虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ひとりの子の体験がみんなの興味に。ひとりの子のひらめきがみんなの知恵に 

2017-12-15 20:29:27 | こんなこと、やってみたい!

 

2歳3ヶ月の●くん、2歳9ヶ月の○くん、3歳11ヶ月の★くん、☆くん、

4歳5ヶ月の◆くんのレッスンの様子です。

 

3歳★くんは大きな声を出して大騒ぎしたり、

「ぼくがぼくが!」とお友だちの遊んでいるおもちゃを独占してしまったりする

困ったちゃんの一面がありました。

電池で動くような目新しいおもちゃは、★くんを激しく興奮させて、

手がつけられないような状態に陥らせることがあるのです。

 

その一方で、紙コップや色画用紙を切って工作したり、

簡単な劇遊びをしたりしていると、困ったちゃんぶりが一転、

エネルギッシュで創造力があって頭の回転が速い、

とても魅力的な性質が顔を出してきます。

そうした活動をたっぷりさせればさせるほど、他の場面でも落ち着きを見せてくるので、

★くんにとって創造性を発揮することがとても大切なのはよくわかります。

 

★くんは教室に着くなり、「紙コップはある?ひもとセロテープも!」と言うと、

あっという間に糸電話とタコを作りました。

「タコを操り人形にして劇をしてみる?」とたずねると大喜び。

セロテープとひもであやつり人形を作ると、人形劇を演じました。

 

それを見た阪急電車好きの○くんのために、電車の操り人形を作ってあげました。

劇を演じる側になったり、観る側になったり楽しいひとときです。

 

◆くんと●くんは最近、動物園に行ったそうです。

そこで、◆くんは、つるがどじょうをくちばしでくわえようとしては

つるんと何度も落としてうまく食べられないでいる姿をいつまでも眺めていたそうです。

それは魅力的なものを見ましたね!

それにそうした◆くんの姿をしっかりと心に残しておられる◆くんのお母さんは、

◆くん自身の内面世界としっかり関わっておられるなぁと思います。

 

グループのみんなで、◆くんが体験したことを劇に再現してみることにしました。

 

○くんが大好きな阪急電車に乗るシーンから始めます。

◆くんは自分ということにしている人形にブロックを足して

背を高くしました。お兄ちゃんだから背が高いのだそうです。

●くん人形や、★くん人形、☆くん人形も連れだって阪急電車で出発します。

さすが電車好きの○くん。すかさず「動物園前~!動物園前~!」と言いました。

 

動物園で降りた人形たちは、鳥の人形が毛糸のどじょうをつかもうとして

何度も落とす様子を見ました。とても楽しい劇でした。

 

わたしは子どもたちと劇遊びをすることがよくあります。

(幼児の子どもだけのレッスンでは毎回のように

劇を遊びに入れています。即興でストーリーを演じていく時もあれば、

子どもたちが脚本を考える時もあります。)

それって、「小学校時代の影響だな」と感じています。

ごく普通の公立の小学校だったのですが、校長先生がタカラヅカファンだったので、

クラス名は、雪組、星組、月組、花組でした。

毎月お楽しみ会では、脚本から演出まで全て自分たちで考えて劇を演じていました。

 

子どもの頃に自分たちで考えてワイワイ言いながら

何かを作り上げた思い出は、心の中にいつまでも残っていて一生ものの宝となっています。

教室の子たちにも、そうした「自分たちで!」の思い出を残してあげたいと考えています。

 

自由度のある創造的な遊びのいいところは、ひとりの子の体験や発見を

みんなで共有できることです。

たとえば、つい先日、☆くんは「トラ」と「ライオン」の違いに突如目覚めたそうで、

来る日も来る日も図鑑を眺めながら、「トラとライオンはちがうね~」と

確認していたそうです。こういう知識は、大人が教えこんだものではなく

子どもの中にある日、気づきとして到来したものだからこそ

感動的で、何度確認しても飽きないほど興味をそそるのでしょう。

 

そして、今回のレッスンでもトラとライオンの家族を集めて、違いに感動していました。

 

そんな☆くんの大発見をみんなで共有するために、今日の工作のテーマは

図鑑作りをすることにしました。

 

切り抜いてもいい雑誌類の中から写真を選んだり、紙を切り抜いたり、絵を描いたりして

めいめいが一生懸命作りました。

魚が大好きな◆くんが、今回はめずらしく「虫の図鑑を作る」と言いました。

 

好きな魚も瑠璃色の輝くようなうろこのものが多かったのですが、

図鑑に貼っていた昆虫もピカピカ輝くはねを持ったちょうちょや

玉虫色のかまきりなど美しいものばかり選んでいました。

 

そんな◆くんの「好き」に影響されて

もともとは電車や乗り物にだけ目がなかったこのグループの子たちは、

いつのまにか魚や動物や恐竜が大好きになってきました。

 

内気で控えめな☆くん。でも描く絵もこのごろブームというひらがなも

筆圧が強くてしっかりしています。

☆くんが文字を書く姿を見て興味を抱いた★くんも、「い」や「つ」などを

練習しました。

 

★くん作のおにぎりの本。梅干し入り、ポテト入り、いちご入りなど。

 

それを見た☆くんと○くんは、「うめぼしの本」を作りました。

 

○くんとわたしの合作です。働く車の動く図鑑。

 

車をスライドさせると、次のページの車が動きます。

 

最年少の●くんも最近はどの活動にもしっかり参加しているのにびっくり!

のりでトーマスの写真を貼っているところです。

 

 


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