを知っている子なのです。
「自分でやってみよう!」という意欲を見せたときに、
自分の無力を見せつけられたり、
「あなたにできるわけないでしょ」と大人が考えていることに気づいた子は、
自信喪失をごまかすように やる気のない子どもっぽい態度をしるすようになります。
子どもはいつも自分の枠を超えて、自分の限界に挑戦しようとしているので、
子どもの中から「やってみる」という覚悟を引き出したら、その体験が成功につながるようていねいに支援する必要があると思うのです。
えっ、子どもには失敗から学ばせるのじゃないの?
と思った方がいるかもしれません。
子どもには自由にたくさん失敗させることも大切ですが、
大人にフォローしてもらいながら、自分の限界を乗り越え、成功を味わう体験もたくさん必要だと思っています。
特に、コンプレックスにつながりそうなことはそうです。
たとえば、知的なゆっくりさんがいるとしたら、その子が他の子に何か教えるチャンスをたくさん与えます。遊び方でも工作手順でも、三角形の直角がどこかということなど何でもいいのです。
ある一点、分度器の十字に交差する点はここに当てるということをしっかり教えたら、
他の子たちには、その子に教えてもらい、きちんとお礼を言うように言います。
そうして言葉ではなく体験を通して、学ぶことの意味や喜びを味あわせるようにしているのです。
知的障害の子も自閉症の子も、それぞれが独自の才能を持っているし、
「やってみたい」と意欲的になる活動があります。
自閉症スペクトラムの子たちは、人と関わりたがらなくて自分の世界に閉じこもっているイメージがありますが、現実には、一般的な子たちよりも強く友だちを求めていて、人との関わりで成功体験を積みたいと希求しているケースが多いです。
ただ、自然には難しいので、
大人の十分な(でも控えめな)フォローが必要なだけなんです。
私は子どもがどんなに幼くても、障害を持っている子でも、
「あなたは社会の一員で、社会はあなたの力を必要としています」
というメッセージが伝わるように接しています。
子どもは体験を通したそうしたメッセージに
必ず全力で応えてくれます。
言葉だけでは難しいので、次回にもう少し具体的に書いていきますね。
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ここからは私事ですが不器用なところがあり 工作会に参加させて頂いた時も「今日は先生の接し方や作品のほめ方などを観察して盗もう!」と意気込んでたのに実際は自分と我が子ととなりの子の相手に打ち込んでしまい 先生や他の子たちの制作も観察できませんでした。二人目が産まれた時もまわりに「上の子優先にしてあげると下の子をかわいがるいいお兄ちゃんになるよ、逆にいえば下を可愛がりすぎると上の子は下をいじめるよ」とアドバイスをもらい 上の子優先にするようにしてたつもりが 下の子より上の子を可愛いと思わないといけない→下の子を必要以上に可愛と思わないようにする。みたいにしている自分に「違う!」と気付き その後はうまくどちらにも 優先すべき時に優先してあげれるようにはなれたと思っています。「手出し口出しし過ぎない」というのも度がすぎてアドバイスすらしてあげない。になってしまいそうな時もありました。話がそれすぎましたが ほんと 接し方 見本になるふるまいなど 正しく理解して実践するのは むずかしいですが 知らなければ間違ったことしかできません。知っているば 出来てない時 反省したり落ち込んだりしてしまいますが その都度気をつけていけば少しづつでも 身に付けていけるのではと思うのでこれからも奈緒美先生の記事、アドバイス楽しみにしております。
娘(年中)の自信をつけるために、色々頭を悩ませている毎日です。
自立と自律が大事だと思い、自分で選び、自分で決断するようにとやってきました。
けれど、私のやり方は失敗だったと思います。
先生のように「やり方を教えて、注意をはらいつつ、見守る」のではなく、教えてしまったらフォローなく手放していたのです。(自分では無意識ですが)他にも、自分で選ぶ知識や経験が無いのに選ばせたりしていました。
自立してほしいから、選ばせているのに、逆に不安定な気持ちにさせていたと思います。
手本を見せて、丁寧に関わっていけば良かった・・・と後悔しています。
自分で試行錯誤せず、すぐに人に聞くことや、失敗を人のせいにする・・・どれも子どもならある程度はみなそんな部分はあると思いますが、自己肯定感や意欲とつながっていると思います。
反対に弟のチーはまだ2歳にならないのに、姉の姿をよく観察して、失敗しつつもどんどん前にすすんでいく力を感じます。。。
あまりに大きな山で、どこから手をつけていいのか分からないくらいです。悩みつつ、出来ることからやっていますが。。。
具体的に記事にしていただけると、助かります。次の記事も楽しみにしています!
今回の記事を拝見していて、もっと適切な保育園時代の育て方があったのではないかと悔いています。当時もそれなりに 手出し口出ししないと 努力していたのですが。。。
成功体験がまだまだ足りなかったのでしょうか。
300ページを超える取扱説明書に立ち向かい、学年上のピグマを学び、工作も好きでいろいろなことに興味を持っています。学校の勉強は、今のところ理解できているはずです。学校生活で国語・算数が理解できていたにしてもそれは自信につながることではなく、ほとんどの子供が100点なので当然のことなんですよね。息子は、いつも満点が取れているわけではないですが。
息子は、母からすると色々な場面でトップになれる子供ではないけれど、真ん中位でそれなりに楽しく生きていけると理解しています。
でも、息子は自分に自信が持てないようです。小学生ともなると自分と他人の技量の違いも認識するようになり、その中で自信を持つということも難しくなりつつあります。運動面は顕著です。
下校後、参加している公的施設は息子の自信の無さを補うように答え合わせ時の先生役までさせてくれています。
今後の課題は、自信の無さと自分がしたくない苦手なこと、嫌なこと、辛いことをどこで折り合いを付けるかを学ぶことと負けない心を育むでしょうか。それが出来ないと社会で働くことは難しいですからね。
このメッセージは子どもにとって重要だと思います。親は子ども達の先を見越してお稽古事や習い事、子どもが一番大切な時期を将来への準備期として扱っていますが、実は小さな頃から大人と同じ「1人の人間」として尊重してあげることこそ最も大切なことなのかもしれません。