金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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47:寺山修司 『寺山修司詩集』

2005-07-05 19:27:56 | 05 本の感想
寺山修司『寺山修司詩集』(ハルキ文庫)
★★☆☆☆

「書物の王国」シリーズにあった「サファイア」という詩が好きで、
寺山修司の名前はずっと頭にありました。
正直にいうと、この詩集に入っているものの大半は毒が強すぎて、
わたしには受け入れられなかった。
ただ、「書物のなかに海がある/こころはいつも航海をゆるされる」
からはじまる「あなたに」という詩は好きです。
本を好んで読む人にとって読書というものはこういうものだ、
と的確にあらわしている気がする。

以前、読書体験というものの共有について話していたとき、
本(小説)を読まない人に、
「読んだ本について君が語ってくれればいい」と言われ、
「受け取るものは人によってちがうのだから、
 読んでいない人に語っても意味がない」
と答えたことがありました。
そのときはものすごい非論理的な反論をされて話が終わったのですが、
おそらく根本にあるのは、読書というものに対する見解の相違。
わたしの個人的な考えでは、本というのは娯楽のひとつ。
娯楽があふれている昨今、なにを選ぶかは人それぞれ。
わたしは読書をなにかを得ることもある娯楽だととらえているけれど、
相手は知識を得るツールだと思っていたのだと思います。
本を読む・読まないというのは、良し悪しの問題ではなく、
単純に嗜好の違いではないかと思うのです。

コメント
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