嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

華麗なる一族

2005-11-12 10:15:48 | 本と雑誌
DSC1039志摩半島の英呉湾に「志摩観光ホテル」という老舗ホテルがある。つい先日のニッケイに親会社の近鉄が60億をかけてリニューアルを行うと記事が載っていたが、いったことのある人に聞けばむべなるかな・・・ボロもいいところだったそうで立地が素晴らしいのとメインダイニング「ラ・メール」のシーフードが有名になっちゃったのでフツーだったら完全に名前を変えて、というプランになりそうなものだが、「シマカン」の名前は受け継がれるらしい・・・「ラ・メール」のシーフードっつうかフレンチはそれだけで一冊どころか数冊の本になっているが、素材頼みの古いスタイル。あれをフレンチというのかどうかは大いにギモンで、まあ海鮮洋食とでも呼んでおいた方がよい(爆)。あわびのステーキがつくコースだなんて頼んでいい気になっているとひとり5マソは軽い。
・・・と勝手に計算していたらいらしたお方からの投稿で現在では宿泊して食事してもそんなに逝かないそうな(爆)。シェフがかわってメニュウも変わったのでしょう・・・だって、以前はフレンチコース3マソよりだったもの・・・

そのメインダイニングを一躍有名にしたのがこの山崎豊子著、「華麗なる一族」である。冒頭からイセエビのクリームスープが登場してタマランチ会長(爆)
山崎センセはいわずと知れた「白い巨塔」の著者。60年代に清張センセともども流行作家の名をほしいままにしたお方であるが、このおふたり、どうも話の作り方、描写、展開その他が似通っている。当時は新しい視点だったのだろうが、服装や料理などの細かい描写から臨場感を作り出す手法には感服させられる。いまだに読める、どころか楽しめる!ニンゲンの営みは変わらないなあ、と感慨しきりの超大作!企業小説の要素のほかに異常な性愛、グルメ、どろどろした人間関係、閨閥がらみの結婚などを織り交ぜて楽しませてくれる。
痛筋にどうぞの75点。時代を感じさせない太いストーリはいま読んでも新鮮ではないがうなずかせてくれるぜ、の★★★★。