フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

1月28日(水) 曇り、一時小雨

2009-01-29 02:21:44 | Weblog
  8時、起床。卵焼き、トースト、紅茶の朝食。今日は修論を読む日。鉛筆で書き込みをしながら読んでいく。これが手書原稿だとそういうわけにもいかないが、印字原稿はコピーと同じだから、躊躇なく書き込みができる。書き込みをしながらでないと読んだ気がしない。昼食は、卵焼き、里芋煮、ほうれん草の胡麻和え、大根の味噌汁、ご飯。少し昼寝をしてから、散歩に出る。「テラス・ドルチェ」で珈琲を飲みながら修論を読む。切りのいいところまで読んでから、栄松堂へ行き、以下の本を購入。

  野村美月『〝文学少女〟と死にたがりの道化』(ファミ通文庫)
  朱川湊人『本日、サービスデー』(光文社)
  日高義樹『不幸を選択したアメリカ』(PHP)

  『〝文学少女〟と死にたがりの道化』はいわゆるライトノベル(中高生を中心とした若者層を対象にした娯楽小説)である。手に取るのは初めてだが、いま読んでいる修論がライトノベルを扱ったものなので、実際に読んでみないことには話になるまいと思ったからである。いままでほとんど気にしていなかったが、ライトノベルの棚は売り場の中でけっこうな面積を占めている。その中から一冊を選ぶのは、初心者の私には難しいことに思えたが、幸い、帯に「このライトノベルがすごい!2009 作品部門第1位」と印刷された作品があったので、購入することにした。それが『〝文学少女〟と死にたがりの道化』である。表紙にキャラクター(天野遠子)のイラストが描かれているのはライトノベルの特徴の一つであるが、私のような年恰好の者が、これをレジに持っていくのは多少の度胸がいる。「進め!社会学者!」と心の中で念じつつ、でも、これ一冊ではいくらなんでもなぁと思い、カムフラージュの意味合いもあって、他の二冊と混ぜる。レジの女性から「カヴァーをおつけしますか?」と二度も聞かれる。通常は、「カヴァーをおつけしますか?」「いいえ、けっこうです」「おそれいります」というやり取りが一度あるだけであるが、今日は、「おそれいります」に続いてクレジットカードでの支払い手続きがあって、その後、再び、「カヴァーをおつけしますか?」と聞かれた。えっ、さっき「けっこうです」といったよね。聞いてなかったの。どうもこの店員はこの本にカヴァーをしたくてしかたがないみたいなのである。カヴァーをしないで公衆の面前でこの本を読むことはあんたのためになりません、悪いことはいいませんからカヴァーをしなさい、そう言いたいみたいである。隣のレジの女性の店員がこちらをチラチラと見ている。この本を買うのはいい、それはおじさんの自由だ、おじさんにはこの本を購入する権利がある、しかし、権利には必ず義務が伴う、この場合、本にカヴァーをつけることはおじさんの義務だ、そう言いたげなまなざしである。「カヴァーはけっこうです」と再び私は言った。目の前の店員は観念したように「わかりました」と言い、隣のレジの店員はやれやれという感じで小さく溜息をついた。

         

  同じフロアーの新星堂で、今日発売のブルース・スプリングスティーンのニュー・アルバム「ワーキング・オン・ドリーム」と、同じく彼の初期(1975年)のアルバム「明日なき暴走」を購入。ロックだぜ。