前回までの記事に次のようなコメントをいただきました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
虹色教室に通い始めた当初は強い算数嫌いになっていた●ちゃんが、
どんなことを教室でして行くうちにそこまで算数に強くなったのか興味があります。
うちの息子も直感的に気付くということが、こと算数に関しては本当に苦手です。
日々、学校と宿題と遊ぶことに精一杯で、家庭学習的なことは
ほとんどしていませんが、時々厚紙で作ったお金を使い両替ごっこ、
銀行ごっこなどをしています。(500円玉を100円玉でくださいとか、
840円お金をおろしますのでくださいとかそんな簡単なものです)
●ちゃんがどんな学び、遊びを経て算数嫌いを克服して、得意になっていったのか、知りたいです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●ちゃんが算数嫌いを克服した一番の理由は、●ちゃんにどんな学習をさせ、どんな風に教えたのかと
いうことより、●ちゃんの親御さんが、●ちゃんの長所を正しく理解し、●ちゃんの個性を尊重するように、
自分自身の価値観や物の見方を広げていったことが大きいと思います。
子どもの意欲も好き嫌いも、身近な大人や友だちとの関わりのなかで育まれます。
子どもが学習が得意になっていくには、その子の今の状態が勉強が苦手なら苦手なままで、
その子の力を信じると同時に、
期待を手放して、結果を求めず、あるがままのその子の今に敬意を示す必要があります。
勉強が得意になることは子どもの義務じゃありません。親がいくらガミガミ言っても、あせっても、願っても、
いったん勉強に苦手意識を抱いてしまった子の心を無理矢理、「勉強が好き」「勉強が得意」という心に
変えさせることはできません。
でも、子どもは今のその子の姿を十分受け入れてもらうと、
自分をより成長させる方向に育っていくものです。
自分が大好きになって、自分を誇りに感じると、自分をより高めてくれることや、
自分に磨きをかける行為に自然と惹きつけられるようになります。
ただあるがままに受け入れるといっても、悪いことをしても放っておいたり、苦手なことから逃げることを
許すわけではありません。
その子の存在をそのままの姿で認めることと、叱らない子育てをすることは同じではないのです。
そうした親子のいい関係作りが一番で、その次に、どのような学びを用意し、
学ぶ喜びや達成感を味あわせていくかということになると思います。
↓は虹色教室通信を始めた当初の記事で、教室の親御さんに見ていただく
ための「教室だより」のような目的で書いていた記事なので、見苦しいほど
イラストを貼りつけていますが、そこは飛ばして読んでくださいね。
●ちゃんは感情タイプと思われる子なので、学習するときも、自分の能力開発のために努力するというより、
教室のみんなが使用する教材作りを手伝ったり、
そうして作った教材で問題を解いたり、
自分で理解した問題を友だちと教え合ったりする時間を心から楽しんでいました。
科学実験をするパーティーをしたり、
算数をテーマにしたゲーム大会をしたり、
教室のお友だちと社会見学に出かけたりする子どもたちの要望で実現したイベントも、
とても喜んでいました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それでは、前回の記事の続きを書きますね。
感情タイプの子が、自分に劣等感を抱くようになって強い勉強嫌いに陥っているとき、
どのように接するといいのでしょう?
もし語彙力が足りないなら、このタイプの子がいっしょにすると喜びそうな
お料理や買い物やちょっとした物作りなどを通して、
たくさん会話をし、言葉の世界を広げていく手伝いをしてあげます。
好きなアニメ番組や漫画に付き合って感想を話し合ったり、
それをテーマに短い絵本を作るのもいいですね。
感情タイプの子は、人を喜ばせるのが好きですから、祖父母に宛てる手紙や詩を書いたカードなどを
書きたくなるような小道具(シールやスタンプやかわいい便せんなど)をそろえておくのもいいです。
お手伝いや人への気遣いなど、このタイプの子が進んでやりたがる行為をたくさん褒めて
自己肯定感を高めます。
ただ、かわいがるあまり、遊園地やショッピングモールなどのお出かけをしょっちゅうしたり、
物を買い与えすぎるといった過度の甘やかしは、
このタイプの子から、努力する気力を奪うので注意が必要です。
子どもの話にたくさん耳を傾けて、
子どもが、自分の弱さを罪悪感や劣等感を感じずに
自分の嫌な面やダメな面を、素直に見つめることができるようにしてあげることが大切です。
私は自分の子に対してはちょっと甘めの適当子育てでこれまで来ましたが、
大きくなったわが子たちを見ていて、一番、「すてきな資質だな」と感じるところは、
娘も息子も自分の欠点や弱点をよく知っていて、それを素直に見つめて反省しつつも、
弱さを自覚した状態で、そうした自分を大切に思う気持ちを持っていて、
無理のない程度に弱さを克服する努力を怠らず、自分を責めずに上手に苦手とつきあっていくことができるところです。
目標を定めるときには、客観的に自分の弱い部分を検討し、それでも
自分の意志で乗り越えてみようと決意を固めます。
挫折しそうになるときには、そうした自分の弱さを責めず、上手に気持ちを切り替えて、
より広い視野から自分や問題や目標を見つめなおして、
現実を受容したり、戦略的に目標に至るルートを練りなおしたりしています。
そうした全てをリラックスして行えることは、うちの子たちの強みだと思っています。
子どもの欠点や「できないこと」を見つけると、親はつい心配したり、すぐに何とかしてあげたいと
思いがちです。
でも、そのまんまその子のあるがままを認めて、心配したり克服したりする仕事は、
子ども本人に任せていくだけで、子どもはちゃんと育っていくんだな~と大きくなったわが子を見ながら
感じています。
わかっていたのに、止められなかった。
むなしさ、くやしさでいっぱいです。
自分が良い人だと思われるようにふるまうのが得意な人に、周囲はだまされ、私たち親子がまるでおかしいと判断される。
この欺瞞に絶対に負けはしない。
邪悪な人々という本を読んだことを思い出しました。
こちらの記事を拝見していて、私は子どものことをわかっていたのだと改めて確信しました。
しかし、いくら情報発信しても受け入れてもらえなかった。(まわりがエニアグラムでいうタイプ9ばかりのため。)
我が子がタイプ9の餌食になるのはどうしても避けたかったのです。
このような場合はどうしたら良かったのでしょうか?
素人判断は怖いので、診断してくれるところはないでしょうか?
待ちに待っていた感情タイプの詳しいお話をありがとうございました。
すぐにお礼をと思っていたのですが、
さまざまな行事が怒涛のように押し寄せ、
体調を崩したりで、じっくりと読む時間がなかなかとれず、
お礼も遅れてしまいました。申し訳ありませんでした。
外向感情タイプの子とお勉強についての記事、
とても興味深く印刷して主人と何度も読み返しています。
感情タイプは、他のタイプに比べると
やはり純粋にお勉強的なことは、あまり興味が持てないのですね。
思考タイプの長男と比べると
なぜ外向感情タイプと思われる娘は考える場面がくると嫌がるのかと
不思議に思い心配しておりましたが、
生まれつきそういうタイプなんだと知り
いい意味で諦めることができました。
育て方が悪かったのかと責任を強く感じてましたが、
少し肩の荷が下りた気もします。
感情タイプ以外の3タイプの学習の動機となるものは、
あるスタイルの学習であるのに対し、
感情型は人に褒められることなんですね。
学習よりも先に賞賛や注目を求めるという時点で、
なんだかおかしな話ですよね(苦笑)。
少し悲観的に言うと、調子がよくてお友達とワイワイやるけれど、
じっくり考えるのは嫌なので実力はつきづらい、
自分のできないことを人のせいにしがち、
でも注目され褒められたいんですね。
どちらかというと少し距離をおきたいタイプです(;^_^A。
また小学校高学年以降には勉強ができなくなっていく
一番典型的なパターンのようですね・・考えされます。
この子のよい性質をつぶさないためにも
あまり勉強的なことには期待せず、
人の心のわかる思いやりある楽しい女の子になるのを
邪魔しないようにしようと思いました(笑)。
正直に言うと、先生のブログを拝見してしばらくはショックで
どうしたものかと悩みました。
しかし皆がたとえば学者になったのでは世の中うまくいかないわけですし、
将来をあまり心配しすぎず、先生の言葉のように
“あるがままのその子の今に敬意を示し”たいと思えるようになりました。
そして“子どもはその子の姿を十分受け入れてもらうと、
自分をより成長させる方向に育っていくものです。
自分が大好きになって、自分を誇りに感じると、
自分をより高めてくれることや自分に磨きをかける行為に
自然と惹きつけられるようになります。”
という先生の言葉を胸に子育てしていこうと思います。
先生にお会いして、今回の記事を読ませていただいて
娘への接し方が変わったと思います。
私自身とても気が楽になりました。
これからも外向感情タイプの子の記事もときどきあると嬉しいです。
ありがとうございました。
どの子もいいところを見せようと「はいはい!」と手を挙げる中、なっつんは一回も手を挙げませんでした。
手を挙げなかったのに先生にさされて前で答えた時には作り笑顔でしたが、緊張のあまり顔がひきつっていました。
参観が終わって家族みんなで帰りましたが、授業中の事は話題にしませんでした。
以前の私なら娘の気持ちも考えず、手を挙げなかった事をとやかく言ってしまっていたとおもいます。
虹色教室を知ってから自分でもずいぶん変わったな~と思います。
「子供が、自分の弱さを罪悪感や劣等感を感じずに 自分の嫌な面やダメな面を、素直に見つめることができるようにしてあげることが大切です。」
いつでも心に留めておきたいと思います。
と思うほど、それほど自分と娘のことに当てはまるように思います。
「その子の力を信じると同時に、
期待を手放して、結果を求めず、あるがままのその子の今に敬意を示す必要があります。」
どうやったら子どもが変わるか…ではなくて、
親の私が変われば、子どもは自ずと伸びていくんですよね。
言葉ではわかっていても、
娘を目の前にすると、どうしても評価の眼でみてしまいます。
弟は、何をしても可愛いいし、「すごいなー、おもしろいなー」と見てあげれるのですが。
自分と、自分を育ててくれた両親との関係にも起因しているかもしれません。
私自身が大きな壁を乗り越えないといけないかな。
「その子の力を信じると同時に、
期待を手放して、結果を求めず、あるがままのその子の今に敬意を示す必要があります。」
これ、とても難しいことです。
ついつい結果を求めてしまいます。
眼に見えるわかりやすい成長、結果を求めてしまいます。
「そうした親子のいい関係作りが一番で、その次に、どのような学びを用意し、
学ぶ喜びや達成感を味あわせていくかということになると思います。」
耳が痛いです。