虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

感情が優れている子 と お勉強 6

2011-09-11 07:44:49 | 子どもの個性と学習タイプ

コメント欄で、次のような質問をいただいています。

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感覚、感情、直感、思考型というのはどのように判断したらいいのか、

もしブログのどこかにそのような記事があればおおしえください。
もしくはこういったタイプ別の特徴などがまとめてある本などありましたらご紹介いただけませんか?
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子どもがどのタイプかという判断は、このブログのブックマーク内の『子どもの個性と学習タイプ』でまとめている

記事の中にありますよ。タイプ別の特徴が載っている本はユング自身が書いている

『タイプ論』は少し読みづらいので、

『ユングのタイプ論』   M.L.フォン・フランツ J.ヒルマン 

 創元社『子ども時代の内的世界』 F.G.ウィックス 海鳴社 などがお勧めです。

 

外向的感情直観寄りの子と外向的直観感情寄りの子とお勉強

外向的感情直観寄りの子と外向的直観感情寄りの子とお勉強 2

外向的感情直観寄りの子と外向的直観感情寄りの子とお勉強 3

外向的感情直観寄りの子と外向的直観感情寄りの子とお勉強 4

 

私は直観が優勢なので、実際、目で見ているもの以上に

その背後にある「目に見えない部分」に対して敏感です。

 

それが「原因」であっても、「可能性」であっても、「人の内面の動き」であっても、

「時代や流行の流れ」のようなものであっても……。

時間軸で未知の可能性に向かって方向づけられていると感じられるものは何でも強く惹きつけられるのです。

 

 目の前にある文房具を「どこにやったっけ?」と探すような鈍感さの一方で、

そうした「目に見えないもの」ひとつも見落とさず感受しているようなところがあります。

 

感情が優れている人も同じように「目に見えないもの」に対して敏感です。

人間関係とか、人が評価して価値を与える世界(審美眼など)とか

場の空気とか、論理的に説明することも、実験で証明することもできないけれど、

ちゃんと体系化され、評価できる対象について、よく把握していますね。

 

同じように「見えないもの」に敏感だとはいえ、

直観が優れている私は

それらを、キャッチする、受け止めるという対応をするのですが、

感情が優れている人は、「見えない」ものに対して瞬時に格付けしたり、

好きか嫌いか、受け入れるか拒否するかという評価をくだしていくようです。

 

そうして嫌なものを退けて、好きなものだけを選びとって、

暮らしやすくて、自分に都合がいいように事が運ぶようになっている

環境を作って、快適に生活しています。

(といっても、劣等感が強いこのタイプの子は、

わざわざ自分が嫌な気分になるように周囲に働きかけるのも見かけます)

 

感情が優れている子の学習をサポートするには、感情タイプの子が、

「勉強なんてくだらない」「勉強はつまらないもの」「勉強ができてどんないいことがあるの?どうせないでしょ」

「勉強ができない方がかっこいい。頭いい子ってださい」

という評価をくだして、その考えに固執しないようにすることが大事です。

「やっても無駄。どうせがんばってもできるようにならない」「別にがんばらなくていいもん。悪い成績でも平気だから」

「馬鹿だから無理」「間違えたら恥ずかしいから、やらない方がまし」

「勉強をがんばったら、もっとやらされるから、がんばらない」「お母さんの言うとおり通信教材もしたし、○教室も通ったけど、

できなかったから、また何かしても無駄だと思う」といった自分の判断にしがみつくことがないようにすることも。

 

感情タイプの子は、自分の好悪の感情で、対象を評価したり判断したりする力で、周囲に順応していますから、

嫌な気分にとても弱いし、

「自分自身が変わる」とか、「自分が成長する」ということは

よほど大きな衝撃でも受けないと思いもつかないようです。

学習中、そわそわとおしゃべりをし続けて、課題を半分もこなさず、説明に耳を傾けようとしなかったことが

原因で成績が上がらないとしても、

教材が悪いか、先生の教え方が悪いか、お母さんが口うるさいから、成績が悪いのだろうと考える子もいます。

あげくの果てに、丸付けをしている学校の先生がひいきして、自分の成績だけ悪く付けているのではないかと

疑っていた子もいました。

おそらく同じ性格タイプだろうと思われるその子の親御さんも同様の捉え方で世界と接していて、

教材選びや塾選びや先生の教え方への不満を学校に伝えることには奮闘するものの、

本人が努力する気持ちがなく、ふざけてばかりで少しも課題をこなしていないことに対しては

全く無頓着でした。

 

それでは、どのようにしたら、このタイプの子の学習意欲を育てることができるのでしょう?

それは次の記事で書きますね。

↓過去記事から 『感情型の子と勉強のモチベーション』

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最終的にはこどもそれぞれの個性なんでしょうが、
やはりタイプごとの学習のやる気につながるものを知っておくと、
がんばるうちに何のための勉強かわからなくなってきて
どんどんペースが落ちてきた…というパターンは
避けられるように思います。

外向感情型の子は、表情が豊かで自信家で、自己主張をはっきりし、
快活で人が大好きな子がほとんどです。
学習のモチベーションは、幼児期は親に褒められることで、
成長するにつれ、友だちに認められること、先生に褒められること、
学習が自分の価値を上げると認識すること、
学ぶ時間が友達とコミュニケーションの時間でもあって楽しいこと、
結果がすぐ出て、がんばりが目で確かめられること
などになるようです。

勉強そのものが楽しい…ということはあまりないので、
ちょっとした勉強でも、「当たり前」とされて、ほうっておかれると、
やる気を失なっていくかもしれません。
少ししかしなくても注目を浴び、十分褒められることが必要だと思います。
頭の回転が速く、記憶力も良い子が多いので、
小学校の低中学年は良い成績を保てるだろうと思います。
注意が必要なのは、
小学校高学年くらいで、算数の文章題が複雑になったり、
国語が物語ではなく評論に近いものになってきたとき、
「めんどくさいな~」が超えられるかと、
お友だちとの交流が何より1番!!となってくると思うので、
勉強のせいでお友だちと遊ぶ時間を制限されていたりすると
思春期ごろに
学習熱が一気に冷めることも考えられます。

外向感情型の子にとって、勉強は自分の人間関係を有利にするツールのひとつ。
自分の仲良くしたい子たちが、勉強を馬鹿にしていたり、
周囲から限度を超えて勉強を強いられたりすると、
まったく勉強しなくなったりするので、
環境がとても大切なように思います。



内向感情型の子も外向感情型の子と似ているけれど、微妙にちがう部分もあるようです。
内向感情型の子は、学習は人から馬鹿にされたり仲間はずれにされないために
必要なもの!ととらえている感じがします。
成績の順位表がモチベーションになるものの、
自分の順位が他人に分かるとたちまちやる気を失うように思います。
ひそかに自分だけで、順位が上っていくことを確かめていくのが
好きなのでは…?
自分で人間関係の立ち位置を確かめるために
学習がある感じです。

資格を取るのって、外向直感型の人の趣味のようなものですが、
内向感情型の子(人)も資格を取ることが
ちょうどいいモチベーションにつながる学習のようです。
外向内向かかわらず、
感情型の子は、快や不快にとっても敏感!!
蛍の光~窓の雪~といった暗くて苦しいイメージの勉強は
あわないのだろうな~と思います。


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2 コメント

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いつもありがとうございます (ワドルディー)
2011-09-12 12:34:09
はじめてコメントさせていただいています。
しばらく前から、毎日、ブログを読ませてもらっています。一日に数回も更新されている先生に、いつもいつも感心、そして内容の素晴らしさに脱帽しています。

我が長女もまさに外向性感情型です。勉強の面白さを感じる醍醐味を、いくら伝えようとしても、どだい無理な話よね、、、と、改めて感じました。(汗)
長男は、知的障害のある自閉っ子で、これまた娘とかなり違うカテゴリの性格。
私も、二人の子供たちとは全くちがうカテゴリ。
てんやわんやして暮らしておりますが、自分と違う性格を理解する為に、こちらのブログが凄く参考になっています。

自閉っこだったら自閉療育のサイト、みたいに専門家もばらばらな事が多いのですが、こちらでは、娘も息子も母も、一切合切の家庭内での毎日の「回し方」みたいなのが獲得できます。
そこが、とてもニュートラルな感じで信頼できるポイントです。
これからもブログのアップ、楽しみにしております。

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Unknown (かろーら)
2012-05-02 13:03:28
友人の妹さんで、優秀な教員であり、妊婦さんの方がいます。

その方に、「子ども時代の内的世界」をプレゼントしたいな。

奈緒美先生のような視点で、子供を見つめ、導いて下さる教員が公教育の現場に一人でも多くいてくださったらと思います。
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