フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

1月13日(火) 晴れ

2009-01-14 09:17:26 | Weblog
  8時半、起床。卵焼き、トースト、紅茶の朝食。9時半に家を出る。2限の演習では学生たちが冬休みの間に書いたレポート(400字詰原稿用紙換算で10枚)の内容を一人5分で発表してもらう(A4判1枚のレジュメを準備)。5分あればレポートのポイントはしっかりしゃべれるはずである(5分を短いと思うなかれ。みんなを前にして5分間黙っているのはいかにしんどいことかを考えよ)。ところがほとんどの学生は5分でレポートの全体を語ろうとする。それは無理である。無理にそれをやれば、早回しのフィルムを観ているようで、そのレポートがもっている(かもしれない)面白さは伝わらない。濃淡というか、メリハリというか、そういうものが必要なのだ。今日は半分の人数をこなすつもりだったが、5分を超過して話す学生が多かったのと、私の質問やコメントが長くなり、3分の1しか終らなかった。次回は昼休みまで延長してやりますとあらかじめ宣言しておく。
  昼食は「たかはし」の刺身定食。お勘定のとき、毎年恒例、お年賀のタオルをいただく。これがあるから1月中旬までには一度行っておかないとならないのである。5限の授業(質的調査法特論)までの空き時間、教員ロビーのソファーで本を読んだり、研究室で院生たちのレポートに目を通す。

                  

  途中、ちょっと用事があって教務室に顔を出したら安藤先生がおられて、TVドラマ『ありふれた奇跡』のことが話題になる。安藤先生は、山田太一独特の台詞について文学者らしいコメントをされた後で、「ロケに使われた駅がどこだかご存知ですか?」と嬉しそうに聞いて来た。その嬉しそうな表情から、ああ、これは安藤先生のお住まいの近くなのだろうなと察しがついた。東葉高速鉄道の八代緑ヶ丘駅である。東葉高速鉄道といっても地方にお住まいの方はご存知ないであろうが(東京在住の人間も知らない)、東葉の「東」は東京、「葉」は千葉で、かといって東京駅と千葉駅を結んでいるわけではなく、西船橋駅と東葉勝田台駅というどちらも千葉県内にある駅を結ぶ16.2キロの新線(1996年営業開始)である。西船橋で地下鉄東西線に接続するというのが「東」の理由である。いじましいネーミングなのだ。ドラマの中では「大手町」と行き先を表示した電車がホームに入ってきていたが、東西線には大手町止まりというのはないから、あれはドラマの設定上、「都心に向う電車」というものを演出したのだろう。安藤先生は印西市(郡だったかな?)にお住いだから、東葉高速鉄道とは直接関係ないのだが、山田太一のドラマの舞台に千葉県内の場所が使われたというのが嬉しいらしいのだ。確かに山田太一のドラマの舞台(郊外の住宅地)はこれまで東京の西部、東急線や京王線の沿線が多かった。それが今回は一転して千葉である。東葉高速鉄道沿線である。千葉県民としての嬉しい気持ちはわからないでもない(私も13年間、西船橋駅の近くに住んでいたので)。ついでにいうと、池上本門寺の長い階段が、ドラマのストーリーとは関係なく、田崎翔太(加瀬亮)の日常を描くシーンで使われていた。それにしても初回の視聴率が12%台というのはどうしたことだろう。同じ曜日・時間帯の『風のガーデン』の初回は20%台であったことを考えると、どうも合点がいかない。富良野と八千代緑ヶ丘の魅力の違いではないと思うが・・・。

         
                       ありふれた雲

  夕方から急に空気が冷え冷えとしてきて、授業中、全然エアコンの暖房が効いていない感じだった。しかし、授業を終えて廊下に出たら、ものすごく寒くて、授業中に感じた寒さの比ではなかった。