金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

52:宮部みゆき 『とり残されて』

2005-07-10 19:36:21 | 05 本の感想
宮部みゆき『とり残されて』(文春文庫)
★★★★☆

表題作が怖かった。子どもの幽霊って、なんだかそれだけで恐怖。
『死にぞこないの青』の感想でも書いたけれど、
小学生のとき先生との間に起こったできごとは、
大人になった今でも意外なほど鮮明に覚えている。
恨みとか怒りではない。無力感をともなう、もの悲しい記憶。
それを思うと、自分が子どもと接する仕事についていることに恐怖する。
基本的にファンタジーやSFは苦手なのだけれど、違和感なく読めました。
「たった一人」がおもしろかった。

コメント (2)
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51:『Love Stories』

2005-07-10 19:35:05 | 05 本の感想
『Love Stories』(水曜社)
★★★★☆

八人の作家による恋愛小説のアンソロジー。良作揃いだと思います。
一部感想。

山田詠美「ぼくの味」
 うまいなあ。短編としての完成度は群を抜いている。
 作者らしい話。安定していて、読んでいて安心する。

鷺沢 萠「誰かアイダを探して」
 高校生のころに読んだ「少年たちの終わらない夜」や
 「スタイリッシュ・キッズ」と同じパターン。
 20歳の頃に思い入れがあったのかな?

川西蘭「ふたりの相棒」
 バスケに熱中する女の子の話。最初に出てきた社会人たちと、
 後半の男の子たちの話が分離してしまっている印象。

川島誠「クーリング・ダウン」
 陸上部の男の子と先輩の話。主人公が高校生なのもあって、
 初々しい、可愛らしい印象。中編、あるいは長編で読みたい。
 『800』も前から気になっている。

角田光代「猫男」
 恋愛依存症というか、都合のいい女というか、
 男にいいように利用されてしまう主人公が多いですね。

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