虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

2、3歳児に適した働きかけ方に悩みます

2015-04-30 13:17:33 | 幼児教育の基本
2歳後半の☆ちゃんのレッスンです。

☆ちゃんは神経過敏で頑固な一面があって、
子どもがたくさんいる場や祖父母の家に行くのを拒絶したり、
ささいなことでかんしゃくを起したり、
緊張するとどもりはじめるそうです。

前回のレッスンの際、☆ちゃんは、自分の好きな人形だけ取り分けて、残りはポイポイ投げたり、
気にいったものだけ秩序通り並べたかと思うと、それ以外を強く拒絶する姿がありました。
それで、☆ちゃんのお母さんに
「今、☆ちゃんは環境が秩序通りであることに敏感な時期なので、
モンテッソーリ教育に関する本を読んで関わり方を学ぶと、
頑固で困ると思っていた行動が、成長を促すものへ変わっていくかもしれませんよ」とアドバイスしました。

すると、今回レッスンに見えた☆ちゃんのお母さんは、
「何冊かモンテッソーリ教育の本を読むと肩の荷がおりたように子育てが
楽になって、子どもに沿った接し方ができるようになってきました」と
おっしゃいました。

それでも今度は、「本にあった教具を2,3個手作りしてみたけれど、
それ以外どんなことをすればよいのか思いつかない」
「子どもに遊びを提示しても、好き勝手に自己流でしはじめるので、
どうすればいいかわからなくなる」「創造的なアプローチに自信がない」
など、新たな迷いもあるようでした。

  「本にあった教具を2,3個手作りしてみたけれど、
  それ以外どんなことをすればよいのか思いつかない」
 「子どもに遊びを提示しても、好き勝手に自己流でしはじめるので、
どうすればいいかわからなくなる」
「創造的なアプローチに自信がない」

という3つの問いには、3つとも一度に解決する答えがあります。
それは、『子どもの行動から学ぶこと』です。

上の写真は☆ちゃんが、
細い積み木の板の上に指人形を置いていって、
途中でビー球やアクリルストーンを置き始めた様子です。
ビー球を置こうとすると、すべり落ちるのですが、
もう一回、もう一回とそればかり繰り返します。
☆ちゃんのお母さんは、そんなことをいつまでもしていても、
目に見える『作品』といえるような何もできあがらないので、
無駄だなぁと感じていたそうです。
こんなとき、できれば大人が最初にした見本通り、
お人形だけを並べていってほしいのに、
自己流で遊びだすから困ったな……と感じる方もいますよね。

でも、そうした思いをいったん手放して、
☆ちゃんの様子を観察すると、

☆ちゃんは今、いろいろなものの性質(これは転がる、
これはじっとしているなど……)のちがいに
とても敏感であること

簡単にできる作業よりも、指先に注意を集中して
そっと置かないと転がってしまうようなものを扱うことを
楽しんでいること

などがわかってくるのです。
そんな気づきを得たら、わざわざ本を見て教具を作らなくても、
身近な小物を危なっかしいところに乗せていくことや、
ハンカチをポールのかけていくことや、
食事の用意でプチトマトをトングでつかんで配らせてあげるような
ことが、今、☆ちゃんの成長にピッタリの働きかけになることが
わかってくるのです。




特別な教具がなくても、ブロックを裏返してアクリルビーズや
ビー球を乗せていくだけでも、
一対一対応に気づく時期の子の遊びを作りだせますね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。