「枠組み」が機能するように工夫するということについて
もう少し理解していただくために、ちょっと話を脱線しますね。
ユングのタイプ論によると、人は「感覚」「感情」「直観」「思考」の4つのうちのどれかが優勢なのだそうです。
4タイプに分けられるといっても、感情や思考が優れている人にも、それぞれが「感覚寄り」か「感情寄り」の
どちらかに分けられるので、
大まかに捉えると、直観で世界に関わっていくタイプか、、感覚で関わっていくタイプかの
ふたつのタイプに分けることができるようです。
「直観が優れている子には廃品や画用紙を使った工作の方がその子の能力を引き出しやすい」
という一例に、
虹色教室の生徒のひとりでもある
ペロ嫁の工作 de 知育な日記 のペロ子ちゃんの工作作品を紹介させていただきます。
ペロ子ちゃんの弟のペロ太郎くんは、感覚が優れている子だと思われます。
感覚が優れている子の多くは、オムツをあてているような頃から、大人に作らせておいて、
建築現場の監督のように、ここが長いだの、ここは色がちがうだの、ここはこういう形だのと、
細かいチェックをいれてきますから……。
ペロ子ちゃんは、外向直観型を絵で描いたような子なので、
工作作品はどれも見栄えは悪いけれど、どれだけいろんなことを考えついているのかと
ひらめき度合いと広がりがうかがえる作品群です。
ペロ子ちゃんは、つい先日、虹色教室の科学や算数の道具が入っている箱のなかから、
「宇宙と岩石」の箱と「光とレンズ」の箱を選んで、お友だちとさんざん遊んでいました。
その時の印象が残っていたのか、
またお家でお母さんと過去にした工作の記憶が残っていたのか、
ペロ太郎くんがお母さんと飛行機を作っているのに
便乗してあれこれ作るうちに、
「万華鏡」とか「プラネタリウム」など自己流に工夫して作っています。
直観が優れている子たちは、
ていねいに正確に作るのではなくて、
「物の仕組みや原理や物の性質や物理法則などを利用して、
頭の中のイメージや思考過程をとりあえずアウトプットしてみる」
ということが好きです。
造形教室で美しい芸術作品を作るというより、
好奇心のままに次から次へと興味を抱く世界の姿を
ガラクタ相手に自分の手と頭で表現してみたい
という作品作りよりも頭脳活動重視の関わりを好むのです。
ただ作品としてはどんなに稚拙でも、
「広がりすぎる好奇心」を「手で作るという行為」に還元させることを大切にしていると、
どんなに興味が新しいものに飛び移っても、
それぞれプツンプツンと切断されたバラバラの知識にはならず、
最終的には独創的で豊かな自己流の考えや方法を確立させていくことに
つながります。
そうしたメタな視点で子どもの活動をサポートすることを
「枠組み」と呼んでいるのです。
わたしにしても、直観タイプで、頭の中身が常に多動気味ですから、この「ブログ」のように、
取りあえず体験したことや考えたことをアウトプットして、拡散させないようにする
枠を設けておかないことには、
嵐のように日々が過ぎ去った後で、自分が何をしてきたのかさえ
定かでなくなるかもしれません。
うちの子らにしても同じです。
娘は幼い頃から目ざとい子で、誰かがいずれやりそうなことなら、いの一番に嗅ぎつけて、
「あんなことやりたい!やりたい!」と言いだして、
それが流行りだす頃には、もう別の新しいことを「やりたい!」というタイプでした。
未知の物事に手をつけるときのエネルギーはすごいけど、
いったんそれをマスターすると、もう興味はありませんから、コツコツ持続していくのは苦手です。
とにかく人がやらない時に手をつけますから失敗も多いのですが、
打たれ強い性質で、緊急事態や危機に陥った時の冷静さとそれを打破する力はたいしたものです。
問題解決能力が高いのです。
娘が1歳くらいの頃から、「やりたい」と言いだしたことには、
たいていチャレンジさせてきました。
が、同時にこの子の性質も考えて、「枠組み」は設けていました。
こういう性質の子に対して、遊園地やショッピングセンターを連れ回すとか、
電池式のおもちゃを与えるとか、
「子どもを喜ばせること」を主に子育てしたら、とんでもないことになりますから、
1人目なので、現実には、あちこち連れ回ったり、次々おもちゃを買い与えたりして甘やかしつつではあったのですが、
それでも、常に自分の手と頭と言葉を使って、
自分自身で物事から楽しみを引き出すことができるように工夫していました。
どんどん新しいことをやりたがることに関しては本人の気持ちを酌みながら、
手で物を作ったり、どうやったらできるかいっしょに考えるなどしていました。
娘に関しては、「とにかく自分で課題を見つけたい人だ」と解釈して、
「まだやりたがってもいないのに、先まわりして、やらせない」
「本人が本気でやりたがることは、どんなことでもやらせる」
「何かやらせるときは、最初に超えられるレベルの障害物を置く」
ということを気をつけていれば、
後は自分で成長していってくれる感じでした。
息子は、娘以上に直観的な子で、
取りとめがないほどひらめきが広範囲に及ぶタイプです。
そのせいで、ボケッ~と考え事をしていることも多く、
体育の授業の前後で、着替えるのが遅いということで、
さんざん先生から注意を受けていた9歳くらいの頃、
母子で14キロほどウォーキングする集まりに参加した際に、
「ぼくは、タイムマシーンは作れると思うんだよ」と言うので、
その考えの根拠やあらましに耳を傾けることにしました。
すると時空についての自分なりに調べたことやら、現実に作るとすれば
どうすればいいと思うかという考えやらを、
ウォーキングで行って帰ってくる数時間、延々と熱く語られました。
その翌年、「3Dホログラムを作りたい」と言いだしたので、
その方法をたずねると、「さばくの蜃気楼の原理を研究して、
同じようにしたらできると思うけどな~」という答え。
ただただ頭で考えさせていたら、どこまで広がっていくかわかりませんから……
空想だけなら、宇宙の果てでも飛んで行きそうな勢いですから……
ここでも「枠組み」ということで、「作らせる」「実験させる」という
手を使ってアウトプットさせることを
サポートしました。
その時の記録を記事にしています。
この時、全く偶然で、でたらめな実験をあれこれ繰り返していた後なのですが、
本当に3Dホログラフィーが作れたのです。
作れたという代物なのかもわからないのですが。
でも、いっしょに実験していた子どもたち一同、万歳三唱をしていました。
何度も何度も同じ事を伺っていながらどうしても理解できなかった事が今回ようやく本当に理解出来ました ^^;
どうも私が勝手に誤解をしていたようです・・・
実は、娘の日々繰り返される工作、つまり、先生のおっしゃる「手で作る行為」が、私の中では「広がりすぎるすぎる好奇心」と勝手に解釈されていたのです^^;
ひらめきで作る事が多く、一つの作品を作る時間が短く、かつ、作った物に執着しない故、娘の工作は「広がりすぎる好奇心」だと勝手に位置づけ、「我が子の広がりすぎた好奇心」をこの先拡散しないようどうまとめていけばいいの!?と、ず~っとモヤモヤモヤモヤしておりました^^;
今回、ようやく答えが出た~!って思えてかなり嬉しかったです^^
まぁ、本来ずっと前から出ていたはずなんですけど・・・
人の云っている事を、人が云っている通りに理解する事がいかに難しいか・・・身をもって感じました
ホント言葉って難しい・・・
まぁ、私の理解力の無さと説明の悪さが最大の原因なのでしょうが・・・(;一_一)
明日・・・いや、既に今日ですね・・・は久々のサークルです ^^
スッキリした気持ちで参加できそうです♪