虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

内田樹氏の「コミュニケーション能力とは何か?」について、親子でおしゃべり

2015-10-17 07:21:43 | 日々思うこと 雑感

 知人のフェイスブックに紹介されていた

内田樹の研究室の

「コミュニケーション能力とは何か?」という文を読みました。

 

興味深い内容だったので、朝食を食べていた息子に読むように勧めると、

さっと目を通してから、

「確かに、コミュニケーション能力なんて……

まるで数値化して比べられるもののように扱っているわりに、

コミュニケーションという言葉の意味をきちんと突き詰めて考えていないよね。

使っている人同士が同じイメージで語っているのかとか、

それを能力として高い低いで語れるとしたら、その具体的な基準はどんなものかとか。」と

つぶやきました。

 

そこで、

「★(息子)は、コミュニケーション能力って何だと思う?」とたずねてみました。

すると、「コミュニケーション能力」という意味を息子はどう捉えているのか、

わたしにはない発想が返ってきて、くわしく説明を求めるうちに、

朝の忙しい時間帯を、親子ともども30分ほどおしゃべりに浪費してしまいました。

 

 『内田樹の研究室』の文章について、

親子で交わした会話は、過去にもこんな記事にしたことがあります。

 

「若者たちはなぜ、社会に対して何かを訴えたり行動したりしないのか」という内田樹氏への質問 1

「若者たちはなぜ、社会に対して何かを訴えたり行動したりしないのか」という内田樹氏への質問 2

「若者たちはなぜ、社会に対して何かを訴えたり行動したりしないのか」という内田樹氏への質問 3

「若者たちはなぜ、社会に対して何かを訴えたり行動したりしないのか」という内田樹氏への質問 4

「若者たちはなぜ、社会に対して何かを訴えたり行動したりしないのか」という内田樹氏への質問 5

「若者たちはなぜ、社会に対して何かを訴えたり行動したりしないのか」という内田樹氏への質問 6

「若者たちはなぜ、社会に対して何かを訴えたり行動したりしないのか」という内田樹氏への質問 7

「若者たちはなぜ、社会に対して何かを訴えたり行動したりしないのか」という内田樹氏への質問 8

「若者たちはなぜ、社会に対して何かを訴えたり行動したりしないのか」という内田樹氏への質問 9

 

 

息子に、「コミュニケーション能力って何だと思う?」とたずねた結果、

返ってきた答えというのは、こんなものでした。

 

息子「ぼくは、お互いの最終目標を意識しない形でするコミュニケーションは、

間違っていると思うな。

無理矢理、同じひとつの意見にすり合わせていく必要もないけど、

相手が何を目的として、それを言っているのかや最終的に何を目指しているのかも

理解しないで、自分の主張を押し通す態度はコミュニケーション能力の問題と

言えるんじゃない?

 

ほら、よく学校や塾で先生に文句を言う親と親に文句を言う先生との間で

揉めることってあるよね。

お互いに相手に自分の目的を伝える気もなければ、

相手の目的を知って、できる範囲で達成してあげようという気もないまま話合うんじゃ、

いつまでたっても、かみあわないはずだよ。

 

相手の最終目標を理解するといっても、コミュニケーション能力が、

相手をなだめたり、言葉の扱いに注意したりして、

トラブルを起こさなかったり、感情を静めたりする能力ってわけでもないだろうし、

相手の意見に迎合することでもないとは思うよ。

 

でもコミュニケーションするからには、自分以外の人の考えが行きつく先とか、

ひとつひとつの意見の全体像のようなものを意識しないで

自分の世界観でやりとりを完結させようとするのは、

コミュニケーション能力の問題と言えるんじゃないかな。」

 

わたしは息子の言葉を聞いて、

これまでいろいろな話題で息子とおしゃべりを続けてきたけれど、

その都度、知らず知らずのうちに、

親のわたし自身が教室で直面している課題への答えを発見していたことを

思いあたりました。

こちらは、少しも意識していなかったけれど、息子の側は、そうした雑談の間にも

わたしが最終的に目的としている事柄を探る努力をしていたのかもしれません。

 

息子

「ぼくは今の時代、コミュニケーション能力についてしょっちゅう取りざたされたり、

コミュニケーション不全といった状態が問題を起こしているのは、

個人の能力の高低というより、今の時代に不足している物語……というか虚構かな……

もしも、こうだったらという仮想の設定に自分を置いたり語ったりする意味を

見失ったことによるところが大きいと思うよ。」

 

わたし 「物語?仮想の設定?どういう意味?」

 

息子 「コミュニケーションでは、自分には当たり前でも相手は知らないという事柄を

わかる言葉で伝えなくちゃならないよね。それには柔軟性や試行錯誤もいるけど、

まず、もし自分が相手の立場だったら……という仮想の設定を

してみる必要があると思うんだ。

 

内田樹先生のフランスのレジの店員とのやりとりがちぐはぐになったって

たとえ話があったよね。

コミュニケーションが不調に陥った時にそれを修正して回復させていく能力こそ

コミュニュケーション能力だというのも、その通りだと思う。

 

でも、同時に、能力という言葉で表わされるような言い方とか対応の仕方が

適切じゃなかったとしても、もし自分がその人だったら……とか、

自分が外国で買い物をするとしたら……いう視点に立つことを大事にしていたら、

上手下手なんてあまり関係なく

コミュニケーションが円滑に進んでいた可能性が高いんじゃないかな」

 

続きを読んでくださる方はこちらに↓

内田樹氏の「コミュニケーション能力とは何か?」について、親子でおしゃべり 4

 


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