King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

深呼吸の必要

2007年11月09日 15時11分57秒 | 日々のこと
昨日放送の『深呼吸の必要』をみました。
これは最初実験映画かと思いました。今までにない
ロードムービーならぬロードームービーです。
それも、最初の刈り始めてないサトウキビ畑が徐々に
刈られていくに従い、労働者の人間模様も段々明かされて
行き、その心模様も変化が見えるというありがちなテーマなのだけど、
結局は何も考えずに労働してくたくたになり、沖縄の自然と
人情で癒されていくということです。

サトウキビ畑が徐々に刈られていき、そんなに熟達もみられない
彼らの労働振りから、やはり所詮映画という臭いが沸き立ちますが、
実際に立っているサトウキビが無くなっていくのとあわせてそれぞれの
人のこころも変わっている事が実感として表されているので、この
長い間の試みも成功しているといえるでしょう。ストーリーやドラマ性に
乏しかったり、出演者のここのドラマも今ひとつ感じられないし、説明が
少ない分、それはそれでみている人が想像してみるしかありません。

人それぞれの挫折と苦悩があり、その解決も人それぞれです。
たまたま一緒になった畑での労働が、最初のグダグダ振りから成長を
やはり感じさせてくれます。それは畑という人工の場所でも、そうなのです
から、実社会でも人は場面場面で決断と苦悩というドラマにさいなまれ
それぞれの成長を遂げながら傷ついているのだと感じます。最近同じような
テーマの多い映画の中で、これはロードームービーとしての地位と成功を
手に入れた映画だと思います。

派遣や格差といった今風のテーマに触れながら、よくある逃げの不思議な
出来事に触れて、解決という手法でなく、労働という体験で解決と
いう点が評価されると思います。それは最近、働かない人たちや何も
できもしないのに、口だけの人達が多いことにも起因するのでしょう。
コメント
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